この記事では、老健、つまり老人保健施設でおすすめのレクリエーションを6つ紹介しています。どのレクも簡単で、しかもリハビリとしても有効なものとなっています。
老健でのレクリエーション、どういった物に取り組んでいるでしょうか。
老健に限らず、レクリエーションは施設ごと、参加する高齢者の方ごとにその内容を変化させていく必要があります。
特に老健は、同じ入居施設ではありますが特養やグループホームといった施設とは大きく異なる部分があります。
- 老健ならではの特色
- 老健入居者の方の特徴
この2点をしっかり抑えた上でのレクを紹介していきます。
老健レクリエーション6つ
今回紹介するのは、老健でオススメのレクリエーションです!
老健は他の高齢者の方の入所する施設とは大きな違いがあります。
それは、
【在宅復帰を目指した施設】
であるということです。
特養などは、基本的にそこで最後まで過ごされる方も少なくありません。
ですが、老健は違います。
基本的には3ヶ月での在宅復帰を目標にしてケアマネの方がプランを組み、OT・PTの方は勿論のこと、介護士をはじめとした専門職が全力をあげてその目標に突き進んでいきます。
つまり、家に帰る、施設入所前の生活に戻ることが前提の施設なのです。
そこで老健でのレクリエーションにも、在宅復帰に向けた機能が求められます。
具体的には
- リハビリ
- 脳トレ
- 筋力の維持・強化
の3点を意識していく必要があります。
今回紹介するレクもこれらのポイントをしっかりと抑えた物になっています。
是非、参考にしてみて下さいね。
それでは、老健でオススメのレクリエーション、紹介開始です!!
体操
まずは、体操です。
当たり前の運動に思えますが、思ったより効果的な運動レクとなっているのがこの体操です。
おそらく、多くの施設では体操と言えば運動系レクの前に行う準備運動程度だと思います。
ですが、体操もしっかり行えば、それ自体が立派な運動になり、またリハビリにもなるのです。
参加する高齢者の方のレベルや体力にもよるのですが、5分程度行うのが理想です。
意識するポイントは
【ゆっくり時間をかけて行う】
これに尽きます。
急に体をひねったりすると、体操で体を壊してしまうことにもなりかねません。
それでは本末転倒というもの。
ゆっくり時間をかけ、体をほぐすように、筋を伸ばすように行う。
これは高齢者の方が体を動かす際の基本であり、同時に最も大事なことです。
しっかり意識して下さいね。
具体的な体操のやり方はこちらの記事にて紹介していますので、参考にしてみて下さいね。
テーブル卓球
続いては、テーブル卓球です。
このスポーツ、利点がいくつもあるんです。
まず、卓球台がいらない。
スペースの問題はどこの施設でも発生する課題です(^_^;)
これが簡単に解決できるのは嬉しいですよね。
次に、車いすでも気軽に参加できるということ。
老健に入所している方の中には、足の骨折や脳卒中による車いす生活となってしまった方もたくさんおられます。
そういった方達が気軽に参加できて、かつレクを通して車いすの操作方法も自然に覚えることが出来る。
まさにリハビリにうってつけのレクリエーションと言えます。
そして、適度な難しさ。
レクリエーションは簡単すぎてしまっては退屈で、高齢者の方たちからすると馬鹿にされているように感じてしまうこともしばしば・・・
逆に難しすぎると、参加するのも嫌になってしまうことにもなりかねません。
テーブル卓球はその中でもまさに適度な難しさを保っているゲームと言えます。
連想ゲーム
続いては、連想ゲームです。
一度は皆さんのやったことがあるかと思います。
- 豆
- 鬼
- イワシの頭
これらのキーワードから答えを連想して答えなさい、というものです。
ちなみに、上の問題の答えは節分です。
この問題、老健に入所された方の脳トレにオススメです。
老健入居者の方は認知レベルが高いことが多く、塗り絵や計算問題といった通常の脳トレ問題では退屈してしまうこともしばしば・・・
そんな方々にも、この連想ゲームは一風変わった脳トレ問題としてオススメすることが出来るのです。
連想ゲームは実に脳トレ向きのレクリエーションといえます。
【キーワードからの連想】
この行為は、普段の生活では決して行うことはない作業です。
そして、普段行わない作業ほど脳を活性化させる物はありません。
また、キーワードをしっかり選べば季節感を感じるレクとしても扱うことが出来ます。
ルールはシンプル、しかも誰がやっても面白い。
更に、
お題さえ準備しておけば、後はキーワードを書くホワイトボードの準備だけでOK!
