八面六臂の意味や由来・類義語や対義語について見ていきます。四字熟語の一つである八面六臂ですが、その由来はなんと仏像!ただし、八面六臂な仏像は存在していません。八面六臂と三面六臂の関連性や使い方を、例文で紹介していきます。
八面六臂・・・この言葉の意味、知っていますか?
私は、阿修羅のような人になりたい(笑)
実は私の趣味の1つに神社巡りがあります。
四国八十八ヶ所巡りで、お遍路さんになった事も!
修学旅行などでお寺に訪れることも多いので、あなたも何度かは阿修羅の像を見たことがあるのではないでしょうか?
たくさんある仏像の中でも、やはり三つの顔と六本の腕を持つ阿修羅像は迫力がありますよね。
実際、阿修羅像は人気者らしく、国宝にもなっていました(^^)
少し詳しく調べましたら、阿修羅像には、【三面六腑】の言葉が与えられていました。
そこで座右の銘としても使われている【八面六臂】という四字熟語を見つけたのですが、ちょっと不思議な事が・・・
実は、八つの顔を持ち、六本の腕を持つ仏像は存在していないようなのです。
存在していない仏像に当てはまる四字熟語って・・・一体何?
気になったので、今回は八面六臂の意味や使われる場面などを詳しく調べてみました!
八面六臂の意味と読み方とは
それでは早速紹介していきます。
今回は、四字熟語・八面六臂についてです!
まず読み方ですが、こちらは
「はちめんろっぴ」
ですね(^^)
意味は
- 仏像などが、八つの顔と六本の腕を持っていること
- 一人で何人分もの働きをすること
(明鏡国語辞典参照)
となります。
野球に例えてみれば分かりやすいですね!
- 打って
- 走って
- 投げて
- 守る!
今で言う、大谷翔平くんみたいなものですね。
彼の投打に大活躍する姿は、まさに八面六臂の大活躍という賞賛がピッタリですね(^^)
また、役割分担を1人でこなした時の誉め言葉としても使われる四字熟語ですね。
私も時々職場のおばちゃんに
「おしめ交換して、御飯作って、記録も書くリーダー・・・あんた、八面六臂の大活躍じゃな!」
と褒めてもらいます(*´ω`*)
・・・まあ、その後
「じゃあ、これも頼もうかしら♪」
と追加仕事もやってきますが(笑)
実は、三面六臂と八面六臂は、意味は全く一緒です。
ただし、三つの顔が八つになったことで、あらゆる方面に対して更に大活躍していることを表しています。
三面六腑な活躍
八面六臂な大活躍!
というとらえ方が一般的となっています。
八面六臂の語源・由来について
ここで、八面六臂の語源・由来について見ていきます。
最初に書いたように【八面六臂の仏像】は存在しません。
元々は、三つの顔と六本の腕を持つ阿修羅の三面六臂の仏像のイメージが由来となって生まれた四字熟語が【三面六臂】です。
ちなみに、
- 面は顔
- 臂は腕
を表しています。
世界的にも神話には、顔や手、足が通常よりも多い神仏が登場していますよね。
千手観音などが有名ではないでしょうか。
仏敵である悪魔を退治し、不浄や災難から守ってくれる神様で、さらにかまどなど火を使う場所にまつられる荒神様から来ている説があります。
三面六臂のモデルとなった阿修羅像。
この像の三つの顔の上に5つの小さな小面がついていたので、そこからさらなる活躍を期待して生まれた四字熟語こそ
八面六臂
というわけです。
元々は同じ阿修羅像から生まれた四字熟語・・・
この由来を知れば、三面六臂と八面六臂の意味が全く同じことにも頷けますね(^^)
ただ、今では後から生まれた八面六臂のほうが一般的に使われるようなってしまい、自然と三面六臂の方を知る人は少なくなっているようです。
私の後輩も
「三面六臂?八面六臂の間違えですよそれ!」
と笑いながら教えてくれました(;・∀・)
・・・ちょっと三面六臂が可愛そうですね(笑)
類義語はあの四字熟語
次は、八面六臂の類義語について見ていきます!
獅子奮迅(ししふんじん)
意味:獅子が奮い立って、猛進するような激しい勢いや、猛烈な勢いで活躍するさま
獅子はライオンをあらわし、奮迅は激しく奮い立つさまを表しています。
物事に対処する時の意気込みや勢いがすさまじく強い様子を表すこの四字熟語・・・見ているだけでその激しさが伝わってきますね!
「この仕事に対する獅子奮迅ぶりにはだれも太刀打ちできない」
など、ビジネスシーンでも使われています。
面目躍如(めんもくやくじょ)
意味:世間の評価に値する活躍をしていて、生き生きとしているさま
- 面目は、世間に対する体面の意味
- 躍如は生き生きとして勢いがある
という意味をそれぞれ表しています。
これ、間違っても自分で自分を評価しないでくださいね!
意味が全く変わってしまうので(;・∀・)
・・・自意識過剰とかに(笑)
本領発揮(ほんりょうはっき)
意味:自分の持っている能力や持ち味などを存分に出す事
- 本領は自分が持っている本来の能力や特性などを指す表現
- 発揮は外側に表し出すこと
をそれぞれ意味しています。
普段は自分の本領を発揮出来ていない場面は多いものですが、自分の得意分野になれば誰でも能力が発揮出来ますよね。
得意な分野だと自信が持てるからなのでしょうかね(^^)
苦手な分野は人に任せつつ、自分の輝ける場所で懸命に頑張っていきましょう!
