年齢と体力 私たちの体は、一般的に二十歳前後を目安に体力・筋力のピークを迎え、その後徐々に下降線をたどると言われています。 多くの方が、 「大学のころは徹夜なんて平気だったのに」 「最近、疲れやすくなったな~」 等の感想 […]

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年齢と体力

私たちの体は、一般的に二十歳前後を目安に体力・筋力のピークを迎え、その後徐々に下降線をたどると言われています。

多くの方が、

「大学のころは徹夜なんて平気だったのに」

「最近、疲れやすくなったな~」

等の感想を一度は口にしたことがあるのではないでしょうか?
ですがこれ、本当にそうなのでしょうか?

老化現象と体力

日々生活していく中で、私達はいろいろな部分で年を取ったことを実感させられます。
しわが増えた、白髪が生えてきた、筋肉が落ちてきた…これらはその典型例と言えるのではないでしょうか?

こういったことは私たちに年齢を感じさせますよね。
ですが、実は筋肉に関しては年齢のせいにするのは間違っているんです。

何故なら、筋肉は年をとっても成長し続けることができるというのが証明されているのです。
なんと、90歳を超えても、私たちの筋肉は鍛えることが可能だそうです。

実際、ボディービルの大会などでは80歳を超えるような、世間一般で言う高齢者の役組に入るような方たちがその鍛え上げられた筋肉質な体を披露してくれています。

そう、筋肉は何歳になっても鍛えられるのです!

加齢とともに落ちていく筋肉

まず前提としてお話しておくのは、残念ながら運動しなければ私たちの筋肉は年齢とともに衰えていくことは事実だということです。

上述したように、筋肉は何歳になっても鍛えることは可能ですが、それでも年とともに衰えやすくなっていきます。

よく言われるのは、高齢者の方が病気などで一週間ベッドに寝たきりになれば、元の筋力や体力を取り戻すのに一カ月以上はかかるということです。

若い時でも、病気で数日寝たままでいると、病気が治った後もしばらくは体が重いという経験をしたことがあると思います。

ですが、高齢者の方にとって筋肉を数日動かなさいのは想像をはるかに超えるほどのダメージなのです

そのことを踏まえたうえで、加齢により、使わなければすぐに衰えていく筋肉について説明していきます。

足腰の筋肉

やはり、一番初めに衰えてくるのは足の筋肉です。
足は【第二の心臓】と言われるほど大事な体の一部です。

ここが衰えてしまうと体全体の老化が一気に進んでしまいます。
後述する心臓の筋肉も衰え、体力も大きく減退します。

しかも、普段から使っている部分だけに「毎日立って生活しているから私は大丈夫」と根拠のない自信を持っている方が大勢います。

数年後、杖や押し車に頼らなくては歩けなくなったころにようやく自分の体の衰えを自覚するのです。

心臓の筋肉

心臓も筋肉でできていることをご存じでしょうか?
年を取ると体力が衰えると言いますが、正確には心臓が衰えた結果体力が落ちたように感じるのです。

心臓は、新鮮な血液や酸素を体全体に供給してくれるポンプの役割を果たしてくれています。
また、体にたまった疲労物質などを輩出する手助けにも一躍買ってくれています。

ですのでこの心臓が弱ってしまうと新鮮な血液や酸素が体にうまく供給されなくなってしまいますし、体に疲労物質が残ってしまい疲れが残る原因にもなっているのです。

心臓が何故弱るのか、それは

『使わないから』

これに尽きます。

運動した後は、心臓がどくどくと言って動いているのを感じますよね。
じつはこれが心臓の筋肉が活発に動いている証拠なのです。

逆に、普段からあまり運動せず、心拍数が一定だと心臓は活発に動くことはありません。
すると、段々と心臓の筋肉は衰え、やがて少しの運動でも息が上がってしまうほど衰えてしまうのです。

そのほかの筋肉

他にも、例えば年とともにおなかが垂れてくるのは、腹筋が衰えていくからですし、女性の胸が垂れてくるのは胸の筋肉が落ちてしまったからです。

私たちが普段意識していないだけで、私たちの体中至るところに筋肉があります。
ですので、加齢とともに筋肉が衰えてしまうということは、文字通り体中が衰えてしまうということにつながっていくのです。

筋力を維持するには

それでは、年齢に負けず筋肉を維持していくにはどうしたらいいでしょうか。
次は、筋肉を維持していくための方法について書いていきます。

スロージョギング

一番いいのは、ダンベルなどを使ったハードな筋トレ・・・では決してありません!!

