アシナガバチに刺されたら、あなたはどうしますか?この記事では、アシナガバチに刺された際に生じる症状や、正しい処置の方法、病院の何科を受診すべきかについて紹介します。
アシナガバチに刺されたら、正しい処置ができますか?
アシナガバチは、街中でもよく見かける蜂の仲間です。
温厚な性格という事もあり、普段あまり襲ってくることはありません。
ですが、そこはやはり蜂です。
ちょっとしたことが刺激になって、突然襲ってくることも・・・
もし、あなたが突然刺されてしまったら、どうしますか?
今回は、万が一アシナガバチに襲われても安心なように、刺された時に起こる症状や適切な処置を紹介していきます。
アシナガバチに刺されたら
それでは、早速紹介していきます。
今回は、アシナガバチに刺されたら?ということで、刺された際に私たちの体に起こる症状や正しい処置の方法についてお伝えします。
あなたは、ハチに刺されたことがありますか?
- 「刺されたら、腫れるらしいね」
- 「二回刺されたら、命が危ないって聞いた」
- 「毒が回ってしびれるってホントなのかな」
ハチに刺される恐怖や、襲われる怖さを知っている方は多くても、実際に刺されたらどのような症状が生じるのかは、あまり知られていません。
そこでまずは、アシナガバチに刺されたらどのような症状が出てくるのか、そこから解説していきます。
症状
アシナガバチに刺された場合、主な症状は
- 激しい痛み
- 腫れ
- アナフィラキシーショック
の3つです。
ハチに刺された=アナフィラキシーショックを心配する方も多いはず。
ですが、実際にこの症状がどのようなものかを知っている方は少ないです。
これについては、詳しく紹介していきたいので、後述させてもらいます。
まず先に、他の二つの症状から見ていきます。
アシナガバチに刺されてまず最初に感じるのは、とにかく激しい痛みです。
- 針で刺された
と言うより、
- 熱した鉄棒を押し付けられた
と思わず考えてしまう程、熱を帯びた痛みが刺された場所を中心に襲ってきます。
激痛という表現でしか、この痛みを表わすことはできません(-_-;)
ハチの針は、本来人間を刺すためのものではなく、外敵から自分や仲間を守るためのもの。
そのため、激しい痛みのある針を持つことで、外敵が自分たちに寄ってこないようにしているのです。
ちなみにこの痛み、あの蜂の中でも最強と言われているスズメバチの針に刺された時よりさらに痛みが強いそうです。
・・・怖すぎます(^^;)
そんな、痛みだけで誰しもが恐れるアシナガバチの毒ですが、更にもう一つ恐るべき症状を隠し持っています。
それは・・・『腫れ』です。
とにかく腫れます。
アシナガバチの針に含まれている毒の影響で、刺された場所を中心に大きく腫れあがってしまいます。
刺された場所は、本当にこれでもかとパンパンに膨れ上がります!
その腫れは、皮膚が膨れすぎてしまい、痛みも相まって上から服を着れない(脱げない)程です。
- 激しすぎる痛み
- 目をそむけたくなるほどの腫れ
これだけで十分怖いのに、それ以上に恐ろしいのが、よく耳にするアナフィラキシーショックです。
一体何が、それほどまでに恐ろしいのでしょうか。
その詳細についてお伝えします。
アナフィラキシーショックって何?
