四面楚歌の意味や由来について紹介していきます。実は3つの由来を持つ四面楚歌という四字熟語。この記事では、四面楚歌の使い方を例文で見ていくと共に、何故この言葉が生まれたのかという原点にまでさかのぼって詳しく掘り下げていきます。
四面楚歌、あんまりなりたい状況じゃないですね(;・∀・)
突然ですが、あなたは今職場や学校でどのような状態なのか・・・四字熟語で表して下さい。
- 一致団結・・・全員で力を合わせている様子
- 切磋琢磨・・・友人と励まし合い競い合って向上していくこと
- 臥薪誉胆・・・復習を成功させるために苦労にたえること
- 快刀乱麻・・・こじれた物事を非常に鮮やかに処理し解決すること
様々な言葉が浮かんでくると思います。
良い意味・悪い意味、たくさんの言葉がありますよね(^^)
ただ、中には絶対になりたくない状態を示している四字熟語も・・・
その名は【四面楚歌】です。
四面楚歌の状態に陥らないためにも、しっかりと言葉の意味や由来を理解し、そうならないための準備をしていきましょう( ̄ー ̄)
四面楚歌の意味とは
それでは早速紹介していきます。
今回は、四字熟語・四面楚歌についてです!
辞書で調べてみた所、その意味は
四方を敵になこまれて、孤立無縁であること。
(明瞭国語辞典参照)
でした。
グループで力を合わせて活動する際、こうゆう状況にはなりたくないものですよね(;・∀・)
仲間がいない、たった一人だけの状態とは本当に辛いものです・・・
しかし、この四字熟語には実は言葉の意味だけでは分からない、もっと大きな意味が隠されていたのです!
更に深く紐解いていくべく、次は四面楚歌の由来についてみていきます(^^)
その由来は?
四面楚歌の由来についてですが、こちらは、古代中国で書かれた有名な書物【史記】の漢文から成り立った四字熟語です。
ちなみに、このように漢文から成り立った四字熟語のことを故事成語といいます。
そして<故事>とは大昔にあった出来事のことをいい、今回の<四面楚歌>では、昔の中国の楚の国と漢の国の戦争のことを表しているのです。
では、その<四面楚歌>という言葉ができた漢文とは、一体どんな文章なのでしょうか?
まずは原文から紹介します。
須王の軍、垓下に壁す、兵少なく食尽きぬ、
漢の軍およびに諸侯の兵、之を囲むこと数重、
夜、漢の軍四面皆楚歌するを聞きて、須王乃ち大いに驚いて曰く
漢皆己に楚を得たるか、之何ぞ楚人の多きやと
有名な楚漢戦争の漢文(故事)になります。
昔の中国はまさに戦国時代であり、常に国のあちこちで無情な殺し合いが起こっていました。
そんな折、楚の国に漢の国が攻め混みます。
この時生まれた言葉こそ【四面楚歌】なのですが、実はこの由来には諸説あるんです!
一番有力だと言われている説は多くの方が知っているようですね。
ですが、他にもあと2つの説があるって知っていましたか?
3つある四面楚歌の由来説、一つずつ見ていきます!
一つ目の説
1つ目の説は、楚の国の兵が深い掘り地にハマってしまい、抜け出ることができなくて足止めされたというものです。
楚は、城の堀の回りを、四面全て漢の軍に囲まれてしまいます。
一斉に四面から攻撃されると、ひとたまりもなく、楚の人たちは絶命してしまう状況。
まさに、
- まな板の上の鯉
- 絶対絶命
という状況な訳です。
そしてこのとき、楚の人たちがどうしたかというと・・・<歌を歌った>のです!
歌を歌いながら、自分達は楚の国の人間として死ぬことへの誇りの証として歌ったのでしょう。
今なら考えられないことですが、昔は捕虜になるということは屈辱の極みを表していて、恥をかくくらいならいっそ・・・という、武士の切腹にも似た覚悟があったようです。。
最後まで楚の国の人としての誇り失わず、そしてこの歌が終わってしまうと矢が飛んできて攻撃されてしまう・・・
恐怖を感じながら、それでも力いっぱい歌を歌ったその逸話から、<四面楚歌>という言葉は生まれたという説があります。
二つ目の説
四面楚歌の由来に関する2つ目の説です。
漢の国に楚の国が攻められた…というところまでは同じですが、二つ目の説は<歌を歌う意味>が違います。
漢の軍隊に対して楚の軍隊は数が大変少ない、非常につらい状況でした。
しかしこの時、楚の国の人々が大きな声で自分の国の歌を歌い始めます!
そして、
「自分の軍はたくさん人数がいるんだぞ!」
という、相手への戦略的な嘘と、自分たちの鼓舞を行ったのです。
四面の敵に囲まれても虚勢をはって戦う姿勢を見せる…
これもまた、四面楚歌誕生の由来になったとされている説のひとつなのです。。
三つ目の説
一番有力だと言われている説がこちらです。
漢の国が楚の国に攻め混むところまでは同じです。
しかし、今度は歌を歌っている人たちが違います!
楚の国の歌を歌っているのは漢の国の兵士です。
実はこの時、楚の大将・項羽は、四面を官軍の兵士に囲まれる苦しい状況でした。
そして、突然一斉に漢の兵士たちが楚の国の歌を歌い始めたのです!!
