五里霧中の意味や使い方・由来や対義語について紹介していきます。四字熟語・五里霧中ですが、この言葉の由来は【五里霧】という謎の言葉から来ています。この言葉の本当の意味や由来、そして正しい使い方などを例文を交えお伝えします。

五里霧中、多くの若者が抱えている問題を表しているのかもしれません…

ある本を見ていると、このようなことが書かれていました。

 

【最近の若い世代の方は、自分自身で方向性を決められないことが多々ある】

 

周りと一緒の考え方をしたり、親の過保護だったり…
原因は色々ですが、とにかく言えるのは、自分自身で判断する力が極端に落ちているんだそうです。

 

もちろん一部の方を評した言葉ではありますが、私はこの記事を見て、ゾッとしました(ーー;)

自分の方向性を決められないって、とても怖いことですよね。

 

この状態を表すピッタリの四字熟語があります。
それは

 

五里霧中

 

です。

 

今回は、現代の若者の状態を指し示すかのような四字熟語:五里霧中について詳しく見ていきます!

 

記事は下に続きます。

五里霧中の意味や読み方とは

それでは早速紹介していきます。
今回は、四字熟語の一つ【五里霧中】についてです!

 

まず読み方ですが、こちらは「ごりむちゅう」ですね(^^)

 

気になる意味についてですが、五里霧中の意味は

 

 

辞書にてこのように書かれていました。

 

五里(約20km。一里は約4km)の間に渡って立ち込める霧に周りを囲まれた状態を示している言葉であり、前後を見極めにくく、どうしていいのかわからない様子を表しています。

現代風に分かりやすくすると、

 

事情などがはっきりしない中で手探りの状態

 

と言えますね。

 

会社をやめて独立したは良いけど、

 

どんな仕事をしていけば良いのか

税金についての対策は?

従業員はどうしよう!?

万が一のトラブル祭作には誰を頼ろうか…

 

等、何から手を付ければ良いのかわからない状態。
このような人は、まさに五里霧中といった感じですね(;・∀・)

 

現代の若者たちの場合で言えば、何かしたいんだけど、何がしたいのかはわからないが多いようです。

 

五里霧中。
多くの方がこの状態に陥り、悩んでいるのかもしれませんね…

五里霧中の語源・由来は?

続いては、五里霧中の語源や由来について見ていきます(^^)

 

五里霧中という言葉は、中国の歴史書の後漢書から出てきた言葉です。

歴史が好きな人でしたら

 

張楷伝(ちょうかいでん)

 

という人物をご存知かもしれません。

 

後漢書に書かれている話の中に登場する張楷は、なんと秘術の使い手です。

特に、自分の姿をくらます道教の秘術である【五里霧】を好んで使っていたと記されています。
・・・すごい技だな(;・∀・)

深い霧の中に入ってしまうと、どんな人物であっても方向を見失いますよね。

当然、この秘術【五里霧】にかかった人も同じように周りを見ることが出来ず、右往左往することしかできなくなってしまいます。

 

五里霧にかかった人たちの困り果てた姿から発展していき、物事の様子が分からず、どうしていいのか方向や方針が分からなくなり迷うことを指す現代の五里霧中へと変化していったのです。

 

ちなみに、なぜ張楷姿をくらましたかったのでしょう?

 

命を狙われていた?
違います。

秘術を自慢したかった?
気持ちはわかるけど、多分違います(笑)

 

実は彼、世間に出るのが嫌だったのです!

人に会いたくない時に使う秘術だから好んで使っていたのですね。

 

現代でいう引きこもりだったのかもしれません(;・∀・)

つまり、五里霧中とは

 

 

だったのです!!
・・・ちょっとありがたみが薄れますね(笑)

 

ちなみに、【五里霧】とは

 

道術によって起こすという五里四方に立ち込める霧の意
(明鏡国語辞典参照)

 

と書かれていました。
まさか、五里霧の意味が辞書にて記されているなんて・・・

明鏡国語辞典、流石です( ̄ー ̄)

 

類語は意外なあの四字熟語!

次は、五里霧中の類語について見ていきたいと思います。

類語にも四字熟語がいくつかありましたので、それらを含め、しっかりお伝えしていきます!

暗中模索(あんちゅうもさく)

意味:正解の糸口がないまま、あれこれと試す事

答えを見つけるため頑張る!っと言ったニュアンスの前向きな良い意味で使われる場合もあります。
・・・が、ここでは悪い意味での類義語となりますね(;・∀・)

 

強くなりたい!

 

この思いは良いけれど、どうしたら良いのかわからない…

正解を見つけるために、空手や柔道・ボクシングなど色々と挑戦するが、中々見つからずどれも中途半端で終ってしまう。

このような状態こそ、まさに暗中模索と言えますね。

四面楚歌(しめんそか)

意味:周りにいるすべての人が敵で応援してくれる人が一人もいない厳しい状況に置かれている

文字だけ見ると、四方から歌が聞こえそうな楽しい四字熟語ですね(*´ω`*)

しかし、実際は周りを敵に囲まれて味方がいない状態を意味しています((((;゚Д゚))))

 

ビジネスの世界でも起こる権力争いです。

 

 

と言えば分かりやすいですかね。
・・・最悪な状況ですね(ーー;)

これを、文字だけ見て楽しい言葉と間違って使うと大恥をかくことになります(笑)
気をつけましょう!

