夜の蜘蛛は親でも殺せ。昔から言われる言葉ですが、なぜそれほどまでに夜の蜘蛛は嫌われているのでしょうか?夜蜘蛛にまつわる迷信や縁起の悪いとされる背景を調べました。
夜の蜘蛛は親でも殺せ!!
こんな言葉を、一度は耳にしたことがあるかと思います。
昔から夜蜘蛛は縁起の悪いものの象徴とされており、見つけたらすぐに殺すように言われ続けてきました。
ですが、なぜそこまで夜の蜘蛛は悪く言われているのでしょうか?
家の中の害虫を食べることから、本来蜘蛛は益虫と名付けられるほど家にとってありがたい昆虫でもありました。
その蜘蛛を
見つけたら殺せ!
とまで言うようになった背景、気になりますよね?
今回は、夜の蜘蛛が縁起が悪いといわれるようになった背景やその原因を調べてみたいと思います。
夜の蜘蛛は縁起が悪い理由
夜の蜘蛛は親でも殺せ!!
・・・中々にきつい言葉ですよね(^^;)
夜の蜘蛛がここまで嫌われている理由の一つに、夜蜘蛛は縁起が悪いという言い伝えがあります。
ここからは、夜蜘蛛の縁起の悪い根拠となっている伝承をお伝えしていきます。
夜の蜘蛛は不幸を運んでくる
朝蜘蛛は幸福やお客さんを連れてくるというのに対し、夜の蜘蛛は不幸を運んでくるといわれています。
昔から、夜の蜘蛛は不吉の象徴とされており、そのグロテスクな姿や夜のうす暗さと相まってかなり嫌がられてきました。
土地ごとに夜蜘蛛の言い伝えは異なっていますが、ほとんどどの土地でも共通しているのが夜蜘蛛は不幸を運ぶというものです。
確かに、不幸を運んでくる生き物と考えられているなら誰だって嫌いたくもなりますよね(^^;)
盗人が来る前触れ
夜に蜘蛛の姿を見ると盗人が家に来る前触れと言われています。
そのため、昔から夜蜘蛛を見かけた家はすぐに自宅の戸締りを調べ、盗まれたものはないか確認したと言います。
盗人、つまり今でいう泥棒が家に来る前兆ともなれば、誰だって見たくはありませんよね・・・
そこで盗人が来ないように夜蜘蛛を見つけたら殺してしまい、前触れ自体をなかったことにしようとしていたようです。
中々過激な行動ですね(・・;)
地獄の使い
最も恐ろしい言い伝えの一つが、
蜘蛛は地獄の使い
と言うものです。
朝の蜘蛛は天の使いと言われており、一部では神聖視すらされている生き物です。
しかし、同じ蜘蛛でも夜になると地獄の使者として見られてしまい、忌み嫌われているのです。
確かに地獄の使者という事は、少なくとも家にいいものはもってきてくれそうにないですもんね(^^;)
昔話の中で
上3つが最もよく言われている夜蜘蛛の言い伝えですが、それ以外にもまだまだ夜蜘蛛には様々な印象の悪いエピソードが付きまといます。
その一つが、昔話です。
食わず女房という物語の中で、恐ろしい山姥の姿をした蜘蛛が夜に男を食べにやってきます。
この恐ろしい姿は聞いた子供たちに衝撃を与え、その恐怖感が大人になっても染みついて取れないことから夜蜘蛛は自然と嫌われ者になった・・・とも考えられます。
夜の生き物だから
そもそも蜘蛛が悪いわけでなく、夜の蜘蛛だから縁起が悪い・・・と言う考え方もあります。
今でこそ文化も発達し、夜でも明るい生活が可能ですが、昔の夜は文字通り真っ暗で何も見ることが出来ないほどの闇の中でした。
そのためか、昔の人々は夜を恐怖し、縁起の悪いものの象徴として恐れていたのです。
夜蜘蛛以外にも
- 夜爪を切ると親の死に目に会えない
- 夜口笛を吹くとヘビが出る
といった不吉な言い伝えが存在しているのがその証拠です。
夜蜘蛛は何時から?
さて、上で書いたように夜の蜘蛛はかなり縁起の悪い生き物と信じられているようです。
一体何時に見つけた蜘蛛は夜蜘蛛となるのでしょうか?
もっとも一般的に言われているのは
午後0時以降見つけた蜘蛛
だそうです。
つまり、お昼過ぎに見つけた蜘蛛の場合、時間的にはすでに夜蜘蛛=縁起の悪い生き物になってしまっているのです。
ちなみに、0時までの間は朝蜘蛛=縁起の良い象徴となっています。
・・・1~2分で変わるあたり、結構いい加減なところもありますね。
朝蜘蛛と夜蜘蛛の違い
ここで、朝蜘蛛と夜蜘蛛の違いについてまとめておきたいと思います。
朝蜘蛛はプラスのイメージが多く、
- 福を連れてくる
- お客さんを連れてくる
- 縁起の良い象徴
- 天の使い
といった、見るだけで幸運を届けてくれる生き物として、今でも商売人の方を中心にゲン担ぎを行う方にはありがたがられています。
一方で、夜の蜘蛛は
- 不幸を背負ってやってくる
- 盗人を連れてくる
- 縁起の悪い象徴
- 良くないことの前触れ
- 地獄の使者
と言う風に、全く良くないイメージばかりが付きまとっています。
同じ蜘蛛でも時間が違うだけでここまで印象が変わってしまうのですから、ほんの少し夜の蜘蛛がかわいそうに思えてしまいますね(;´・ω・)
夜蜘蛛でも殺さないほうが良いのかも
いかがだったでしょうか?
今回は夜の蜘蛛の縁起の悪いイメージの背景について調べてきました。
見てもらった通り朝蜘蛛と比べると明らかに夜の蜘蛛は不幸の象徴・縁起の悪い生き物として見られる傾向にあるようです。
ですが、その一方でこんな意見も。
- 朝も夜もなく、蜘蛛は神聖な生き物だから殺してはいけない
- ドイツでは、夜の蜘蛛は希望の象徴
- アメリカでは、蜘蛛の巣は悪い夢を絡め取ってくれるありがたいもの
これらの言い伝えでは、夜の蜘蛛は悪いものではなく、むしろ縁起の良いものとして捉える傾向にあるようです。
また、朝蜘蛛の記事でも書きましたが、蜘蛛は益虫と言われ家の中のゴキブリやハエ・蚊やダニといった害虫を食べてくれるありがたい生き物でもあるんです。
どの言い伝えが正しいのかはわかりません。
ですが、折角朝の蜘蛛にも夜の蜘蛛にも良い伝承が存在しているのです。
それなら、朝も夜もなく蜘蛛は逃がしてあげたほうが、あなたにとって素晴らしい幸運が流れ込んでくるかもしれませんね(^^)
ずっと気になっていました。親に見えても‥は朝だったっけかな、夜だったっけかな・・。
昨日、夕飯の支度時に、(午後7時半ごろ)テーブルの上で一匹見つけて、(ぴょんぴょん跳ぶように進む、直径1センチ足らずのくろいクモを)布巾でつぶしてしまいました。とっさに、あのことわざが頭に浮かんだのですが、慌てていたとは言え、なんだかゆううつなり、「ここで一度、ちゃんとしらべてみよう!」と思いました。
夜も昼も、クモは放っておく、逃がしてあげることに決めました。
はい、それが一番良いかなと(*´∀`*)
蜘蛛も生きていますしね!