節分といわしの関係性について見ていきます。この記事では、2月の定例行事【節分】にいわしを食べる理由や、柊鰯を節分に飾る理由について紹介します。節分にやってくる鬼、彼らの意外な弱点についても解説します。
節分にいわしを食べる理由、一体何故なんでしょうか?
節分といえば、思い浮かぶのは
- 豆まき
- 鬼
- いわし
です。
鬼に豆をまくのは、鬼を退治するためだろうと想像ができます。
ただ、いわしはと言うと・・・正直、全く関連性が思い浮かびませんよね(;・∀・)
実は、節分のいわしは、魔除けの意味が込められているんです!
- 食べるいわし
- 飾る柊鰯
それぞれについて詳しく見ていきます。
節分にいわしを食べる意味と由来
それでは早速紹介していきます。
今回は、節分にいわしを食べる意味や由来についてです。
まず、いわしの語源を見ていきます。
2つの語源があるとされていて、
弱し(よわし)
卑し(いやし)
となっています。
いわしは漢字で書くと【鰯】
文字の中に弱いという文字が入っているんです。
また、鰯には独特のにおい…ハッキリ言って、少し臭いにおいがあります(汗)
弱くていやしい、そして臭いのきつい【いわし】を食べることによって、
私達の体の中に溜まっている陰の気(心の濁り・膿のようなもの)を消してしまおう!
という狙いがあったのです。
で、何故その陰の気を消す行為が節分に行われるようになったかと言いますと、本来の節分の扱いによるものが大きいです。
元々、節分とは冬の最後の日であり、旧暦で言うところの大晦日にあたります。
つまり、節分の次の日である【立春】は旧暦における元旦です。
新年を迎えるにあたり、一年間の心の荷物・陰の気をすべて落とすという意味も込めて、魔除け・邪気落としのためにいわしを食べたというわけです。
ちなみに、いわしを焼いた時に出るあのモクモクと立ち上る煙。
あの煙にも邪気払いの効果があるとされています。
ですから、煙といわしのにおい、両方を堪能できるように、節分にいわしを食べるときは、しっかり火で炙って食べるようにするのがおすすめです(^^)
節分に柊鰯を飾る理由
ちなみに、節分にはいわしを飾ることも多々あります。
実際、自分の家の玄関にいわしとヒイラギがセットになった
柊鰯
が飾られているのを芽にした方も少なくないかと思います(^^)
このいわしの飾りも、やはり魔除けのためです。
節分では、魔除けを行うために
- 柊の小枝
- 焼いた鰯の頭
をセットにしたものを飾ります。
これを
- 柊鰯(ひいらぎいわし)
- 節分鰯
- 焼嗅(やいかがし・西日本での呼称)
と呼びます。
柊鰯とはいわしの頭を柊(ヒイラギのトゲが鬼の目に刺さることを恐れ、家に入れないようにするため)に刺し、玄関の戸口などにさげておくことで、邪気を払う効果があるとされていた。
更に、いわしを焼く時に出る煙で、いわし臭くなった家には鬼(ヒイラギだけじゃなく、いわしのにおいも嫌い)が寄り付かなくなり、更に悪霊の侵入も防ぐとされている。
確かに、元旦に鬼や悪霊・邪気が入ってきたら一年間が不安になりますもんね(;・∀・)
昔の人は、この柊鰯を飾ることで、安心して元旦=立春を迎えていたのでしょうね。
最近は時代の変化もあり、見たことがない方も増えているようですね。
実際の柊鰯はこんな感じです(*´∀`)
柊鰯の由来
柊鰯の由来について見ていきます。
平安時代の歌人・紀貫之。
彼がかいた土佐日記という本には
「小家の門の端出之縄(しりくべなは)の鯔(なよし)の頭、柊らいかにぞ。
とぞいひあへなる」
と書かれています。
ちなみに、
- 端出之縄は、現在の注連縄(しめなわ)
- 鯔(なよし)とは魚のボラの頭
をそれぞれ指しています。
これから分かるように、当時は正月、門口に飾った注連縄(しめなわ)に、柊の枝と一緒にボラの頭を指す習慣があったということです。
それが時を経て、より手に入りやすく、また最初に説明した鰯の語源からも縁起を担ぎ、ボラ⇒いわしへと変化したというわけです。
つまり、柊鰯は、今から1100年以上昔の平安時代の風習に由来があったのです!
