御用達の読み方、知っていますか?『ごようたつ』とも『ごようたし』ともいわれているこちらの読み方、正解を見ていきます。また、言葉の意味や由来も紹介します。
御用達の読み方、知っていますか?
「こちらは、有名人御用達のお店でございます」
という売り文句、一度は見聞きしたことがあるかと思います。
ですが、この漢字が読めなかったと言う方が多いはず。
それもそのはず、この漢字はかなりの難読漢字で読めないという方は大勢います。
しかもこの漢字、『ごようたし』と『ごようたつ』の二つの読み方が候補に挙がっているのです。
さて、一体どっちが本当の読み方なのでしょうか。
御用達の読み方は
さて、早速本題に入っていきたいと思います。
今回のお題は御用達の読み方は、というものです。
最初に触れたように、この御用達はかなりの難読漢字です。
読めないという方も多いのではないでしょうか。
しかし、時折目にする漢字であるのも事実です。
いつ何時、この漢字を読まなければいけない事態に陥るのかもわかりません。
そこで今回は、この漢字の読み方と意味について詳しく説明していきたいと思います。
ごようたしは正解
御用達の読み方を考えるうえで、まず最初に頭に浮かぶのは『ごようたし』ではないでしょうか。
ちょっと高級なお店や有名店を紹介する際には
「○○さんごようたしのお店なんですって!!」
と会話の中でも用いた覚えがあるのではないでしょうか。
御用達ですが、ごようたしと言う読み方はもちろん正解です。
日常生活でも時折使っている言葉です。
漢字そのものが読めない場合でも、文脈などからこのように読んでいる方も多いはず。
というわけで、まず『ごようたし』と言う読み方は問題ないという事です。
では、もう一つの読み方を次に見ていきたいと思います。
ごようたつも正しい?
御用達には、実はもう一つ読み方があるとされています。
それは、『ごようたつ』です。
この読み方は、あまり広く知られていません。
というより、そもそも正しい読み方なのかも怪しいところです。
以前、テレビ番組でアナウンサーの方が御用達を『ごようたつ』と読んでしまい、それだけでネット上では議論になってしまったほどです。
さてこの読み方、正解なのでしょうか?
調べてみたところ・・・
ごようたつは正しい読み方でした!
あまり知られていない読み方ではありますが、正しい日本語です。
これは辞書などで調べてみることではっきりと確認できました。
私の持っている辞書で調べたところ、『ごようたし』では辞書を引くことができたのですが、『ごようたつ』ではそれが叶いませんでした。
しかし、ごようたしの説明欄にはしっかりと
【ごようたつ・ごようたちとも】と書かれていたのです。
一般的ではありませんが、こちらも正解ですのでこれからは自信を持って読んでもらえたらなと思います。
ちなみに、見ての通りごようたちと言う読み方も正解となっています。
つまり御用達の読み方は
- ごようたし
- ごようたつ
- ごようたち
の3つ全てが正解という事になりますね。
3通りの読み方がある、少し珍しい言葉となっています。
御用達の意味は何?
さて、御用達の読み方が分かったところで、その意味についても触れていきたいと思います。
多くの方が使うのは、お店の紹介をする時だと思います。
しかし、御用達本来の意味はと聞かれたら、すんなり答えられる人は少ないはず。
もともと、御用達は宮中や官庁などに商品を納入する行為を指す言葉です。
ここから分かるのは、かなり位の高い場所に対する行為という事です。
確かに、御用達の『御』は自分より身分の高い相手に対して使う言葉=敬語です。
本来の意味を考えると、『○○さん御用達』という使い方はその方がかなり身分の高い方でもない限り間違っていると言えるのかもしれませんね。
『ごようたし』はどこから生まれたのか
意味が分かったところで、もう一つお伝えしたいことがあります。
それは、『ごようたし』という読み方についてです。
本来、御用達の【達】の字は『たつ』と読む言葉です。
であるならば、ごようたつという読み方のみで良かったはずなのです。
にもかかわらず、何故『ごようたし』と言う読み方が生まれたのでしょうか。
それを紐解くカギは、【用達(ようたし)】という2文字にあります。
この用達、意味は
- 仕事を済ませること
- 商品を納入すること
等が上げられます。
宮内庁などに商品を持っていく際、この用達と言う言葉に、先ほど説明した敬語の意味を込めて【御】をつけたのがこの読み方の始まりではないか…と推測できます。
元々の読み方は?
さて、どちらも正解の読み方である『ごようたし』『ごようたつ』ですが、一体どちらが初めに使われた読み方だったのでしょうか。
調べてみたところ、なんと私たちにとってなじみの薄い『ごようたつ』が始まりだったそうです。
そのこともあってか、今でも宮内庁では御用達を読む際にはごようたつと読むのが習わしとなっています。
しかし、用足しと言う言葉が世間一般に広まっていくにつれ、御用達という1語であったものが御+用足しの2語として考えられるようになりました。
その過程で、ごようたつからごようたしという読み方へと変換していったといわれています。
そして、しばらくはこの『ごようたし』こそが正しい読み方として捉えられ、誰しもがそのように呼ぶのが当たり前となっていました。
しかし、そこからさらに時代が流れ、現代になって再び『ごようたつ』という読み方がされるようになり始めたというわけです。
つまり、歴史を考えても、どちらも読み方をしても全く間違えではないという事です(^^)
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は御用達の読み方について見ていきました。
見ていただいた通り、御用達の読み方は『ごようたつ』『ごようたし』どちらも正解となっています。
また、『ごようたち』と言う読み方も正しいという事も覚えておいてもらえればなと思います。
普段何気なく見聞きする御用達、調べてみると意外と歴史が深かったですね。
しかし身分の高い方に使うのが本来の使い方だったとは・・・
これからは、自分や家族オススメのお店は、【御用達】は使わないほうが無難かもしれませんね(^^;)