という介護士の方にとっても大助かりのレクリエーションです。
意外にこの連想ゲームをレクの時間に取り入れている施設は少ないようです。
本当にオススメですので、是非一度試してみて下さいね♪
当サイトにも連想ゲーム問題を用意しておりますので、是非参考にしてみて下さいね(^^)
紙飛行機飛ばし
さて、お次は紙ヒコーキです。
「これのどこが老健向けのレクリエーション?」
と思うかもしれません。
ですが、これほど老健入居者の方にオススメしたいレクは正直ないです。
というのも、紙飛行機にはリハビリ機能がたくさん含まれているからです。
- 紙を折る細かい手作業
- 手順通りに作る脳トレ機能
- 紙飛行機を飛ばす=上肢の運動
といった具合に、いくつものリハビリや機能訓練が同時に行うことが出来るからです。
たかが紙飛行機と馬鹿に出来ないですね。
更に、この紙飛行機・・・久しぶりにやると面白いんです。
通常、リハビリやレクは
- 退屈な物
- 子供だまし
- つらい・きつい
といった印象が強くあります。
ですが、このレクリエーションなら久しぶりにやると意外と面白いですし、やること自体はシンプルですのでそこまで苦は感じません。
レクを楽しみつつ、リハビリも行える。
特に、普通のリハビリや集団レクリエーションになじめない方にオススメのレクとなっています。
高齢者の方たちは、スタッフの言葉が出ないほどの飛距離が出る紙飛行機を、普通に作ってこられます。
是非、介護士・リハビリスタッフの方も一緒になって飛距離を競ってみて下さいね♪
今の季節はクイズ
レクリエーションで困ることの一つが【導入】です。
この最初の入り方がうまく出来ずに困ってしまう方が、新人職員を中心に多くいるようです。
レクの最初にオススメなのが、【今の季節はクイズ】です。
このクイズ、季節感を養う脳トレとしても効果的なのですが、会話の促進にもピッタリです。
レクリエーションの歯科医が苦手な方の理由の一つに
【間が持たない】
という物があります。
確かに、レクの司会を淡々としているだけではなんだか機械的でつまらないですよね。
そういった空気は高齢者の方たちもそうですが、司会をしているスタッフ自身にも重くのしかかってきてしまう物です。
しかし、このクイズを行えば簡単に会話ができるんです!
というのも、たとえば【冬】を尋ねる上で
- 鍋がおいしい
- 雪が降る
- 節分
などのヒントを出しておけば、正解が出た後に
「本当に、冬は鍋がおいしい季節ですよね。僕は鍋と言えばやっぱり~」
「子供の時は雪合戦を良くした物です。皆さんの子供の時は、雪が降ったら何をしていましたか?」
といった具合に、会話が発展させやすくなるんです。
会話がうまくつながれば、その後のレクリエーションもやりやすくなるというもの。
また、場の空気が和やかになれば緊張がほぐれ、それだけ参加者の方もレクが楽しくなっていきます。
是非レクの最初に取り入れてみて下さいね♪
風船バレーサッカー
風船バレーや風船サッカーも老健のレクリエーションにオススメです。
- サッカーは足の機能訓練
- バレーは手は機能訓練
とばかり思われがちですが、運動は私たちが思っている以上に全身の筋肉を使っているものです。
参加者の方の身体機能を見つつ、バレーとサッカー、一人でも多くの方が参加できる方を選んでもらえればと思います。
風船は軽いのでけがの可能性も低く、また体力の落ちている方であっても気軽に参加できるというのもこのレクの大きな利点の一つです。
普段おとなしい方、レクに消極的な方であっても風船バレーやサッカーのように気軽に参加できるレクを行えば、
「よし、勝つぞ!」
と、普段とは違う一面を見せてくれることも少なくありません。
風船を用いて、楽しく高齢者の方の活性化を目指しましょう!!
老健のレクリエーションを活用しよう!
いかがだったでしょうか?
今回は、老健向けのレクリエーションということで老人保健施設でオススメのレクリエーション6つを紹介させてもらいました。
老健は、在宅復帰を念頭に置いた施設です。
そのためか、ついつい個別リハビリにばかり目が行ってしまいがちですが、レクリエーションも活用方法次第ではいくらでもリハビリが可能です。
また、認知症の予防も在宅復帰には欠かせない項目の一つであり、そういった面を補えるのはレクリエーションならではの魅力です。
「この方には、どういった機能訓練が必要か」
「レクリエーションで働きかけられることは何かないか」
専門職同士で話し合い、老健入居者の方の生活向上にレクリエーションを役立てていって下さいね(^^)