健闘(けんとう)
意味:困難に屈せずに頑張って闘う事や不利な条件でも努力すること
ちなみに、大健闘は大いに頑張って闘ったとなります。
なぜか負けた時に良く聞くイメージなのですが、本来は勝った時にも使われています。
日本人の大好きな大相撲では、大健闘とは言わず、金星とよく言われますよね(^^)
横綱相手に力負けしないで勝負して土俵際まで追い詰めた!!
これだけでも、充分大健闘に値しますもんね。
このような類義語が八面六臂にはありました。
どれも共通して、成果や功績を示す活躍ぶりを表していますね。
対義語には
続いて対義語についてです。
こちらは、ネット辞書などを調べてもらえば分かりますが、八面六臂に明確な対義語は存在しません。
ですが、意味が近しい言葉はありますので、今回はそちらを紹介します。
引足救経(いんそくきゅうけい)
意味:目的と結果がちぐはぐで、目的を果たせないことのたとえ
経は首をつって命をたとうとしている人を表し、この人を救おうとしたが、足をつかんで逆に下に引いてしまう…
と言う由来があります。
【足を引きて経れるを救わんとす】
とも読みます。
行為と結果が相反しているときに使われる四字熟語となっています。
足を引っ張る
意味:人がやろうとしている事や行動している時に成功するのを邪魔すること
足を引っ張るという言葉・・・良く聞く言葉ですし、実際に用いたことがある方も多いはず。
相手がいて、その人の邪魔になる行為をした時に使われています。
「順調に進んでいたのに横やりを入れられた!」
なんてことありますよね(# ゚Д゚)
ライバル同士での足の引っ張り合いは、ビジネスシーンでも良くあります。
同じ業種で頑張る者同士、切磋琢磨する良い関係を築きたいものです(;・∀・)
この2つの言葉が、八面六臂の対義語・反対語に一案相応しいと言えますね。
八面六臂の使い方を例文で解説!
最後に、八面六臂の使い方を例文を解説します!!
旅館の女将さんは、妻として、母親として、女将として八面六臂の活躍をされています。
この例文は、時々テレビで見かける女将さん特集で使われていますね。
旅館の女将さんは朝早くから夜遅くまで大変な業務でありながら、時間を作って子供たちと触れ合い、母親の顔に戻り、女将の一日が終われば、旦那さん相手に妻として接している場面が思い浮かんできます。
自分が関わる事全てにおいてベストを尽くされていますよね。
- 女将業
- 母親
- 妻
すべての役割をフル回転させている姿、まさに八面六臂の大活躍といえます。
助っ人として参加した試合で、八面六臂の活躍がスカウトの目にとまり、プロに入団しました。
団体スポーツは人数が揃わないと試合が出来ません。
そこで他の部活の選手に応援で参加してもらったら、意外な大活躍を見せて、守備面でも攻撃面でも大活躍し、たまたま試合にいたプロのスカウトに見いだされてプロ選手になった経緯を表しています。
実際、アメリカなどではこういう事例は結構あります。
まさにアメリカン・ドリームですね!
・・・しかし、文章にしてみるとほんとすごい幸運な出来事だよな、これ(;・∀・)
自衛隊は被災地に出向き、八面六臂の活躍で復興支援に取り組んだ
この例文は、実際にその目で目撃した人も多いはず。
災害の多い日本では、自衛隊員の活躍なくして復興はあり得ないのが実情です。
自衛隊員の方たちは日頃の訓練で様々な知識や経験を積み重ねていますし、それをフルに活用し、力を合わせて災害地を復興させてきました。
人命救助
物資配達
メンタルケア
復旧作業
ありとあらゆる作業を担ってくれる自衛隊の方たち。
まさに八面六臂!
最高の仕事をしてくれる頼れる人たちです(^^)
このように、対象が個人でも組織でも活用できるのが四字熟語:八面六臂の優れた汎用性です。
この使いやすさがあるからこそ、多くの方が口にする馴染み深い四字熟語に変化していったのかもしれませんね(^^)
八面六臂の活躍を目指せ!
今回は、八面六臂の意味や使い方などについて詳しく見ていきました。
この四字熟語を口にするのは簡単ですが、実際このように多方面で活躍するのはかなり難しいです(ーー;)
ですが、得意分野で全力を出し切れば、他の人よりはるかに成果を上げる=八面六臂の活躍ができる可能性も十分あります!
最近では働き方に関しての問題提訴が行われていますし、働く事が厳しくなってきている時代でもあります・・・
「スーパーヒーローのような八面六臂の活躍が出来る人間になりたい!」
こう思う人が、座右の銘に八面六臂を挙げることも増えてきています。
自分の得意分野で頑張りながら、視野を少しずつ広げていくことが出来れば、周りからの評価も上がっていくこと間違いなしですね。
機会がありましたら一度、阿修羅像の顔をゆっくり見てみましょう。
今回こうして言葉の意味を知り、八面六臂の活躍を目指すあなたなら、次はもっと身近に感じられるはずですよ(*´∀`)
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