生きがいの重要性 高齢者に限らず、人間にとって生きがいはとても重要なものであるのは言うまでもありません。 毎日の生活が苦痛で、楽しくもないものばかりだったら嫌でたまりません。 「仕事はきついけど、帰ったら彼女が待っている […]
生きがいの重要性
高齢者に限らず、人間にとって生きがいはとても重要なものであるのは言うまでもありません。
毎日の生活が苦痛で、楽しくもないものばかりだったら嫌でたまりません。
「仕事はきついけど、帰ったら彼女が待っている」
「受験勉強は嫌だけど、大学に受かったら夢に近づくんだ」
このように、人は何らかの生きがいや目標があるから頑張れます。
人間にとって欠かすことのできない重要な要素、【生きがい】
その中でも、特に高齢者にとって生きがいは重要な意味合いを持っています。
生きがいの喪失
若い人たちの生きがいが人生をよりよくするためのものならば、高齢者の方にとって、生きがいはそのまま生きる意味につながります。
多くの高齢者の方は、仕事も退職し、子供たちも独立しているのではないでしょうか。
男性の多くは
「仕事こそ生きがい!」
と考えています。
昔よりこの傾向は減ったとは言われていますが、今でも多くの男性にとって、仕事は人生で最も重要なものとして位置付けられています。
そのため、仕事を退職してしまうと急にやることがなくなり、自分が何をしていいのかがわからなくなるそうです。
趣味などに充てる時間もすべて仕事につぎ込んでしまっているため、退職し、時間ができると自分が何をしたらいいのか分からなくなるといったことも…
仕事という生きがいが、自分の人生から急に消えてしまって困惑してしまうのです。
また、女性の方に多いのは子供が独立した際に自分の生きがいをなくしてしまうということです。
今では男性も育児に協力することも増えていますが、それでもまだまだ女性こそが子供にとって一番頼れる存在であることは揺らぎません。
そしてそれは同時に、母親にとっても子供こそが最も重要な存在であると言えることなのです。
いわば、子供を大切にしている母親にとっては、子供こそが生きがいとなっているのです。
そのため、子供が独立してしまうと急に胸に穴が開いたように感じてしまい、落ち込んでしまうのです。
こうして、高齢者の方の多くは60歳前後を境に今まで持っていた生きがいを喪失してしまうのです…
高齢者の生きがいとは
ですが、生きがいとは【仕事】【育児】だけでは決してありません。
寧ろ、それ以外の生きがいのほうが数ははるかに上です。
生きがいとは、『楽しみ』であり、『目標』であり、毎日をきれいに彩ってくれるための欠かせない要素です。
それでは、高齢者の方にとっての生きがいとは何でしょうか?
少し考えてみてください…
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いかがでしょうか?何が思いつきましたか?
ゲートボールや朝のラジオ体操などを思いついた方、正解です。
友達の家でお菓子を食べながら話をするのが生きがいと思った方はいますか?
