「年を取る」と「歳を取る」どちらが正しい漢字なのかご存知ですか?どちらもよく書かれているこの二つの漢字、「年」と「歳」の意味の違いなど色々な視点から正しい漢字を探していきます。
「年を取る」と「歳を取る」、どちらが正しい使い方なのでしょうか。
私たち人間は、だれでも年齢を重ねていくものです。
去年の同じ日よりも確実に、今日の方が1歳年齢を重ねています。
さて、ここで一つあなたにお聞きしたいことがあります。
それは、年を取ると歳を取る、正しい活用方法はどちらかという事です。
どちらも正しいような気がしますし、どちらも違うような気もしてきてしまいます(^^;)
ここからは、本当に正しい「としを取る」の使い方とその意味について見ていきたいと思います!!
「としをとる」を漢字で書くと
あなたは、普段「としをとる」を漢字でどのようにかいていますか?
- 年を取る
- 歳を取る
恐らく、このどちらかだと思います。
ですが、あなたはその漢字、絶対に正解だといえますか?
私は年を取る、の方を書いているのですが・・・正直自信はありません(^^;)
施設の記録を書く際などに、高齢者の方たちの言葉を残すことがあります。
その際に
「私も年を取ってな・・・」
と言う発言を記録するのですが、これでいいのかと不安になってしまうんです。
分からないなら、調べるしかないですよね♪
と言うわけで、今回は「としをとる」の正しい漢字について見て行きたいと思います!
まずは、年と歳、二つの漢字の意味について見ていきたいと思います。
年の意味
まず、年と言う漢字について見ていきたいと思います。
あなたは、先ほどの「としをとる」以外では、どういった時に「年」の漢字を用いますか。
- 3年前
- 2017年
- 平成19年
等を表す際に用いることが多いかと思います。
そもそも、「年」は年数や年号を表現する際に用いる漢字です。
ですので、上の例のように時間を表す際に用いることが多くなります。
漢字の成り立ちについてですが、「禾(いね)」に変形の「人」がくっつくことから来ています。
この人には「くっついて親しみ合う」と言う意味が込められており、そこから転じて穀物が熟して粘りを持つ状態になるまでの期間を表す文字となっています。
語源から見ても、やはり「年」は期間を表す文字であるようです。
歳の意味
さて、それでは「歳」の意味はいったいどうなっているでしょうか。
実は、「歳」は人や生き物の年齢を数えるときに使う漢字とされているんです。
言われてみれば、この漢字を使うのは、いつも相手の年齢を尋ねるときなどであると思いませんか。
- 「今年で3歳になります」
- 「100歳の誕生日、おめでとう!!」
等のように、相手の年齢を文字にして表わすときは「歳」を使うのです。
では、文字の成り立ちはどうなっているでしょうか。
「歳」は「戉(えつ:刃物の意味を持つ)」と「歩」を組み合わせた漢字です。
ここでの「歩」はとしの歩み=時の流れを意味しています。
刃物で稲を刈り取り、収穫するまでの時間の流れを表す漢字こそが「歳」なのです。
ちなみに、年齢を表す際には「才」の漢字を使う方もいるのではないでしょうか。
実はこれ、歳の代用漢字として使われているものなのをご存知でしょうか。
画数が多く、書くのが面倒だなどの理由から簡略化され、現在では「才」が用いられるようになったんです。
現代一般表記では「歳」の方を用いることになっています。
こちらもぜひ頭に入れておいて下さいね。
それと、あまり知られていませんが、歳は「とし」とも読む事が出来るんです(^^)
「としをとる」の漢字はどちらか
さて、ここまでは「年」と「歳」の意味について説明してきました。
いよいよ、本題である「としをとる」の漢字について見ていきたいと思います!!
まずは、年を取る。
こちらは、先ほどの意味から見ていくと、
年月を重ねる
という意味になりますね。
年を取るという事は、その人が年月を重ねた結果であるわけですから、この意味なら何の問題もありません。
と言うわけで、年を取るは間違いなく正しい漢字の使い方と言えます!
では、歳を取るの方はどうでしょうか?
「歳」は年齢を指す漢字だと先ほど説明しました。
その視点に立って考えると、歳を取るは
年齢を重ねる
と言う意味になりますね。
・・・あれ?こちらも、何もおかしいことはありませんね。
正しい意味につながります。
そうなんです!実は、
- 年を取る
- 歳を取る
のどちらであっても間違いではなく、正解なのです!!
つまり、どちらの字を書いたとしてもそれは正しい表記であり、何も気にする必要はないことがこれで証明されました(^^)
ただし、常用漢字表において、歳に「とし」の訓読みは表記されていません。
ですので、例えば学校のテストや公用文に書こうとするときには、「年を取る」と書くのが無難と言えるでしょう。
年齢を重ねて魅力的な大人になろう!
いかがだったでしょうか?
今回は、「としをとる」という言葉について、正しい漢字は何かを見ていきました。
結論は・・・
- 年を取る
- 歳を取る
どちらも正解という事です!!
ただし、常用漢字としては「年を取る」の方がより正解に近い、一般的な言葉ではあるようです。
ですので、公用文書や間違えたくない場面では確実に正解と言える「年を取る」の方を書くほうが良いでしょう。
高齢者の方たちを見ていると、いつも思います。
歳を重ねることで、こんなにも人間円熟味が増し、味が出るんだなと。
勿論、広い心、豊富な知識、そして何より様々な人生経験と言うバックボーンがあってこそ今の彼らがあるのだと思います。
私たちも今から色々なことを経験し、広い心を持つようにしていきたいですね(^^)
そうすれば、きっと高齢者と呼ばれる年齢になったとき、「あの人は魅力的な大人だな」と言われるはずです。
あなたも私も、かっこいい年の取り方をしていきましょう!!
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