 

 

万事休す(ばんじきゅうす)

意味:もはや施す(ほどこす)手段がない

 

  • 万事とは、あらゆること
  • 休すとは終わる

 

をそれぞれ意味しています。

 

  • ラブレターを落とした経験はありませんか?
  • あるいは、相手を間違って上司にメールしたことは…

 

その時あなたが味わった気分こそ、まさに万事休すなのです(笑)

行き詰まり(ゆきづまり)

意味:なんらかの問題や事例が発生した事により、物事がその時点から発展しない状態

進む道がなくなり、どうすればいいかを悩んでいる様子を示しています。

人間関係に行き詰っている人って多いですよね。

そこから仕事が思うようにはかどらず、結果的に全てに行き詰ってしまいます。
ですが、どこかに必ず解決方法があるものです!

暗中模索の中で答えを見つけていってくださいね(^^)

 

このように、沢山の類義語が五里霧中にはありました!

対義語・反対語について

五里霧中を対義語辞典やネット辞書で調べても、明確な対義語は出てきません。

ただし、意味合い的にもっとも反対語と読むに相応しいのが

 

 

ですね。

意味は、

 

  • ただ一目見ただけではっきりよくわかる、わかりきっていること
  • 一見するだけでその物事が明確に理解できる事を意味する表現

 

として使われています。
一目了然と書く場合もありますね(^^)

瞭然は、はっきりしている様子を表しています。

 

【男女の違いは一目瞭然である】

 

などの使い方が一般的ですね。

 

四字熟語は一つ一つで明確な意味を持っていることもあり、ピッタリ対義語だ!というものは存外少ないと言えますね。

 

五里霧中の使い方を例文で解説

それでは、最後に五里霧中の使い方を例文で紹介していこうと思います!

難しいように思える四字熟語ですが、案外使いやすい言葉ですので、是非例文を参考にして日常生活に取り入れていってくださいね(*´∀`)

 

山中で道に迷い、まさに五里霧中!
完全に遭難してしまった・・・

あちこり歩き回ったら、幸運にも登山口にたどり着けたから良かったよ

 

山菜取りなどで遭難のニュースを良く見かけますね(ーー;)

1人で山菜取りに出かけたのはいいけれど、ついつい深入りしてしまって獣道に迷ってしまった。

これ本当に危険ですよね・・・

 

方角も状況も分からずにひたすら歩き回っていたら、運よく出口を見つけられた様子をこの例文は表しています。

とは言え、これは超幸運な事例です!

 

1人で山に入るのは本当に危険です。

どうしても一人で行くのなら、スマホなどの連絡手段は肌身離さずに持っていく事が大事です!

 

ちなみに、遭難したら、本当は歩き回らず、体力の維持に努めるのが一番だそうです(;・∀・)

 

あれだけ注目を集めて市民からの情報も多かった事件だが、肝心の犯人探しは難航。

まさに五里霧中だよ・・・

 

この例題は、ある事件の関係者である容疑者の目撃情報が連日のようにテレビで報道されていたにも関わらず、何の進展もなく、調査の方針や手掛かりもなく手探りの状態であることを表しています。

まさに五里霧中、犯人は霧の中と言ったところでしょうか…

こういうニュースを見る度に、ちょっと辛い気持ちになってしまいますね。

 

有名な一流大学を卒業したのに、彼は未だに就職していないそうだ。

何でも出来るから、本当にしたいことが分からず、悩んでいるんだとか・・・

まさに、五里霧中と言ったところだね(ーー;)

 

この例題は、一流大学に入学して順風満帆の見込みだったのに、自分のしたいことが見つからず、結局就職できていない【彼】の現状を表しています。

何でも出来るからこそ、何をしたら良いのかわからない…

器用貧乏、といえば良い方が悪いですが、最初に挙げたように今の若者を象徴する社会問題です。

五里霧中・・・もいいですが、まずは就職して、自分にあった仕事を見つけてもらえればなと思います(ーー;)

人生は五里霧中!?

今回は、四字熟語・五里霧中について、その意味や使い方などを紹介してきました。

 

日常生活でも時々使われているこの言葉。

ビジネスシーンでも使われますので、覚えておくと案外役に立つことも多いですね(^^)

 

若い人たちは、五里霧中、まさに今どういった道を進むか迷うことが多々あるようです。

ですが、こうして記事を書き終えて思ったのは、若い人たちだけでなく、私達だって毎日何かに迷い、悩んでいるなと言うことです。

ある意味、私達は毎日が五里霧中。
迷いの中を懸命に歩き、生きているのかもしれません。

 

常に迷い、選択し、それでも自分の選んだ答えがベストなものだと考え、行動に移していく。

みんな同じです(^^)

 

五里霧中・・・自分の人生に当てはめてみると、なんだか好きな言葉になれそうです!

 

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