それも正解です。
趣味で通っている地元のクラブ活動は当然生きがいの一つですし、囲碁や将棋を打つのが楽しみだというのも素晴らしい生きがいです。
ご主人との旅行が大好き、なんて方は素晴らしい生きがいをお持ちですよね。
要するに、すべてが生きがいなのです。
その活動が楽しければ生きがいであり、趣味であり、私たちの生活を豊かにしてくれるものなのです。
特に、高齢者の方は仕事や育児がなくなると急に外に出なくなることもしばしば。
ですので、こうした外に出て何かをする機会を作れる生きがいはとても重要なものになるのです。
高齢者の方は生きがいを作りやすい
高齢者の方は、退職し、子供が独立したことで大きな変化が一つ訪れます。
それは、
自分の時間が増える
ということです。
自分の時間が増えるということは、考え方によっては暇な時間、退屈な時間が増えるだけとも取れてしまいます。
ですが、生きがいを持っている人にとっては
「これからは自分の好きなことにもっと時間を向けよう」
とも考えることができます。
時間が多い、ということはそれだけ生きがいを作りやすいともいえます。
スポーツにせよ、旅行にせよ、クラブ活動にせよ、どうしても時間的な縛りは存在します。
特に、団体で活動するクラブ活動などは、自分ひとりの都合で活動時間を変えることができません。
そのため、仕事や育児があると満足いくまで参加できない、という思いをした方もいるのではないでしょうか。
ですが、高齢者の方はそういった縛りは若いころに比べてかなり少なくなっているはずです。
時間の融通もある程度効くようになっているはずです。
そういった利点を利用していけば、いくらでも生きがい発掘や趣味に時間を振り分けることができるのです。
実際、私の通っている卓球クラブでは、60歳を過ぎて定年になった方が多いときで
「ワシは週8回は練習しとるんじゃ」
と笑って教えてくれました。
…一日に2回以上練習する日もあるそうです。
とても卓球が上手で、私も10年以上現役で卓球を続けているのですがいまだに歯が立ちません。
というより、退職して時間ができた分、50代の頃以上に練習して、遥かに強くなっているのですから驚かされます…
このように、空いた時間を生きがいに向ければいくらでも人生は楽しくなっていくのです。
生きがいがもたらす利点
最後に、生きがいがもたらす私たちへの利点を少し説明します。
本来生きがいは楽しみであり、人生をよりよくするためのものですのでこういった考え方はあまり好きではないのですが、生きがいを持つことは高齢者の方にとって確かな利点があるのです。
認知症予防
まずは、認知症の予防です。
生きがいを持つと、他者との交流が増えます。
認知症は、一人で家で閉じこもっている方に多く見られるのはご存知だと思います。
それだけ、認知症予防を考えるうえで他者との交流は必要不可欠のものなのです。
また、外に出るということはそれだけ歩く機会も増えますよね。
スポーツが趣味という方は家にいるときとは段違いに運動量も増えることでしょう。
歩く、つまり足を地面につけて刺激を受けることは、脳の活性化に大変有効です。
骨折などにより歩くことをしなくなっただけで、何倍も認知症になるリスクが高くなるという調査結果も出ています。
それだけ足からの刺激は脳にとって効果的なのです。
また、運動事態も大変認知症予防に役立ちます。
運動には
- 全身の血流を良くする
- ストレスの解消
- 肥満解消
- 他者との交流
等など様々な健康にいい効果が期待できます。
これらすべてが認知症よぼ応には欠かせない要素です。
うつ病予防
高齢者の方に怖い病気の一つとして『老人性うつ』があります。
仕事の定年などの生活の急激な変化やそれに伴うストレスが要因の一つともいわれているこの病気は、一度発症するとなかなか治らず、また再発の危険もある恐ろしい病気です。
頭痛や耳鳴り、体がだるいなどといった身体的な問題や、気分がふさぎ込む、何もやる気が出ない等の精神的な問題も発生してしまいます。
恐ろしい病気ですが、この病気は予防することが可能です。
その方法は、毎日の生きがいを持つことです。
生きがいを持ち、毎日を充実したものにしていれば、うつ病になる確率は大幅に減らせるという研究結果が既に存在しています。
また、他者との交流は認知症だけでなく、うつ病予防にも最適な方法です。
自分の中に溜まったストレスは早い段階で他社に話してしまえばいいのです。
ため込まず吐き出して、生きがいを通じて気分をリフレッシュする。
これだけで、心身ともに健康な毎日を迎えることができるようになります。
自分だけの生きがいを
生きがいは、人それぞれです。
「○○の生きがいを持つのがいい!」などといったルールは存在しません。
好きなことを生きがいにしていいのです。
誰にも恥じることなく、本当に好きなことに没頭していいのが生きがいを持つことの素晴らしさです。
皆さんも、自分だけの生きがいを探してみてくださいね。