千秋楽の意味や由来などについて見ていきます。相撲などでおなじみの千秋楽ですが、実は歌舞伎や舞台でも一般的に使われています。千秋楽の語源や由来など、知っているようで知らないこの言葉の真実を掘り下げていこうと思います!
千秋楽の意味、知っていますか?
相撲でよく聞かれる千秋楽ですが、その意味について私が知ったのは、恥ずかしながら社会人になってからです(;・∀・)
高齢者の方たちと会話を合わせるために、相撲知識を吸収しまくっていく中で覚えました。
・・・ちなみに、今なら前頭まで全員言える自信があります(笑)
で、最近友人と会話をしていると、思った以上に千秋楽を知らない方が多いんです!
ちょっと優越感に浸っていた所、突然こんな質問が飛んできました・・・
「千秋楽ってなんで千秋楽って言うの?」
・・・知らんがな(笑)
答えることが出来ず、
「次あった時教えるわ!」
と強がってしまいました(ーー;)
という訳で今回は、私が次この友人に会う前に知識を仕入れるべく、意外と若い人が知らない千秋楽の意味やその語源などについて詳しく見ていきます!
千秋楽の意味
それでは早速紹介していきます。
今回は、千秋楽とはというテーマで、徹底的に千秋楽について調べてみました!
高齢者の方に話をした所、
「おお~、そうなんですか!」
「ありゃ~知らんかったな~」
と驚いてくれたので、介護士の方で高齢者の方との会話のネタに困っている方にもおすすめです(^^)
ちなみに、この話題が一番盛り上がるのは千秋楽全日ですね。
当日は、相撲に集中しているので話を聞いてもらえません(笑)
千秋楽の読み方ですが、こちらは
「せんしゅうらく」
です。
僕の後輩の子は、読めない子達も案外多く、ちょっと相撲離れを感じて寂しくなってしまいましたね(;・∀・)
意味ですが、こちらは
芝居・相撲などの興行の、最後の日。
(明鏡国語辞典参照)
となっています。
そうなんです、実は千秋楽=相撲と思われがちですが、実際には芝居や舞台などでも最終日には千秋楽という言葉が使われているんです!
実際、宝塚などでも最終日公園を千秋楽と表現していますし、今では千秋楽=相撲の最終日という認識は薄れつつあるようですね(^^)
ここから転じて、現在では千秋楽=物事の終わりを指す言葉としても使われていますね。
ちなみに、千秋楽は
楽日
楽(らく)
と略して使われることもしばしばあります。
意味は全く同じですので、こちらも覚えておいてくださいね(^^)
更に、千秋楽の全日は【全楽】と呼ばれていて、こちらは特に歌舞伎などでよく使われている言葉です。
ただし、歌舞伎の場合は千秋楽の全日以外にも、一つ前に行われる演目に対しては【全楽】と用いるので、意味を取り違えない要注意が必要ですね(^_^;)
語源・由来について
千秋楽の語源・由来について見ていきます。
その昔、仏教を民に説いたり、亡くなった方の供養をする【法会】という行事の最後には、必ず雅楽の【千秋楽】という曲が演奏されていたそうです。
(明鏡国語辞典参照)
法会の終わりに演奏する曲【千秋楽】が、徐々に物事の終わりを指す言葉へと変化していき、現代では法会との関連はなくなったものの、千秋楽という言葉だけはしっかり残ったというわけです。
また、法会関係なく、そもそも当時の雅楽は必ず最後は【千秋楽】の演奏で終わっていたという説もあり、こちらも同じく千秋楽の語源の最有力候補とされています。
- 法会の終わり
- 雅楽の終わり
どちらが正しいかは未だに分かっていませんが、一つだけ言えるのはどちらの説であっても千秋楽=終わりを意味する言葉であったということです。
この2つが、千秋楽の語源・由来として現在では最も有力な説となっています。
ちなみに、千秋楽が大相撲で用いられたのは今からなんと260年以上昔!
1757年、現存する最も古いと言われる相撲の番付表には、既に【千秋楽】の文字が。
このように、日本人にとっても本当に馴染み深い言葉となっています。
相撲と千秋楽
千秋楽=相撲の印象が強い方も多いはず。
実際その通りで、15日間行われる最終日の取り組みを総じて【千秋楽】と呼びます。
ちなみに、千秋楽の取り組みは表彰などの関係もあって微妙に前倒しされています。
「千秋楽、どっちの力士が勝つんだろ!?」
とワクワクしながら18時前にテレビを付けたら、優勝した力士がインタビューを受けていた…なんてことも((((;゚Д゚))))
優勝する力士の取り組みを見逃したくない方は、いつもより40~50分前の17時過ぎにはTVを付けて千秋楽の大一番を待ち構えるのがおすすめです(^^)
歌舞伎と千秋楽
歌舞伎の千秋楽=最終日では、なんと演者さんによるアドリブが許されるという暗黙の了解が存在します(笑)
- いつもと違うセリフ・振り付け
- まさかのサプライズゲスト
- 即興演技
などが行われるのは、歌舞伎千秋楽の大きな特徴の一つと言えます。
千秋楽の火の見は、今まで頑張ってきた役者さんの冗談も見て見ぬふりをする…
なんとも日本人らしい、粋な考え方だと思いませんか?(*´∀`)
ちなみに、この千秋楽に行われるいたずらには【せせり】という名前がついています
・・・まさか、これに名前を付けるとは(笑)
もちろん演目そのものがおかしくなるような無茶はしませんが、それでも楽日までとは一味違う演目が見れるのも歌舞伎千秋楽の楽しみの一つです。
もしあなたが歌舞伎を見る機会があれば、是非、千秋楽と他の日、2回見に行ってみて下さい!
