デイサービスや高齢者施設で毎日のレクを考えるのって本当に大変ですよね。この記事では、多くの介護士を悩ませているレクリエーションのお悩みを一気に解決しちゃいます!準備不要、簡単にできるレクリエーション10選、ご覧ください。
デイサービスのレク
デイサービスは、自宅などからデイサービスのある施設に行き、そこで半日を過ごすシステムです。
週に2~3回、あるいはそれ以上利用する方も多くいるため、生活の一部がデイサービスで構成されているという方も少なくはありません。
私が何を言いたいのかというと…そう、レクのネタが尽きるのです!!
週に一度しか来ない方だけが利用するデイサービスならば、仮に日曜日まで営業していた場合でも計7つレクを用意すれば毎日違うレクが提供できます。
しかし、実際にはそうはいきません。
週に3回4回と来てくれる利用者の方も多くいることを考えると、レクはいくつあっても足りません。
折角数多くあるデイの中から、私たちのデイサービスを選んでくれた以上その期待に応えるような時間を提供するのは、私たち介護のプロとして当然の責務です。
ということで、今回は、デイサービスで明日からでも使える、準備物なしのレクリエーションを紹介していきたいと思います。
デイサービスのレクリエーションの考え方
レク、というとついつい全員でやるゲームばかりに焦点を当ててしまいますが、実際には1対1、あるいは1対少数などの形式のレクも数多くあります。
今回紹介するレクも、そういった形式のものがいくつもあります。
「こういったレクの方法もあるのだな」
と参考にしていただけたら幸いです。
ハンドマッサージ
その名の通り、手のマッサージです。
マッサージというと敷居が高いですが、手を数分間、もみほぐしていくと考えたら知識や経験がなくてもできそうに思いませんか?
最近では認知症ケアなどでも注目されているとおり、マッサージには様々な効能があります。
また、手と手が触れ合うので相手のぬくもりを直接感じることもできます。
デイサービスに通う方は、家に帰ったら一人暮らしで、人との交流はデイに来た時だけ、という方も少なくありません。
そういった方は、ハンドマッサージを通して人のぬくもりに触れることがとても嬉しく思うそうです。
会話
文字通り、会話です。
私たちが日常行っている言葉を使ったコミュニケーションです。
デイでの仕事を少し思い出してみてください。
- 毎朝の送迎
- 健康チェック
- 体操
- 口腔ケア
- 食事介助
…本当にたくさんの業務がありますよね。
その中には、当然レクも入ります。
ですが、ちょっと待ってください。
その中で、一体どれだけの時間、利用者の方と余裕をもって話す時間が取れていますか?
いつの間にか送迎や健康チェック、食事を配るときなど業務での会話だけになってはいませんでしょうか。
利用者の方の中には、もちろんリハビリや認知症予防目的でデイサービスに通っている方も大勢います。
ですが、利用してくれている高齢者の方には、何よりもまず「人との会話を楽しみたい!」という方も大勢いらっしゃいます。
こういった方たちは、ゲーム性の高いレクリエーションはもちろんですが、それよりもまずスタッフの方との会話を好みます。
自分とは違う、若い方との会話が楽しくて仕方ないのです。
会話自体が、彼らにとっては楽しみの一つなのです。
仕事が忙しいのに話なんて…と思う方もいるでしょうが、会話をレクの時間に充てれば周りの目を気にすることなく思う存分コミュニケーションが取れます。
一度、試してみてください。
○文字しりとり
こちらは、数人のグループで行うレクリエーションです。
◯には数字が入るのですが、今回は3文字しりとりとしましょうか。
その場合、グループごとに、3文字の言葉だけでしりとりを行ってもらいます。
しりとりですので、当然「ん」がついたら負け、ルールはそれだけなので誰でも気軽に楽しめます。
- リンゴ
- ゴボウ
- ウサギ
- ギンガ
といった具合に行っていきます。
案外考える必要もあり、3文字+しりとりという2つのことを同時に考えるので、実は脳トレとしての効果も非常に高いです(^^)
利用者の方のレベルによっては、
- 3文字の食べ物を言っていく
- 3文字以内のしりとり
等、ゲームの難易度を調整していく事も必要です。
こちらの記事にて、しりとりに関するいろいろな情報を発信中です♪
紙飛行機
意外ですが、かなり盛り上がりますよ。
私も何度か行ったのですが、皆さんそれぞれに
- 『飛ぶ飛行機の折り方』
- 『よく飛ぶ投げ方』
などを知っておられるので、こちらが心配になるくらい飛行機作りに熱が入ることも。
元気な方が多く、天気もいいのなら、外に出て飛ばしてみてください。
子供のころに戻ったように利用者の方が楽しんでくれる姿を見ることができますよ。
ただ、熱が入りすぎて飛ばしすぎて走って追いかけた方もいるので、それだけはご注意を(笑)
にっこり笑顔
笑顔は、実は作り笑いでも高い健康効果、ストレス減退効果があると言われています。
また、笑うことで気分も高揚し、高齢者の方がデイ・サービスでの一日を楽しく過ごすことも可能となります。
こちら、複雑なことは入りません。
ただ、体操などの際に
「では、今から10秒間、笑顔を作って下さい!」
と言うだけです。
5秒以上で効果があるとのことですが、案外笑顔を作るのに時間がかかるので、10秒設定です。
本当にコレをやるだけで、皆さんとても楽しそうな表情になりますので、是非試してみて下さい!
