高齢者をシルバーと呼ぶ理由について詳しく見ていきます。高齢者をシルバーと呼ぶのが一般的になった理由は、実はシルバーシートに理由があったのです。そもそも何故「シルバー」なのか、その由来についても詳しく見ていきます。

高齢者を何故シルバーと呼ぶのでしょうか。

 

シルバーといえば、銀色を示す英語です。

そのはずなのですが・・・何故か、高齢者の方たちを指す言葉って、「シルバー〇〇」がよく使われますよね。

 

  • シルバーシート
  • シルバー世代
  • シルバー産業

 

等、シルバーを用いたコトバは数多く高齢者に用いられています。

今回は高齢者とシルバーの関係性について詳しく見ていきます。

 

記事は下に続きます。

高齢者を何故シルバーと呼ぶのか

高齢者の方をシルバーと呼ぶのが当たり前になった現代。

その理由について知っている人は案外少ないです。

 

実はこれ・・・シルバーシートの色が銀色だったからなんです!

 

「え、意味がわからない」

 

となりますよね(笑)

詳しく解説していきますね(^^)

 

シルバーシートの由来

電車やバスに設けられている優先席。

お年寄りを始め、体の不自由な方、妊婦さんや小さなお子さん、体調の優れない方などが文字通り優先的に座ることのできる座席ですが…

 

この優先席、かつてはシルバーシートという名前がよく使われていましたよね。

なぜお年寄りが座ると「シルバー」なのでしょうか?

 

お年寄りの髪の毛が白髪だから、白髪=銀髪=シルバー…?

いえいえ、違いますよ!

 

由来も違いますし、白髪じゃないお年寄りもたくさんいらっしゃいます。

そんなことを言うと人生の先輩方にお叱りをうけるかもしれませんので要注意です(;・∀・)

 

ではなぜ優先席にシルバーシートという名前がついたのか…

それは単に「座席の色がシルバーだったから」です!

 

詳しく説明していきますね。

遡ること40年以上前の昭和48(1973)年、国鉄は「敬老の日」を迎えるにあたり、お年寄りに向けた新たなサービスを考えていました。

 

そこで思いついたのがお年寄りや体の不自由な人の為の優先席です。

優先席を新しく作りたかったのですが、当時の国鉄は赤字だったためそのような予算はありませんでした。

 

他の座席とわかりやすく区別するために、せめてシートの色だけでも変えようと座席を作っている工場に相談しましたが、

 

「新しい生地を用意するには時間が足りない」

 

と言われてしまいます。

しかし!

その後工場から「少しだけ残っている生地がある」という連絡があり、提示されたのが新幹線の普通席のカバーとして使用されていたシルバーの布。

 

結果、この布が採用され、座席の名前も見たままのシルバーシートとなったそうです。

 

ちなみに、写真も残っていますが当時残っていた布の量が足りなかったので、シルバーになっているのは座る部分だけ。

背もたれは元の色のままでした(笑)

 

ともあれ無事にでき上がったシルバーシートは、敬老の日に当時の山手線、中央線、京浜東北線に設けられました。

その後、シルバーシートは国鉄に留まらず私鉄やバスなどにも広まり、更にはシルバー=高齢者というイメージができ上がったのです。

 

現在のシルバーシートは、元々の形を引き継いだシルバーカラーのものももちろんありますが、オレンジ色など目立つ色も増えてきています。

優先席は色々な優先されるべき方のための座席ですが、

 

 

からではないでしょうか?

 

しかし、たまたま余っていた布がシルバーだったからシルバーシート…

余っていた布がグリーンやブルー、オレンジだったとしてもやはり「グリーンシート」「ブルーシート」「オレンジシート」という名前になっていたんでしょうね。

 

シルバー世代の由来

前述の通り、元々「シルバー」はお年寄りを意味する言葉ではなく、高齢者を「シルバー世代」と呼ぶのは、「シルバーシート=お年寄りの優先席」ということから生まれたイメージによるものです。

 

  • シルバー産業
  • シルバー人材派遣事業
  • シルバー割

 

など、様々な場面でお年寄りを表す「シルバー」を目にすることがあるでしょう。

 

シルバーシートを作った人たちも、まさかシルバー=高齢者がここまで一般的な意味として広まるとは想像もつかなかったと思います。

 

ちなみにですが…アメリカなどで高齢者のことを指す言葉は「グレー」。

色で言うと灰色です。

 

お年寄りの白髪、シルバーとも言えますがグレーと言えばグレーですよね?

シルバーシートも、ギラギラのシルバーではないので、グレーとも言えるのでは…?

 

じゃあ、英語の元の意味に合わせて日本でも「グレー世代」「グレー産業」と呼んでしまえば良いのでは?と思うかもしれません。

しかし、日本で高齢者=グレーとしないのにはある理由が・・・

 

例えばですが…「灰色の人生」「灰になる」などと聞くとどんなイメージを持ちますか?

どちらかと言えばマイナスな印象ですよね。

 

また、犯罪を犯したかどうかなどの話で「グレー」という表現を耳にしたことはないでしょうか?

この場合のグレーは「犯人かどうか分からない、怪しい」という意味を持ちます。

 

つまり、日本の表現における「グレー」は良い印象のものがあまりないのです。

汚い動物というイメージのネズミもグレーですしね…

 

ですからお年寄りを「グレー」と呼ぶと失礼ながら「年を取ってみすぼらしくなった、汚らしい人」という印象を受けてしまいそうです。

しかしシルバーはどうでしょう?

 

銀ですよ!

メダルで言えば金の次ですし、「銀のスプーン」などと聞くと高級感がありますよね。

 

「シルバー世代」と呼ぶと「年や経験を重ねたことによる輝きがある、上品な人」という感じがしませんか?

 

このように、グレーとシルバーでは印象ががらっと変わります。

シルバーシートのおかげで、高齢者に素敵な呼び方ができて良かったなぁと思いますよね!

 

ちなみにですが、最近では秋の連休をシルバーウィークと呼びます。

時期的に「敬老の日」が近い、または連休中にあるのでシルバーウィークと呼ぶのかなと思うかもしれませんが…

 

この「シルバー」ウィークには高齢者は関係ありません。

5月の大型連休であるゴールデンウィークに対応し、ゴールデンウィークよりも短い比較的大型な連休として「シルバーウィーク」と名付けられたそうです。

 

まとめ

今回は、高齢者をなぜシルバーと呼ぶのかについてご紹介しました。

高齢者が「シルバー世代」などと呼ばれるのは、「シルバーシート」ができたことに由来します。

 

国鉄がお年寄りの為の優先席を作るにあたり、たまたま座席の色をシルバーにしたことが、シルバーシートの名前、更には高齢者=シルバーと言うイメージにまで発展しました!

本来、英語で高齢者を指す色は「グレー(灰色)」ですが、日本語ではグレーはあまり良い印象ではないので使用されません。

 

高齢化の進む日本ですが、いくつになっても元気はつらつなお年寄りの方はたくさんいらっしゃいます。

私たちも「シルバー」のような輝きと上品さを持ち合わせた高齢者を目指したいですね!

 

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