回りと周り、どちらの日常生活で何気なく書いている言葉です。しかし、この二つの回るにはそれぞれ使うべき機会があるんです。今回は、回ると周るの意味とその使い分け、間違えやすい例文を紹介していきます。
回ると周る、二つのまわるをよく使いますよね。
「回」も「周」もどちらも小学生で習う漢字ですので、書き慣れたものではないでしょうか。
ですが、書き慣れたもの故にその使い方を誤って覚えている人もいるのではないでしょうか。
また、私のようになんとなく
こんな時は、こっちの字かな?
という風に考えて使っている人も多いはずです。
そこで今回は、意外と知られていない回ると周る、それぞれの意味と使い分けについて紹介していきたいと思います。
回る
まずは、回るについてです。
こちらの文字は、
- 回転
- 回復
- 迂回
- 挽回
などで用いられていますよね。
一体どんな意味があるのでしょうか?
意味
回るについて辞書でその意味を調べてみたところ
- ある点を中心にその周囲を動く
- 物の働き具合
- (影響)が及ぶこと・行きわたること
- 様々な場所をめぐり歩く
- 物事の大きさ・規模などを比較するとき用いる
と出てきました。
沢山の意味がありますが、これらは基本的にすべて『回る』一つで賄うことができるようです。
例文
いくつか上の意味を踏まえた例文を紹介していきます。
- 建物の周りを歩き回る
- 新開発したモーターがよく回る
- 一階で出た火事は、すでに建物全てに回っている
- 各地のお寺を回る
などです。
こうしてみると、本当に回る一つで私たちが普段から用いている『まわる』のすべてを賄うことができるように思えます。
ですが、それなら『周る』は使う必要がないのでしょうか?
いえいえ、ちゃんと周るにも使用するべき機会があるんです!!
周る
続いては、『周る』についての紹介です。
こちらの漢字は、
- 周回
- 周辺
- 一周
- 5周年
等で用いられている言葉ですね。
こちらの周るには、いったいどんな意味があるのでしょうか?
意味
それでは、意味を紹介していきます。
調べてみたところ、
- 物の外側、縁の部分の長さや周囲
- あるものを囲んでいる近くの部分
とありました。
どうやら、物の周辺や周囲といった『周』の字を用いる漢字で表せるシチュエーションが『周る』を用いる機会のようです。
例文
周るを用いた例文はどういったものがあるのでしょうか。
いくつか挙げていきますと
- 口の周りを拭く
- 周りの人に八つ当たりをする
- お腹周りに贅肉がついてきた・・・
- 池の周りには釣り人があふれている
といったものです。
ちなみにですが、高齢者の方の多くは『周る』をまわると読むことができません。
これは、過去には周るという文字にまわるという読み方が存在しなかったからです。
実は、この読み方が付いたのは今から約40年前の昭和48年で、当時改訂された当用漢字音訓表においてはじめて「周」に「まわり」の訓読みが追加されたのです。
以降、この訓読みが残り続け現代にいたるというわけです。
ちなみに、現在でも周るは正しくは「めぐる」と読み、「まわる」とは読まないので注意が必要です(^^;)
回るか周るか迷う場合
それでは最後に、回ると周る、どちらを使うのか迷う場合についていくつか事例を紹介していきたいと思います。
私たちが日常生活でよく使う言葉であろう言葉を選んでみたので、自分ならどっちを書くだろう?と考えながら読み進めて言った貰えたらなと思います。
世界をまわる
これは、どちらの正解のような気がしますよね。
一般的には、上に書いたようにめぐり歩くという意味を持つ回るを用いて
世界を回る
と書くのがよしとされているそうです。
ただし、世界一周と言う言葉があるように、周るを用いても決して間違えではないとのことです。
体がひとまわり大きくなった
これは、体の周囲と考えると一周りが正解のように思えます。
ですが、回りには物事の大きさや規模を表す言葉も含まれているので
体が一回り大きくなった
と書くのが正解です。
まわりの目
僕を見るまわりの目が変わった
やはり最もよく使い、同時に私たちを最も悩ますのはこちらの例文ではないでしょうか。
こちらは、
周りの目
が正解です。
僕を囲む周囲の人の目について書きたいので、周りを使用することが妥当です。
使い分けについて
いかがだったでしょうか?
今回は回ると周るの意味とその使い分けについて紹介してきました。
回ると周る・・・どちらもよく使う文字ゆえに、使い分けに迷ってしまうケースも多々ありますよね。
そんな時混乱しないように、
- 基本的には回る
- 周囲・周辺など『周』の文字が入る言葉で表せる状況の時には周る
と覚えておいて下さい。
これだけで、ずいぶん楽に二つの回るを使い分けることができるようになりますよ。
どちらが正解か難しいところです。
しかしそれは、一人だけで悩んでしまっているからです。
困ったときは、周りの人に助言を求めましょう!!
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