これは何?
利用者の方に目をつむってもらった後に、こちらが用意した物を触ってもらいます。
デイにあるものなら基本的になんでもOKです。
ただし、スマホ・タブレットなど、高齢者の方に馴染みのないものだけは避けて下さい。
たわしでもいいし、ボールや鉛筆、お金なんかは紙ですので、毎日のように使用している割には皆さんわかりにくいみたいですね。
これを数人のグループで行うと、
- 「あー、違う違う!」
- 「ほら!掃除のときに使うあれだよ!」
など周りの人の感想(というか答え?)の声がすごいです。
しかも段々と大きくなっていき、どんどん盛り上がります(^^)
ゲーム終了後にはお互いに感想を言い合えるので、利用者間の関係構築にもつながります。
風船渡し
前回のレクに関する記事では風船バレーなどをお勧めさせてもらいました。
今回紹介するのは、テーブルに座ったままでも遊べる風船を用いたレクです。
- 利用者の方数人のグループを作ってもらい、ウチワを持ってテーブルの席に座ってもらいます
- そして、端の利用者の方のウチワの上に風船を置きます
- 後は、時計回りに団扇をうまく使って風船を回してもらうだけ
一番最後にもらった方は、ウチワで風船を打って的を狙う!なんてシステムにすればますます盛り上がりますね(*´∀`)
利用者の方のレベルに応じて、こちらも工夫してもらえればと思います。
テーブル風船サッカー
これも風船とウチワを用いて行います。
- テーブルの左右に3人対3人で別れてもらいます。
もちろん、全員ウチワを持って。 - そして、風船を真ん中に置いたらゲームスタート!
- 後はひたすらあおいで相手側に風船を落とせば勝ち、落とされたほうは負け
という単純なルールですが、それゆえについつい熱中してしまうゲームです。
負けず嫌いな方だと最後には
「フー!フー!」
と息まで使って風船を飛ばそうとします。
- 3点先取
- うちわの代わりに広告を使う
等、あとはどれだけ盛り上がるルールをつけれるかは、職員の方の腕次第といったところですね( ̄ー ̄)
ジェスチャーゲーム
例題唇の前に人差し指と中指を置き、そのあとで前に向かって離す…
・・・これは、たばこを吸うポーズですよね。
職員の方が一人みんなの前に出て、いろいろな動作を体全体を使って見てもらいます。
後は、利用者の方に何をしているかを当ててもらうゲームです。
コツは、動作を行う職員の方がかなりオーバーリアクションで行うこと。
恥ずかしがって動きが小さくなってしまうと、皆さん何をしているのか理解することができません。
恥ずかしがらず、いかに高齢者の方たちに分かってもらうかだけに意識を注ぎましょう。
ことわざクイズ
- 犬も歩けば○○に当たる
答え:棒 - 猫に○○
答え:小判 - 転ばぬ先の○○
答え:杖
等、ことわざの一部を隠して大声で職員の方が発表。
そして、隠した部分の答えを言ってもらうレクです。
予想もできないような珍回答や、普段寡黙な方が手を挙げて答えを言ってくれることもあるので職員側も楽しく見ることができます。
昔懐かし・・・
毎日ひとつテーマを決めて、利用者の方に話をしてもらいます。
- 初恋
- 生まれた場所
- 夏の思い出
- 新婚旅行
等、利用者の方が話しやすく、それでいて聞いている方も楽しめるような話題を選ぶ必要があります。
これも、数人のグループで行うのがいいと思います。
特に若い方に多いのが、ついつい話すのに夢中になって自分のことだけを話してしまう方。
こういった方には申し訳ないのですが、皆さんが話す機会を持てるように、一人3分程度の制限時間を持たせておくといいかもしれません。
じゃんけん体操