さて、あなたは
「ハチに2回刺されたら、アナフィラキシーショックに気を付けろ」
と聞いたことがあるでしょうか。
そう、アナフィラキシーショックは一回目に刺された時には起こりません。
ですが、ハチに2回以上刺されてしまった時に起こってしまう症状なのです。
なぜこのようなことが起こるのか・・・それは、人間の持つ毒に対抗しようとする力のせいなのです。
私たちの体は、一度ハチに刺されたら
「次は蜂の毒に負けないぞ」
と考え、毒を防ぐ成分を体の中に作り出します。
これが抗体です。
他の病原菌などの場合、抗体ができれば同じ種類の菌が体内に入ってきた場合でも、2回目以降は
- 症状が発生しない
- 病気になっても、症状が軽い
と言った恩恵を受けれます。
病気や毒・新たな病原菌に負けないように進化してきた人間独自の能力と言えるでしょう。
ただし、蜂の毒への抗体の場合、これがプラスに働かないのです。
いえそれどころか、私たちの命を危険にさらすほどの症状が出てきてしまうのです・・・
これは、2回目に侵入してきた蜂の毒に、体が対抗しようとして頑張りすぎた結果、抗体が過剰反応してしまうことに起因します。
頑張りすぎた抗体は、私たちの体に恐るべきアレルギー症状を引き起こします。
その症状とは、以下のものです。
- 蕁麻疹
- 紅斑(赤い斑点)
- 唇や舌がマヒ・膨れる
- 呼吸困難
- 腹痛
- 吐き気・おう吐
- 下痢
- 血管に浮腫
- 冷や汗
- 痙攣
- 意識障害
信じられないことに、これらの症状全てがアナフィラキシーショックにより引き起こされるものなのです。
蜂に一刺しされただけで、私たちの体は文字通り命の危機に瀕してしまうのです。
ちなみに、2回刺された方が100%アナフィラキシーショックを引き起こすわけではありません。
その方の体質によっては、何回刺されてもならない方もいます。
刺されるのが2回目以降、約一割の方がこの症状を発症していきます。
つまり、刺される回数が多くなればなるほどに、アナフィラキシーを引き起こす可能性は高くなってしまうのです。
正しい処置
それでは、アシナガバチに刺された時の正しい処置の方法についてお伝えしていきます。
この処置を誤ってしまっては、私たちの症状は悪化していく一方です。
しかし、正確な処置を刺されてすぐ行なうことができれば、症状の悪化は最低限に防ぐことも可能です。
一体どのような行動を私たちは取るべきなのでしょうか。
それが、この5つです。
- その場からすぐに離れる
- 傷口をきれいに洗う
- 冷やす
- 薬を塗る
- 安静にする
この5つの対処をいかに早く、そして確実に行うかでアシナガバチに刺された後の症状が重篤化するかどうかが決まります。
ですので、しっかり覚えて、万が一の時はすぐに対処してもらえればなと思います。
ここからは、上で紹介した対処方法について一つずつ見ていきます。
その場から離れる
まず最初に行うのは、刺された場所からすぐに離れることです。
アシナガバチが1匹だけで襲ってくることはまずありません。
高確率で、他のハチが近くに潜んでいます。
ハチの巣などがあれば、最悪の場合何十匹と言う大群に追いかけられる羽目にもなりかねません。
そこであなたがとるべき行動は、その場からの一刻も早い避難です!!
身をかがめ、最低でも数十メートル、できれば屋内の安全な場所まで避難してもらえたらと思います。
自分を刺した蜂は憎いかもしれません。
ですが、彼らも自分や仲間を守るためにとった行動であり、あなたに恨みを持っているわけではありません。
一匹のハチに復讐しようとして、何十匹のハチに襲われてしまっては本末転倒。
それこそ、アナフィラキシーショックによる命の危機を味わいかねません。
いったん怒りなどの感情は全て捨て、自分の身を守ることに全力を尽くしましょう。
傷口を洗う
さて、安全な場所に避難したところで、いよいよアシナガバチに刺された部位の本格的な対処を始めます。
まず、刺された傷口をきれいに洗うところからです。
これは、傷口の消毒はもちろんですが、傷口に付着した蜂の毒を洗い流す狙いもあります。
また、刺された場所だけでなく、その周りにも毒が付着している可能性が高いです。
キレイな流水で洗うことにより、これらの毒をすべて洗い流してしまいましょう。
この時、刺された部位の周りを指で抑え、毒を出来る限り出しておいてくださいね。
傷口から出血があれば、それは血と一緒に体内に残っている毒素も流れ出た合図と言うわけです。
尚、ドラマなどで傷口に口をつけ、すいだすシーンがありますがこれはお勧めできません。
