満身創痍の意味や語源・由来などについて見ていきます。また、満身創痍と似た意味を持つ類語・反対の意味を持つ対義語についても調べてみました。例文で使い方を解説しつつ、間違った満身創痍の使い方についてもお伝えしていきます。
満身創痍・・・あなたはどういう意味で使っていますか?
- ひどく疲れた
- 筋肉痛で体中が痛い
- 病気で辛い
等、体を酷使した状態にある時、あなたはその体調をなんと呼びますか?
もし満身創痍と呼んでいるのなら、それは間違えかもしれません(ーー;)
今回は、満身創痍について詳しく見ていきます。
あなたはこの四字熟語の使い方、間違えていませんか?
満身創痍の意味とは
今回は、四字熟語・満身創痍について見ていきます。
難しい漢字ですが、読み方は
まんしんそうい
ですね(^^)
意味は
全身傷だらけであること。
転じて、手ひどくいためつけられていること。
(広辞苑参照)
各方面から痛めつけられて徹底的に非難を受けること
(参考 三省堂)
このようになっています。
体のあちらこちらの具合がよくない時の例えとして使われますし、体だけでなく、精神的に疲れてしまっている場合にも活用できますね。
あまり知られていませんが、他者からの非難を受けている際にも用いられることがあります。
・・・満身創痍になるほどの批判、絶対受けたくはないですね(ーー;)
両方の意味を見ても分かるように、
- 身体的
- 精神的
の違いはありますが、相手から痛めつけられた際に用いられる言葉です。
つまり、運動などで疲れ切った時など=自分で体をいじめたときなどには
「運動のし過ぎで満身創痍だよ」
と言った使い方はしませんので、この当たり注意が必要ですね(;・∀・)
由来について
満身創痍の語源・由来について紹介していきます。
実はこの四字熟語、【満身】と【創痍】の2つに分けることが出来るんです(^^)
- 【満身】=体中・全身
- 【創痍】=刃物で受けた傷
をそれぞれ表しています。
この二つの言葉を合わせて、全身傷だらけの意味で使われるようになりました。
こんな物騒な言葉が生まれるほど、危険な時代が日本にもあったんですね…
今は本当に、平和な社会で嬉しい限りです(*´∀`)
満身創痍の類語はあの四字熟語!
次は、満身創痍の類語について見ていきます。
気息奄々(きそくえんえん)
意味:物事が非常に苦しい
- 気息=呼吸
- 奄=ふさがる
をそれぞれ意味しており、奄々と文字を重ねることで【ふさがったこと】を強調しています。
人の体が極度に弱くなり、息ができないくらい苦しいなど命にかかわる程の苦しみを表す言葉です。
また国や組織が今にも滅びてしまうような苦しい状況を表すときにも使われるようです。
疲労困憊(ひろうこんぱい)
意味:すっかり疲れ果てた様子
この四字熟語は【疲労】・【困憊】どちらも疲れ果てるという意味の言葉を重ね合わせることで、その意味を強調しています。
基本的に、少し疲れている程度で使われることはありません。
肉体的、精神的にかなり疲れて、今の状況を持続出来なくなるような時に使われています。
現代社会ですと、毎日毎日残業に追われる日々のため、疲労困憊の会社員は多いですね・・・
ボロボロ
意味:ひどく傷んでいるさまや心身共に疲れ切っているさま
古くなり、壊れたり破れたりしてほころびが目立っている状態ですね。
ボロボロの車を治したい
ボロボロの服を買い替えたい
など、日常生活の中でも良く使われています。
傷だらけ
意味:傷でいっぱいであるさまや、全身が傷ついているさま
衣類がひどく傷んでいる様子や、ダメージを負っており万全でない様子を示す言葉です。
こうして見てみると、満身創痍に似た意味を持つ日本語ってたくさんありますね!
・・・こんな言葉がたくさんあるのを見ると、私達日本人が、もう少し休むべきなのかもしれませんね(ーー;)
対義語・反対語は何がある?