【鰯の頭も信心から】とは
鰯の頭で有名なことわざに、【鰯の頭も信心から】というものがあります。
実は私も、高齢者の方に節分が近づくと教えてもらっているこのことわざ。
意味は、
鰯の頭のような一見何の価値もないようなものでも、それを信じている人にとっては、非常に尊く感じられる・・・
このように、信仰心の不思議さを示すことわざとなっています。
鰯の頭って、それ自体は
- 無価値なもの
- 値打ちがないもの
- 役に立たないもの
ですよね。
ここでは、あえてその価値のない鰯の頭をたとえとすることで、よりわかりやすい意味へとことわざを導いているというわけです(^^)
飾る場所について
柊鰯は、魔除けです。
鬼や悪霊・邪気の侵入を防ぐため、その入口である
- 玄関のドア
- 軒先
に飾ります。
柊鰯の作り方
- 焼いた鰯の頭・葉っぱのついた柊の枝を用意
- 鰯のエラから柊の枝を入れ、そのまま目に向かって突き刺す
ちょっと作る時グロテスク(笑)ですが、その分魔除けがありそうな感じがします(*´∀`)
飾る日はいつ?
門松などのお正月の飾り物は、一般的に「一夜飾り」は良くないと言われています。
一夜飾り門松や正月飾りと言ったお飾りを、元旦当日に飾り付けることを指す言葉
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ただ、節分に飾る柊鰯は、節分当日に飾るのが良しとされています。
とは言え、地域差の強い節分といわしの関係です。
こちらも場所によっては、小正月(1月14日)の翌日、1月15日に飾り、節分を向かえるという地域もあります。
柊鰯はいつ外すのか
さて、次は柊鰯を外す日についてです。
「え、次の日には外すんでしょう?」
と思うかもしれませんが、何とこの外す日も地域によって大幅に異なるんです(;・∀・)
- 節分の翌日である2月4日には外す
- 2月いっぱいは玄関などに飾ったまま
- 1年間飾りっぱなし
- 魔除けとして、取れるまで飾っておく
という4パターンが外す日の候補となっています。
次の日、2月中は分かりますが、まさかの1年中・・・
確かに、いわしの頭はすでに焼いているので腐る心配もないし、1年間ぶら下げておくこともできますね。
一年中柊鰯が玄関にあるのでは、邪気や鬼が入ってくる心配もなさそうです(笑)
魔除けだということを考えると、取れるまで飾っておく・一年中飾っておくというのも頷けます。
玄関においてあるお守りなどは一年中飾るのですから、それと一緒と言われれば納得できてしまいます。
一番いいのは、郷に入っては郷に従えです。
あなたが住んでいる地域の他の方たちが外すタイミングに合わせて、あなたも外してもらえたらなと思います(^^)
外した後の処分について
さて、次は柊鰯を外した後の処分について。
一年中飾っておく地域の方を除くと、いずれは処分する必要が出てくるわけです。
昔からの風習では、
- 神社に持っていく
- 土に埋める
などの方法が取られていました。
最近では、
- 紙でくるみ
- 塩で清め
- 鬼や邪気を払ってくれたことに感謝して
- 処分する
という流れが一般的です。
【節分にいわし】は日本共通ではない!?
節分にいわしを食べたり飾る習慣ですが、実はこれ・・・全国共通の常識ではないんです!!
実は、節分にいわしというのは関西で主流の習慣となっています。
関東にいる叔母は全く知らなかったほどなので、地域が違えば、一生節分鰯の習慣を知らずにいる方も多いと言えます。
POINT節分といわしの関係は、関東で馴染みが薄く、主流は関西である。
とは言え、関東で全く見ない・・・というわけでもないようですね。
まあ実際、関西から関東に引っ越した方もいるわけですし、習慣がまったくないということはありえないです。
1番見かけることが多いと言われているのは、関西の中でも【奈良県】です。
節分になると、各家庭が玄関に柊鰯を飾り、邪気の侵入を防いでいます(^^)
ただ、やはりこの柊鰯という風習が忘れされれつつあることもあり、徐々にですが確実に、過程からその姿を消しつつありますね。
- 関西
- 関東
そういった違いに関係なく、日本の古くからある風習である柊鰯、守っていきたいものです・・・
節分にはいわしを食べよう!
今回は、節分といわしの関係について見ていきました。
節分にいわしを口にし、煙を出し、飾る。
これら風習の全ては、邪気払いの効果があったんですね(^^)
子供たちの給食などで、何故か出てくるいわし。
「子供たちが健康で過ごせますように・・・」
という給食のおばちゃん達の優しさが込められていたのかなと今では思います(*´∀`)
是非、今年の節分はいわしを口にして、一年間を無病息災、元気に楽しく過ごしてもらえればなと思います!!
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