というのも、もし口の中に口内炎や虫歯、あるいは口角炎のような病気があった場合、傷口から毒が侵入し、体内に毒が再び入り込んでしまう恐れがあるためです。
この場合、
- 蜂の毒
- 傷口の悪化
という2つのダメージを体が負うことになってしまいます。
ですので、毒を絞り出すのは手でつまむようにして行いましょう。
毒を絞り出し、きれいな水で洗い流せば、最初の処置は終了です。
冷やす
さて、毒を絞り出し、消毒を終えた後は、傷口を冷やす必要があります。
傷口を冷やすという行為は、実はたくさんのメリットがあります。
- 腫れを抑える
- 出血を抑える
- 毒が全身に廻るのを防ぐ
この3つが、冷やすという行為一つで全て行えるのです。
冷やすと腫れが収まるというのは多くの方が効いたことのある事実ですよね。
更に、冷やすことで血管が収縮し、出血量も少なくなります。
蜂の毒を出す際に、傷口を絞った場所から出血があるかと思います。
これも素早く止血することができるというわけです。
更に、冷やすことで血管が収縮=血の巡りが悪くなるわけですから、血液に乗って体内をめぐる毒もまた全身に行きわたるのが遅くなるというわけです。
これにより、蜂の毒による体の変調を遅らせることが可能です。
いくら毒を絞り出したとはいえ、手で行うだけではどうしても毒素が残ってしまう可能性は高いです
毒の絞り出し+患部冷却
この二つを同時に行うことで、アシナガバチの毒によるダメージを最小限に抑えることができるのです。
冷やし方は
- ビニール袋に氷を入れてそれを当てる
- タオルを冷水に浸し、傷口に当てる
が有効です。
冷やす時間は30分を目安としましょう。
あまりに冷やし過ぎると、却って体を悪くしてしまいかねません(^^;)
ちなみに、氷はコンビニで売っています。
買い物すればもれなくビニール袋もついてくるので、買い物後即患部を冷却することが可能となります。
薬を塗る
さて、冷やした後はいよいよ患部に薬を塗っていきます。
世の中にはいろいろな薬があふれているわけですが、アシナガバチに刺された場合には
- 抗ヒスタミン薬
- ステロイド
この二つの成分が入った虫刺され薬が最適です。
- かゆみ・炎症を抑える
- 傷口の回復を早める
といった効果が期待できます。
特に子供は痒いとついつい触ってしまいますので、薬を塗ってかゆみを抑えることは非常に重要となります。
安静にする
さて、症状が治まったところで最後にやることは一つ!!
安静にすること
です。
処置が終わった後、正しい安静をできていない人が案外多いんです(^^;)
- お酒を飲まない
- お風呂に入らない
- 運動は控える
この3つのポイントを押さえ、家に帰って体を休めましょう。
人間には自己回復能力がある程度備わっています。
それを十分に活かすためには、やっぱり安静が一番です(^^)
病院は何科?
さて、蜂に刺された場合には何科を受診すればいいのでしょうか。
上に書いてあったのは、自分で蜂の毒を処置する方法です。
もちろんこれでもいいのですが、やはり
「毒がちゃんと抜けたか不安だ・・・」
という方も多いはず。
また、小さい子供や高齢者の方の場合、体力的に見ても成人より蜂の毒による症状が酷く表れる可能性は高いです。
出来れば、病院に行って正しい処置を受けるべきです。
その場合に足を運ぶのは、皮膚科です。
蜂の『毒』ですので、
「もしかしたら内科かな?」
と考える方もいるかと思いますが、まずは皮膚科を受診してください。
そこで適切な処置と、薬を処方してもらえます。
ただし、アナフィラキシーショックが起こった場合は話が別です。
その場合は、何科にこだわっている暇はありません。
- 冷や汗
- 動悸
- 意識障害
- 痙攣
等の症状が刺されて30分以内に体に起こった場合は、すぐに病院へ駆け込みましょう。
もし病院から距離のある場所で刺された場合には、救急車を呼び病院へ直行してください。
命のかかわることですので、119番通報をすぐ行ってくださいね。
ハチは刺激しないように
いかがだったでしょうか?
今回は、アシナガバチに刺されたら、ということで、刺された際に生じる症状や正しい処置についてお話しさせてもらいました。
ここまで、刺された際に取るべき行動についてお話ししていきました。
ですが、最も大事なことは刺された後ではなく、むしろその前です。
蜂は、基本的に刺激さえしなければ襲ってくることはありません。
ですので、あなたの目の前にハチが現れた場合には、下手に焦らないことが大事です。
慌てず、落ち着いて、その場を立ち去りましょう。
あなたが蜂を刺激しなければ、蜂もあなたを刺したりはしません。
アシナガバチを刺激することなく、刺されないよう気を付けてくださいね(^^)