ネット辞書などを見てもらっても分かる通り、明確な満身創痍の対義語・反対語はありません。
ただ、意味としては
平穏無事(へいおんぶじ)
意味:何事もなく穏やかであること
- 平穏=安らかで変わったことがない、浮き沈みがなく平らで穏やか
- 無事=取り立てて特別なことがない、悪い事が起こらない状態
をそれぞれ表しています。
似た二つの言葉を合わせて意味を強調した四字熟語ですね。
中には言葉の並びを逆にして、【無事平穏】と表している場合もあり、年配の方などはこちらの方も年賀状に良く使われています。
元気いっぱい
意味:心身の活動の源となる力、体の調子が良く、健康であること
この元気いっぱいは、普段から良く使われている言葉です。
最近の高齢者の方たちは、気力があり、元気いっぱいであるなどと表現されているTV番組等を良く見かけます。
僕自身、介護士として高齢者の方たちと向かい合って感じるのは、その圧倒的なまでのパワーです。
これが戦前~戦後の一番厳しい時期を生き抜いてきた方たちのタフネスなんでしょうね・・・
「私も負けじと頑張らねば!」
と、日々気持ちを新たにしてもらっています(^^)
この2つが満身創痍の対義語と言えるかなと。
類義語が多い中で、逆に明確な対義語がほとんどないのも、四字熟語の特徴かもしれませんね。
満身創痍の使い方を例文でチェック!
最後に、満身創痍の使い方を例文で解説していきます。
あのプロ野球選手は、連戦の疲労だけでなく、デッドボールを受けて指を骨折して満身創痍の状態だ。
それなのに、最後は代打で出場、サヨナラホームランでチームに貢献している。
・・・あれこそ、一流のスターだよ!
この例えですが、現実にスポーツ界では良くあります。
スポーツ選手の多くは、満身創痍の中戦っています。
打撲や擦り傷は当たり前、スポーツの種類によっては骨にヒビが入った程度なら何事もなかったようにそのまま試合に望むこともあります。
ボロボロの状態でも、最高のパフォーマンスを発揮する。
まさにプロ意識の賜物です。
遅咲きの関取として角界を背負ってきた横綱が、満身創痍の状態でありながら今場所も優勝を決めた。
体はぼろぼろだが、まだまだ気力は充実しているようだ。
横綱は神と評されることもあるほどに、気高く尊い存在として相撲界に君臨しています。
そんな地位まで上り詰めるのは大変であり、年月を重ね、体に傷を負ってようやく一握りに選ばれた力士だけがたどり着くのです。
実際、骨折を隠したまま出場し、優勝した横綱の方もいるほどで、まさに力士、特に横綱ほど満身創痍という言葉が似合う職業はないと言えますね。
うちの会社の社長は、社員の不祥事や業績不振で多くのバッシングを受けてしまった・・・
満身創痍の状態になりながらも、それでも奮闘し、遂に会社を立て直した
この例文は満身創痍をビジネスシーンで使ったものです。
体だけでなく周りからの批判や避難、心身ともボロボロになってしまう方もいるでしょう。
そんな中でも努力し、成果を残すため懸命に働く。
厳しいですが、そういった事ができる人が、最終的に成功をおさめるのかもしれませんね。
満身創痍な時は休息を
今回は、四字熟語・満身創痍について紹介してきました。
一般的には、自分自身の事を満身創痍とは言わないようです。
・・・まあ、なんかカッコつけてるみたいですし、言いたくもないですよね(笑)
スポーツ界、最近ではビジネス業界でも、心身を酷使して頑張る人に使われることの増えている言葉です。
ただ、本来は痛めつけられた際に用いる言葉ですので、その点はしっかり覚えておいて使う必要がありますね。
満身創痍・・・辛い状態ではありますが、それでも頑張ることで次のステージに進めるのかもしれません。
ですが、時には休養も必要です。
体や心と相談しつつ、あなたには無理のない範囲で頑張ってもらえたらなと思います(^^)
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