計算問題で頭をほぐそう 今回ご紹介する頭の体操は【計算問題】です! 例題を10問用意して、その全てに何故この問題を出すのかの説明文もつけています。 介護施設の職員の方の多くは 「脳トレの問題ならなんでもいいだろ」 などと […]

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計算問題で頭をほぐそう

今回ご紹介する頭の体操は【計算問題】です!

例題を10問用意して、その全てに何故この問題を出すのかの説明文もつけています。

介護施設の職員の方の多くは

「脳トレの問題ならなんでもいいだろ」

などと漠然と考えて問題やプリントを出してしまっています。

ですが、それでは折角の頭の体操も効果が半減です。

どんな問題にも、必ず意味があります。
その意味を理解して、一人一人の利用者に合った問題を出題していくことが最も重要です。

脳は高齢者だけでなく、若い人であっても使わなければどんどん衰えていきます。

認知症予防のため、とタイトルには書いていますが、これを見た若い方にも是非問題を解いてもらい、凝り固まった頭をほぐしてもらえたらと思います。

第一問

1  6

2   4 8
5  7 9

1~9のうち足りない数字はどれ?

計算問題の前に、まずは、頭のストレッチです。

運動と同じく、頭も準備運動をしてからのほうがよりその能力を発揮してくれるのです。

ちなみに、この問題の答えは…3です。

第二問

1000円をもって買い物に出かけたAさんは、途中のコンビニで500円のお弁当と、150円のジュースを買いました。

この時、お金はいくら残っているでしょうか?

文章問題です。

ただ、例題をそのままで使ってしまうと、いかにも子供だましのような気がしてしまいますよね。

その場合は、Aさんを食いしん坊のスタッフ○○さんは、仕事帰りに肉まんを5個買ってしまいました…のように施設のスタッフや関係者に絡めて問題を作ってみてください。

利用者の方も面白がって問題を解いてくれますよ。

ちなみに、問題の答えは350円です。

もし、消費税まで考えて計算してくれた猛者がいれば、それはそれですごくいい頭の運動になっているのでその場合は特に助言せず、素直にお疲れ様の意を伝えておきましょう。

色々な発想で問題を解く方がいます。

そのすべてが、ある意味では【正解】なのです。

正しい答えを出すことが正解ではありません。
後述しているのですが、問題に取り組んでもらい、頭を使ってもらった時点でそれはもう正解と言えるのです。

第三問

2+3=

脳トレ、頭の体操等様々な問題がありますが、どんなものであれ簡単な問題から始めるのが基本です。

簡単な問題には、

  1. 問題を解くことで自信をつける
  2. 頭をほぐす
  3. 繰り返し簡単な問題を解くことで、習慣的に頭を使うようインプットする

等の効果が期待できます。

第四問

4+7=

一桁+一桁=二桁の問題は、少し難しくなりますが、これもウォーミングアップとして十分使える問題です。

二桁の計算問題は、一つの基準にもなります。

この問題が難しいなら、一桁の簡単な問題をしばらく行い、徐々にレベルを上げていくことを目標に頑張っていくのがいいでしょう。

第五問

5+2=

数字の順番を変えるだけでも、意外と頭をほぐすのに役立ちます。

第六問

6-3=

これもウォーミングアップの問題です。
ただ、足し算、引き算、とばらばらに問題を出すのは、意外と難しいものです。

リハビリを始めたばかりの方や、認知症の方が脳トレとして行う場合には、

足し算数問⇒引き算⇒掛け算…のように同じ種類の問題を並べて出題することをお勧めします。

繰り返しますが、一番大事なことは、簡単な問題を解くことで自分に自信をつけてもらうことです。
まずは簡単な問題を解いてもらい、レベルと確かめ、それに合った問題を提供していくことが重要です。

第七問

10-6=

二桁-一桁です。
ちょっと難しいですが、これもウォーミングアップ兼どの程度の問題まで解けるかの一つの目安として活用することができる問題です。

第八問

  12
+  8

筆算です。
これは、かなりレベルの高い方向けの問題の一つです。

「普通の問題には飽きた」

「子供みたいなことはしたくない」

という方も、デイの利用者の中には当然おられます。
そういった方には、こういった問題を試してみてください。

意外と忘れがちな問題ですが、筆算は解ける方にとってはかなりいい頭の体操になります。

是非試してもらってください。

第九問

5□2=7

□に入る記号は+か-、どちらか答えなさい。

計算を解くのではなく、答えが何かを答えてもらう問題です。

計算を解く際に使う脳の場所と、記号が何かを考える際に使う脳の場所は異なります。

脳の色々な場所を使うことは、脳の活性化につながります。
計算問題だけでなく、こういった少し趣向を変えた問題もどんどん出題していきましょう。

第十問

5+8+3=

3つの数字を使った問題です。

これも、かなり難しい問題です。
この問題を出す場合には、例えば8+3-4のように+と-の両方が入った問題を出すのは極力控えましょう。

認知症の方はもとより、普段あまり計算などしない高齢者に方にとっては意外に難しく感じてしまう3つの数字を使った問題。

高齢者の方が「私、こんな問題もできないんだ…」と自信を失ってしまっては元も子もありません。

難しい問題よりも、シンプルで、考えれば必ずできる問題を作ることにこそ気合を入れて作りましょう。

楽しく頭の体操をしてもらう

高齢者の方に行ってもらう問題で一番大事なのは、皆さんなんだと思いますか?

問題の質?数?上手なとき方の教え方?

いいえ、違います。

【問題を解いてもらうこと】です。

どんな素晴らしい問題でも、認知機能の改善に効果があるとしても、解いてもらわなければ何の効果もありません。

逆にどんな簡単な問題であっても、毎日積み重ねれば必ずその効果は徐々にでも現れてきます。

そのためにも、介護職員が考えるべきことは【どうやったら問題に取り組んでもらえるか】です。

そのための工夫の一つが、今回あげた例題のように、様々な問題を解いてもらうことです。

子供のころ、計算問題ばかりのプリントを見て嫌気がさしませんでしたか?

それは、年を取っても変わりません。
いくら脳に良いとわかっていても、毎日毎日同じような計算問題を解かされるなんて多くの方にとって苦痛でしかありません。

いろいろな工夫をしましょう。

問題の出し方を変えてもいいです。

点数が高い人に景品や症状を贈呈するのもいいかもしれません。

数字に色を付けて、カラフルな問題にすれば、気分が高揚し、問題も楽しく解けるかもしれません。

事務をしていた方などがいた場合、電卓を使ってもらうのもいいかもしれません。

回想法としての効果も期待できますし、計算脳+道具を使うための脳の二つを同時に使用することができるので脳の活性化も期待できます。

どんな小さな工夫でもいいのです。

その小さな積み重ねが高齢者の方の頭の健康につながります。

どんどん工夫を考え、実行していきましょう!