超えると越える、読みは同じ「こえる」ですが、使う場所は異なります。今回は、超えると越える、それぞれの持つ意味の違いや使い分けについて例題も交えつつ説明していきます。
超えると越える、読みは同じ「こえる」なのに、漢字は違います。
すると、当然それぞれの単語が持つ意味も変わってくるので、使い分けを行う必要が出てきます。
今回は、同じ言葉なのに意味の違う単語
超える
と
越える
この二つの意味の違いや使い分けについて説明していきます。
超えるの意味
まずは、超えるの意味から説明していきます。
超えるを辞書などで調べると、概ね
- ある範囲を抜け出す
- 数量・基準・限度を上回る
- 一般の物事から大きくかけ離れている
- 程度が甚だしい様子
といったものが書かれています。
これらの意味から分かる超えるの意味は・・・
ある一定の範囲を飛び出した状態や様子
を示しているということです。
一番わかりやすい範囲といえば、やはり数字です。
- 最高気温が30度を超える
- テストの平均点が65点を超える
- 貯金額が1000万円を超える
等、数字が示す範囲を超えた時に使われることが最も多い単語です。
とはいえ、これ以外にも超えるという単語が使われたところを見た覚えもあるでしょう。
それは、数字以外の枠を超えた時です。
- この人の発想は、僕の想像を超える
- 体力の限界を超える戦い
- この問題は私の理解を超えている
このように、超えるは数字等なんらかの『枠』を超えた時に用いる漢字のようです。
越えるの意味
続いては、越えるについてです。
越えるを辞書などで調べた場合に出てくる意味は
- 場所・時間を越える
- ある地点を越える
- 物事の範囲や程度を越える
- 標準を越える
とありました。
これらの意味合いと、普段用いる漢字などから考えた時出てくる越えるの意味は、
何らかの境や妨げとなるものを越える
と取ることができます。
例として、
- とても高い障害を越えて目標にたどり着く
- 寒い冬を越して、暖かい春がもうそこまで来ている
- 彼の料理は趣味の範疇を越えている
- 彼は病気の峠を越え、現在は快方に向かっている
等、時間や障害・場所などを越える際に用いる文字として覚えておけばいいでしょう。
超えると越えるの使い分け
ここまで紹介したのが、超えると越える、それぞれの言葉の使い分けについてです。
書く文章によって、どちらの越えるを多用するかは変わってくるはずです。
なんとなく理解したけど、やっぱりどちらの漢字を使ったらいいかわからないかも。
おそらく、こういった方が多いと思います。
・・・実は私もです(笑)
辞書の説明って、正しいことを書いているのですがどうしても少し難しく書きすぎているんですよね。
ですから、もっとシンプルな形で使い分けを表現してみました。それは、
超えるは数字に関する文章で用いる言葉
越えるは場所や物事などで用いる言葉
です。
介護記録で使用するケースを想定する場合、熱や血圧について書くときが多い介護士は、基本的に超えるの方を使用すると思っておくのが良いでしょう。
- 最高血圧が180超えた
- 熱が39度を超えてまだ上がっている
という風に、超えるの方をメインで活用する機会が多いです。
二つ合わせて・・・
いかがだったでしょうか?
今回は、超えると越えるの言葉の使い分けについて説明していきました。
最後に、この二つの言葉を合わせた言葉を紹介しておきます。
それは、
「超越」
です。
意味は、
- ずば抜けていること
- 常識の範疇をはるかに超えていること
です。
時間や場所等を飛び越える二つの言葉を足した言葉は、やはりずば抜けて色々なものを超えていく言葉になるようです。