「年寄り」という言葉の意味、知っていますか?高齢者の事を指す際に良く用いられる年寄りと言う言葉。ですが、こちらの意味についてはあまり知られていません。年寄りの本当の意味をお伝えします。

年寄りの『寄り』、一体どういう意味なのでしょうか?

高齢者の方のことを良く、お年寄りと言いますよね。
『お』がついていますし、相手の方に敬意を払っている言葉というのがまず分かります。

では、残りの言葉についてはどうでしょう。

『年』は恐らく年齢のことを指しているはず。
しかし、『寄り』に関してはその意味が想像も出来ません。

今回は、毎日のように使っているのに、実は意味を知らない「年寄り」という言葉について詳しく見ていきたいと思います。

年寄りの意味

それでは、早速紹介していきます。
今回は、年寄りという単語の意味についてです。

あなたは、お年寄りという言葉の意味について考えたことがありますか?
これが、「高齢者」ならすぐに分かります。

文字通り、年齢が高い人という意味だからです。
しかし、「年が寄る」というのはいまいちピンときません。

私は、高齢者の方への介護を専門とする介護士です。
少し偉そうに言わせてもらうなら、高齢者の方たちに関するエキスパートです。

その私が、高齢者の方を指す呼び方の一つである「お年寄り」の意味を知っていないというのは、何とも恥ずかしいというものです。

知らないのなら、調べれば良い!!

と言うことで、ここからは私が調べた年寄りという言葉に隠された本当の意味や語源を見ていきます。

寄るの意味

年寄りと言う言葉の意味を見ていく上で、まず最初に考えなければならないのは「寄り」と言う言葉の意味です。

寄りと言う言葉の活用形である「寄る」には、いくつかの意味があります。
その中でも、特に年寄りという言葉に関係がありそうなのは

  • 数が多くなる
  • 加わる
  • 重ねる

というこれらの意味です。
年+寄るで『年を重ねる』という意味になるわけですから、これで意味は通りそうですね。

また、寄るには

  • 神霊が乗り移る

という意味合いも込められていました。
こちらも一応、覚えておいてもらえればなと思います。

年寄りの意味

さて、それではいよいよ「年寄り」の意味について見ていきたいと思います。
上に書いた寄りの意味も参考に考えていきましょう。

まず、辞書で普通に調べた場合、年寄りには以下のような意味がありました。

  • 年を取った人
  • 高齢な人
  • 老人

なるほど、これらの意味は確かに先程の寄る野意味を考えても正しいように思えます。
これなら普段から私たちが使っている通りの意味となりますね。

他にも、

  • 江戸時代、政務に就いていた重臣
  • 大奥を取り締まった女中の重職
  • 大名の家老

といった意味がかつてはあったようです。
この3つの意味からは、年寄り=身分の高い人、偉い人だったことがうかがえます。

また、かつては年寄り=高齢の方を必ずしも指す言葉ではありませんでした。

経験豊富、知識を潤沢に持つその分野のスペシャリストの事を、年齢に関係なく「年寄り」と呼んでいたのです。

ですので、例えば若くして剣術道場を持ち、その道でてっぺんにまで上り詰めたような方であれば、たとえ20代であったとしても年寄りと呼ぶこともあったのです。

更に、現代でも使われている意味が相撲界にもあります。
それは、年寄株と言うもの。

相撲で元気として活躍した関取以上の力士、及び行司の方のみがこの年寄株を持つことが許されています。
これを持っていると、主に相撲協会の運営や、日本全国にある相撲部屋に所属する力士の養成にあたることができます。

こちらは、

  • 引退した力士・行司=年を取った方
  • 相撲界の発展にかかわる役職=重役

という、上で紹介した「年寄り」の2つの意味を持っている言葉と見ることができます。

と、このように多くの意味が年寄りと言う言葉一つに見て取れます。

更に、「寄る」という言葉を先ほど紹介した神霊が乗り移るという観点から見てみると、年をとることそのものが神様に近づく、尊い行為だったとも言えます。

実際、年齢を重ねるごとに死=神へと一歩ずつ近づいていくという発想は、宗教をはじめとした色々な分野で見られるものとなっています。

このように、「年寄り」というたった一つの言葉には、私たちのイメージを遥かに超える様々な意味が見られるのです。

結論:やっぱり凄かったお年寄り

いかがだったでしょうか?
今回は、年寄りと言う言葉の意味や語源についていろいろと見ていきました。

年寄りには、多くの意味があることが分かっていただけたかと思います。

最後にもう一度、今回の記事にて紹介した年寄りの意味をまとめさせてもらいます。

  • 年を取った人
  • 高齢な人
  • 老人
  • 江戸時代、政務に就いていた重臣
  • 大奥を取り締まった女中の重職
  • 大名の家老
  • 引退した力士・行司=年を取った方
  • 相撲界の発展にかかわる役職=重役

です。
いや~たくさんありましたね(^^)

これら8つの意味から見と取れる特徴は

  • 高齢
  • 地位や身分の高い
  • 社会的地位の高い敬うべき存在

と言う点です。
ここで、現代にて私たちがよく使う「年寄り」と言う言葉の意味にもう一度戻ってみましょう。

高齢者を指す言葉として使うので、高齢の特徴は抑えてますね。
「お年寄り」と言うくらいですから、相手の方が身分の高い前提であり、また敬う存在として捉えていると見ていいでしょう。

そう、私たちは知らず知らずのうちにお年寄りの意味を正しく使っていたのです!
私はこの事実に辿りついた時、一人何とも言えない感動に襲われてしまいました。

ずっと使ってきたお年寄りと言う言葉、そこにちゃんとして意味が込められていて、しかも意味を知らないはずの私たちは、意味合い通りの活用ができていたのです。

日本語って、本当に面白いですね(^^)

と言うわけで、当サイトでの年寄りの意味は以上となります。
勿論、あなたは辞書の意味通りと考えても結構ですし、単なる高齢者の別名ととらえてもいいです。

ですが、今度お年寄りと言う言葉を使う時は、少しで良いので相手への尊敬と経緯の気持ちをもってその言葉を口にしてもらえたらなと思います♪

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