様々な場所で行われている定番レクの一つがこのじゃんけん体操です。
デイサービスでもレクの時間にもしかしたら行ったことがあるかもしれません。
ですがこのレク、色々な方に行われるだけの理由があります。
実はこのじゃんけん体操
- 体を動かす体操
- 脳を鍛える頭の体操
の二つを同時に行えるものなのです。
認知症予防や脳トレと言った最近主流のリハビリを行いつつ、しっかり体も動かすことで体力を向上させる。
まさに一石二鳥の素晴らしいレクリエーションと言えますね。
それではやり方ですが、基本的には手と足両方を使います。
まず職員が前に出て、利用者の方には職員が見える場所に立って(立ち上がり辛い方は椅子に座って)貰います。
そして、ここからが体操の始まりです。
- 職員がグーチョキパー等の指示を出す
- 高齢者の方にはそれに合わせて手足をそれぞれグーチョキパーの形に変えていく
- 高齢者の方たちが慣れてきたら、「手はパー、足はグー」と言った手足で違う動きをするように指示を出す。
- 更に上級者の方には
- 右手はグー
- 足はパー
- 左手はチョキ
といった3点同時出しを指示する。
最後の4番は、ほとんどの方ができないと思います。
ですが、とても難しく、誰もできないからこそ盛り上がるといったことも多々あるのがレクリエーションの面白いところです。
ちなみに、うちの施設では職員も一緒にやるのですが、ほぼ100%全滅です(笑)
たまに出来ている高齢者の方がいると、スタッフに買った喜びで満面の笑みを見せてくれますね(*´∀`)
時にはこうした、難しくも楽しいレクリエーションにも取り組んでみてくださいね♪
深呼吸
私が、デイサービスで是非行ってほしいレクがこれです。
というのも、レクは通いの方が多いかと思います。
通い、つまりデイサービスにいる以外の時間は基本的にご自宅で生活されるはずです。
施設と違ってバリアフリーが不十分な家も多く、生活していくのはかなりしんどいと感じている高齢者の方も多いのが現状です。
その方たちにぜひ、この深呼吸をレクリエーションとして取り入れ、自宅でも行ってほしいのです。
高齢者の方の多くは、骨の変形により背中の湾曲が生まれ、そこから背が曲がってしまいます。
これにより、実は充分な呼吸ができていません。
高齢者の方がしっかりと体に酸素を取り込むためには、意識的に深呼吸を行い酸素を取り入れる必要があるのです。
そんな方たちに正しい深呼吸を通して、もっともっと酸素を体の中に取り入れるとともに体力を向上させてほしいのです。
そして、家でも継続して行うことで、若く健康的な体をいつまでも保ってほしいのです。
高齢者の方たちの健康づくりのためのレクリエーションであり、家でも気軽にできるレク。
それが深呼吸なのです。
やり方はとっても簡単で、
- お腹を膨らませながら大きく息を4秒間吸い込む
- そのまま4秒息をとどめる
- お腹をへこませながら溜まった空気を4秒吐き出す
- 4秒間そのままの状態で待つ
- 1~4を数回繰り返す
これだけです!
早い方は初日から覚えて自分で行うこともできるはずです。
レクは楽しいことが前提ですが、デイサービスのレクならば、そこに在宅生活をより良くする工夫も入れていきたいところです。
家での生活を送るための体力作りをサポートする深呼吸は、まさにデイサービスにふさわしいレクリエーションと言えるのではないでしょうか?
今日は何の日
その名の通り、今日は何の日かを皆さんに当ててもらうゲームです。
このレクの素晴らしいところは、スマホが手元にあれば5分も関わらずに調べられるということです。
しかも、中には物知りな利用者の方たちも聞いたことのないような日がたくさんあります!