これを聞き、
「楚の国の人が全員敗けを認めて降伏してしまったのか・・・」
と勘違い。
絶望し、愛人と自害してしまったという話です。
・・・一番ひどい結末ですねこれは(ーー;)
諸説ありますが、どうやら三つ目の説が一番適切であるというのが、現在までの歴史研究の結果です。
何れにせよ言えるのは、どの説であっても四面、つまり周り全てを的に囲まれ、孤立した絶望的な状態を示しているということです。
まさに四面楚歌と言える状況ですね、これは(;・∀・)
英語で書くと
実は、英語でも四面楚歌を表現することが出来るんです!
Its surrounded by enemies
こちらになります。
意味は【敵に囲まれてしまった】 というものです。
英語だとそのままの意味でわかりやすいですね(^^)
こうゆう所に、東洋人と西洋人の感慨深さの違い、感覚地の違いが現れているのかもしれません。
西洋人は、まず結論から言葉を読み取る傾向が強いので、このような訳になるのだな、とお国柄を感じてしまいます。
同じ意味を表す言葉でも、国ごとに意味合いや言葉の表現、使い回しなどが変わるのも、言葉の面白いところですね!
類語を調べてみた
四面楚歌の類語は、かなり沢山ありました!
手詰まり
意味:打つべき手段、方法がなくなる
「もう手詰まりだよ・・・」
等、絶望的状況を表す際に用いこの言葉。
確かに、四面楚歌同様きつい現状を指し示していますね(^_^;)
万事休す
意味:もはやおしまいで、何をしても駄目な状況
こちらも日常的に聞くことがある諦めの言葉です。
「万事休すか・・・」
なんて言葉、ドラマなんかで時々耳にしますね(^^)
五里霧中
意味:物事の様子、手がかりが掴めず、方針などがたたないこと
一見意味合いは少し違うこの言葉。
四面楚歌と同じく、どうすれば良いのかわからないような状態に立たされているという点から、類義語にカテゴリーすることが出来ますね。
八方塞がり
意味:どの方向も塞がれてしまっていること
四面楚歌より更に辛い、八面が塞がれています(笑)
これは、言葉を見ただけでも分かるくらい、かなり絶望的な状態ですね(ーー;)
意味がシンプルなので、その分類義語も沢山ありましたね(^^)
対義語について
ネット辞書などを調べてもらえば分かるのですが、四面楚歌の明確な対義語は存在しません。
ただし、意味合いだけで考えると、
一致団結
が一番近いといえますね。
四面楚歌が孤立した状態であるのに対し、一致団結は仲間と協力して頑張って乗り切っていくという意味です。
- 孤立=四面楚歌
- 仲間と一緒=一致団結
この点で考えると、まさに正反対!
四面楚歌の対義語にふさわしい言葉と言えますね(^^)
使い方を例文で解説!
最後に、四面楚歌の使い方を例文で解説していきます!
彼女は天真爛漫な性格のせいか、空気の読めない発言が多く、気づけば仲間は離れていき、四面楚歌の状態になってしまった・・・
これは厳しい状況ですね。
気心の知れた仲間との席でも、調子に乗りすぎること無く、自分勝手な発言には気を付けたいものですね(^_^;)
こういう場合って、本人には悪気がない場合も多いので、もしあなたが対立している側の人間なら、一度話を聞いてあげてみて下さい。
案外、四面楚歌どころか、一致団結出来るいい友人となれるかもしれませんよ?(^^)
会社で四面楚歌の状態になってしまったが、なんとかこのピンチをチャンスにしたい
前向きな言葉ですね。
強い精神力を持っていないと、こんな風な考えを持てないと思います。
時には、仕事の方針が食い違って、このように一人孤立する場合もあります。
ですが本当にやりたい仕事があるのなら、時には四面楚歌を受け入れ、その中で精一杯頑張るのも良いかもしれませんね!
彼は大事なプロジェクトに失敗して、会社ではまるで四面楚歌になったような気持ちでいる
責任感が強い人ほど、会社に不利益を生んでしまうと
失敗してしまった
周りに絶対嫌われた!
と、自分を追い詰めていってしまうようですね(ーー;)
こういった精神状態は、徐々に仲間から自分を遠ざけ、最後には本当に四面楚歌の状態を作り上げてしまいます。
失敗を謝罪するのは辛いですが、それよりも先に誤ってしまうほうが遥かにメリットは大きいです!
覚悟を決めて、誠心誠意頭を下げてしまいましょう。
仕事に失敗はつきもの!
案外、あなたの周りの人は、そこまであなたのことを恨んでなんていないものですよ(*´∀`)
四面楚歌な時こそ味方を探せ!
今回は、四字熟語・四面楚歌についての説明でした。
四面楚歌という言葉の意味は、四方八方を敵に囲まれて助けを呼べない様子、というものです。
しかし、考え方を少し変えると
「諦めなければ、この追い詰められた状況はいつか変えることが出きる!」
とやる気も湧いてくるのではないでしょうか?
四面楚歌のような心持ちで、自分を追い込んでしまう人がいるかもしれません。
しかし、逃げるにはまだ早いのです!!
孤立無援、周りは敵に囲まれている・・・
本当にそうでしょうか?
あなたの周りを、もう一度しっかり見渡してみて下さい。
もしかしたら、四面楚歌のはずの環境に、ぽっかり穴が空いているかもしれません( ̄ー ̄)
四面楚歌の状況を作ってしまうもの。
時にそれは、あなたの心です!!
自分を追い込むのではなく、むしろ鼓舞し、励ましましょう。
大丈夫です!
四面楚歌の中にも、あなたの味方は必ずいるのです!!
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