普段見られない歌舞伎役者さんたちのおふざけ・・・最高です!
千穐楽との違いはどこにある?
千秋楽ともう一つ、似たような言葉で【千穐楽】という言葉はあるのをご存知でしょうか?
実はこの言葉・・・
昔の千秋楽の呼び方
だったんです!
まだ今より昔の時代には、当然ですがコンクリートなどはありません。
舞台などを行なう劇場も基本的には木造です。
「木造建築に【火】の文字がつく千秋楽は縁起が悪い!」
として、代わりに用いられたのが、縁起の良い亀の字を用いた【千穐楽】だったというわけです。
しかし、時が経つにつれ、徐々に木造の劇場は姿を消していき、逆に鉄筋やコンクリートによってつくられた劇場が増えていきました。
それに伴い、漢字が合わないとして千穐楽の使用数は激減。
いつしか再び「千秋楽」という文字が一般化していったのです。
英語で表現すると…
千秋楽を英語で表現すると
- the last day
- the closing day
が一般的ですね(^^)
また、歌舞伎や舞台などの場合には
the closing day of the show
となり、相撲の場合は
final day of a sumo tournament
と表現することもあります。
どの表現でもthe final day=最終日を意味する英語が入っているのが特徴です(^^)
類語を見てみよう!
千秋楽の類語ですが、これはもうそのまま終わりを意味する言葉が入りますね。
- 最終日
- 大団円
- クライマックス
- 大トリ
- フィナーレ
等、終わりを表現する言葉は全般的に当てはまると言っていいでしょう。
実際、相撲の実況をするアナウンサーの方たちも
- 「さあ千秋楽!大トリを飾るのは横綱です!」
- 「優勝が決定するクライマックスの大一番ですね~」
- 「大相撲最終日名古屋場所ですが、盛り上がっています」
等、千秋楽以外にも様々な言葉で最終日を表現しています。
この当たり、自然な形で最後の日という意味を持つ言葉を使いこなしているのは、さすが言葉のプロだな~といつも感心してしまいます(*´∀`)
反対語・対義語はあるの?
千秋楽の反対語は
初日
ですね(^^)
始まりがあるから終りがあるわけで、この表現が最も正しい反対語・対義語と言えます。
大相撲の初日は力士の方たちの気合が入りまくっているので、一度生で見ることをおすすめします。
テレビで見る柔和な表情とは一味違う、本気の力士の顔・・・是非その目で、確かめてみて下さい!
あ、ちなみに、舞台等では、初日より更に前にプレビュー公演というものがあったりします。
初日公演より前に行われるもので、公演の最終確認 兼 手直しの場になっていて、このときのお客さんの反応などから更に演技を煮詰めていくそうです。
ちょっとお安く見れるので、おすすめです(*´∀`)
千秋楽の使い方を例文で解説
最後に、千秋楽を用いた例文を紹介して終わりたいと思います。
大相撲千秋楽を前に、全勝力士が消えるという波乱の取り組みとなった。
最近では、若手力士の台頭もあって中々全勝優勝する力士が見られなくなりました。
圧倒的強さの横綱独り相撲も面白いものですよね。
ですが、こうした大混戦の中で誰が優勝をもぎ取るか考えながら見る相撲もワクワクして大好きです!
初日に見た舞台では、まだまだ彼は演技に硬さが見られた…
が、千秋楽公演を見に行くと、初日が嘘のようなイキイキとした演技で観客を魅了していた。
舞台を見に行った方は分かるかと思いますが、初日と千秋楽とでは演者さんたちの表情や動きがまるで違います。
初日は演じているといった雰囲気のある方も、最終日にはその人になりきって完ぺきな佇まいを見せてくれる。
このあたり、練習では得られないお客さんたちの生の反応や声あっての成長なんでしょうね(^^)
そのため、舞台が本当に好きな人は、
- 初日
- 中日(真ん中の日)
- 千秋楽
の3回見に行くんだとか。
自分が好きな演者さんの成長を見るのって、絶対おもしろいですもんね!
千秋楽を終え、控室に戻ると、ようやく彼は笑顔を見せた
千秋楽は、お客さんにとっては最も面白い日です。
しかし、演者にとっては最終日、最も良いものを表現する責任があります。
相撲なら最高の取り組み
歌舞伎や舞台なら最高の演技
どんな分野であっても、千秋楽は最も盛り上がりを見せ、最も力のいる一日となっています。
だからこそ、千秋楽を終え、肩の荷が下りた後に見せる彼らの笑顔は、あんなにも輝いているんでしょうね(^^)
千秋楽の感動を味わおう!
今回は、千秋楽とは?というテーマでこの言葉について掘り下げていきました。
どんな舞台であっても、千秋楽は見るものを引きつけ、魅了します。
私は相撲しか見たことがありませんが、最終日の力士の方たちの気合は、肌で感じるという表現はふさわしいほど、ビリビリと感じさせるものがあります。
あなたがもし、舞台や大相撲を見に行く機会があれば、ぜひまずは千秋楽から味わってみて下さい。
この日だからこそ見られる感動や表現は、千秋楽最大の魅力と言えます。
一度足を運んでしまったら、この魅力に取りつかれ、私のように毎回足を運びたくなること間違いなし!
それを覚悟で、まず一度、千秋楽の感動を生で味わってみてくださいね(*´∀`)
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