むしろ、普段から運動していない人にとってはこのような急激な筋肉への負荷は、逆に筋肉の損傷を招いてしまう恐れがあります。

では、どうしたらいいか。
答えは、簡単な運動を行うということです。

その中でもおすすめなのがスロージョギングです。

スロージョギングとは、文字通りゆっくり歩くのと同じくらいの速さでのジョギングのことを指します。

スロージョギングは体への負担は小さいですが、足腰や心臓をしっかりと使うことができます。

そして、有酸素運動であるスロージョギングを行うことで肺にしっかりと酸素が供給され、体中に新鮮な酸素がいきわたります。

また、腕をしっかりとふれば上半身の筋肉や背中の筋肉も刺激されます。
おなかのたるみが気になる方も、脂肪燃焼効果と運動による深呼吸で自然と鍛えられる腹筋がおなかの引き締めを手伝ってくれます。

また、足からの刺激は脳にまでしっかりと伝わりますので、認知症予防にも実はもってこいなのです

負担が小さく、認知症も予防できるし、健康も保てる。
まさに、高齢者のためにあるような運動だと言えます。

深呼吸

実は、深呼吸を毎日意識的に行うだけでも、かなり心肺機能が鍛えられます。

体いっぱいに酸素を取り入れようと思うと、体を伸ばしておもいっきり呼吸をしようとしなければなりません。
この時、体中の筋肉がストレッチ効果を受けており、ほどよい刺激となって筋肉がほぐれていきます。

また、深呼吸を終えた後の心臓の音を聞いてもらったらわかると思いますが、かなりドクドクと音を立てているはずです。
これは、心臓に程よい負荷がかかっている何よりの証拠です。

さらに、新鮮な空気を一杯にすいこむことで、普段の生活では決してないほどに肺は全力で膨らみます。
そして、息を大きく吐くことによって急激にしぼみます。

この伸縮運動こそが心肺機能の維持向上に効果的なのです。

ラジオ体操

言わずとしれた日本の伝統的な体操です。
この体操を行うだけで、私たちの健康は保たれるとまで言われています。

上半身、下半身の筋力をまんべんなく鍛えるのはもちろん、適度な刺激による心地よい疲れと心臓への負担。
筋力の維持増強と心肺機能の強化、二役を完ぺきにこなしてくれる優れものです。

さすがは、何十年と老若男女に愛された体操、その健康効果も抜群です。

終わりに

加齢による筋力の低下は馬鹿にはできません。
少しさぼっただけで、頑張ってつけてきた筋肉や体力もあっという間になくなってしまいます。

また、若いころのように少し頑張っただけで筋肉がつくというわけではありません。
若い人と同じ効果を得ようと思うと、それこそ倍は努力しないといけないと考えてください。

若いころのように筋肉に柔軟性がないので、無理なトレーニングも禁物です。
運動前の準備運動は決して欠かせない要素です。

ですが、それでもです!
これらの注意事項を守りさえすれば、たとえ還暦を迎えても、いえ80歳でも90歳になってでもその筋力は向上します!

知り合いのボディービルダーの方が口癖のようにいう言葉なのですが、

「筋肉は、うそをつかない」という言葉を教えてもらいました。

体は正直です。
運動をさぼればあっという間に筋肉は落ち、体力は減少していきます。

ですが、トレーニングを真摯に行えば、必ず結果もついてきます。
いくつになっても健康な体は一番の宝です。

今日から早速、筋肉を鍛えてみませんか?