どうして今日にこの名前がついたのか、この日にはどんなイベントがあるのか、など話を広げやすいのも子のレクのメリットです。
スタッフ名人芸
レク、と言われるとついつい利用者の方に何かをしてもらおうという意識になってしまいがちです。
しかし、スタッフが素晴らしい技術を披露した時の利用者の方の反応は素晴らしいものです。
実際、けん玉名人のスタッフの方がいてその技術を見せた時には
「おー!」
と利用者の方から歓声と拍手が沸いたものです。
歌声の披露や、マジックショーなど出来ることはたくさんあります。
スタッフの方は「これも仕事」と割り切って、恥を捨てて全力で持ち芸を披露しちゃいましょう!
○×体操
意外と難しいのがこの体操。
片手で○を書きながら同時にもう片方の手で×を書きます。
大事なのは、スタッフが見本を見せる際に大きくゆっくりとすること。
そして、わかりやすい説明を心がけることです。
スタッフも一緒にやると、分かりやすくていいかと思います。
スタッフの中には、これが全くできない人も・・・(私もできません)
そんなスタッフを見て、利用者の方が
私はできるよ
と嬉しそうに見せてくれる姿は、本当に輝いて見えました。
ねぎの千切り
これは介護度の比較的低い方向けのレクです。
その名の通りネギの千切りです。
特に女性の利用者の方は今でも料理の腕はだれにも負けないという方は数多くいらっしゃいます。
そういった方に腕を披露していただくのも立派なレクリエーションといえるのではないでしょうか?
その方の状態の把握、しっかりとした情報収集を行ってうえで、安全に配慮して行うことが大事です。
勝ってくださいジャンケン
これも最近はおなじみでしょうか?
とにかくジャンケンは盛り上がります。
スタッフがジャンケンで「私の出す手に勝ってください」と説明します。
一度詳しくルール説明を行っておくといいでしょう。
スタッフにとって簡単だからと言って、必ずしも利用者の方にとって簡単というわけではありません。
細かい説明と、スタッフのサポートはレクにおいて必要不可欠です!
地名当てクイズ
これもスマホ一つで当日簡単に準備できますね。
目印になるものをどんどんと言っていき、そこがどこの県なのかを当ててもらいます。
雪まつり 味噌ラーメン 白い恋人 =北海道
といった具合にです。
このとき、利用者の方に関連付けた地域を言えると会話が盛り上がり一層楽しい時間となります。
会話を促すことも立派なレクリエーションです。
もし会話のほうが盛り上がったら、あまり口を出さずそこでレクを終了するのも手かもしれませんね。
ペン投げ
塗り絵などの後の片づけ、これだって一工夫でレクに変身します。
レク終了後、道具を回収する際にスタッフが箱を持って利用者のもとを回り、ペンを投げてもらいます。
箱の底に【おめでとう】等のメッセージを書いておくと、みなさんきれいに入った時には本当に喜ばれます。
ただし、注意点!
周りへの怪我の危険性への配慮は、絶対必要です!
お手玉
意外と用いられないのですが、お手玉はかなり有効なレクですね。
ほいほいと器用4つ5つと投げる方もいれば、2つをもってマイペースで楽しまれる方等それぞれです。
できる人はヒーローとしてみんなから称賛されるのでかなりうれしいみたいですね。
また、利用者の方たち同士でお手玉に関する昔の思い出話などにも花が咲いたりすることもありますので、普段あまり話をされない方なんかにもおすすめのレクです。
デイのレクに準備なんていらない
今回は、誰でも簡単に取り組める、デイサービスでのレクリエーションを紹介してきました。
全てのレクが、準備不要、あるいはデイサービスにあるものだけで行えるレクだったのではないでしょうか?
通ってくれる方に楽しい時間を提供するためにレクは必要ですが、必ずしも細かい準備は必要ないのです。
発想一つで、それこそ無限にレクのネタを考え付くことができます。
- 誰もケガをしない!
- 来てくれた方みんなが楽しめる!
この二つの視点を持って考えることができれば、どんなレクだって創造できます!
今日の記事が、皆さんのレクの発想や、新の創造のヒントになれば幸いです。
最後に、当サイトでこれまで紹介してきたレクリエーションをまとめた記事を紹介しています。
季節レクを合わせれば、100種類以上のレクをすでに紹介しています。
高齢者施設でレクを探している方ならば絶対お役に立つと思います。
是非参考にしてみてください。
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