高齢者の方のリハビリにもなるレクリエーションを紹介しています。腕や足、心肺機能や認知機能・脳トレなどレクリエーションを通して楽しくリハビリを行っていきます。
今回は、リハビリにもなるレクリエーションについて紹介したいと思います。
多くの施設では、
- レクリエーションはレクリエーション
- リハビリはリハビリ
とあくまで別物として扱われています。
ですが、私はこれを凄くもったいないことのように感じます。
レクリエーションをしながらリハビリができれば一石二鳥と思いませんか。
デイサービスなど限られた時間しか通えない高齢者の方にとって、少ない時間でレクとリハビリ両方が行えるのはかなり大きいメリットのはずです。
リハビリとレク、両立できれば高齢者の方はもちろん、介護士の方にとっても時間を上手に活用するうえでお役に立てるのではないでしょうか。
そこで今回は、リハビリにもなるレクリエーションについて紹介していきます。
リハビリになるレクリエーション
それでは早速紹介していきます。
今回はリハビリにもなるレクリエーションについてです。
とはいえ、
「このレクはリハビリになります!」
といわれても、それがどこのリハビリになっているのかわからなければ意味はないですよね。
そこで今回は、各レクリエーションごとにどんな部分もリハビリになっているのかもしっかりと紹介しています。
- 腕
- 足
- 心肺機能
- 認知症予防
- 脳トレ
当然ですが、機能の維持・強化を行いたいところは人によって異なっています。
参加する高齢者の方たちのニーズに合ったレクリエーションを選択して行ってもらえればなと思います。
それでは、リハビリレクリエーションの紹介スタートです!!
色々ボール投げ
まずは色々ボール投げです。
このレクは主に握力や腕の筋力に効果的です。
レクリエーションの内容自体はとっても簡単で
- 的となる入れ物を用意
- 高齢者の方たちの前にいろいろな種類のボールを入れたカゴを用意
- カゴの中からボールを取りだし、的めがけて投げる
これだけです。
玉入れの要領で入った球の数を競ってもらうとゲーム性が出てみなさんとても盛り上がります。
何故このレクがリハビリになるのか・・・
それは、いろいろな種類のボールを扱うからです。
ピンポン玉とビニールボール、当たり前ですが大きさも重さも違います。
ですがこれ、違いはそれだけではないんです。
違う種類のボールを投げる際、ボールをつかむときや投げるときに使う筋肉も異なっているんです!
そのため、このレクリエーションを行うことで知らず知らずのうちに握力や腕全体を活用することになります。
この動作が高齢者の方たちに無理のない範囲でのリハビリを可能としてくれます。
飛ばせ!スリッパ飛ばし
お次はスリッパ飛ばしです。
皆さんも子供のころに試したことがあるのではないでしょうか。
- スリッパをはいてもらう
- 思いっきり飛ばす
たったこれだけです。
とってもシンプルなルールなので、多くの方に参加してもらえるかと思います。
また、ルールの方も
- 飛距離を競う
- 狙った的に当てる
等変えていけば、身体能力の差に関係なく参加した高齢者の方全員が盛り上がれます。
このレクリエーションでは、脚力はもちろんですが
- 腹筋
- 背筋
も実は鍛えられます。
今スリッパ飛ばしができるなら、ポーズだけでも行ってみてください。
おそらく、遠くに飛ばそうとした際背筋や腹筋を用いなければ力が入らず、また体勢も保てないはずです。
このレクの素晴らしいところは、意識しなければこれらの事に気づかないという事です。
「腹筋を鍛えましょう!」
といわれても、なかなかモチベーションは上がりませんよね(^^;)
ですが、
「レクリエーションをしましょう」
なら、楽しい時間を過ごせる方も大勢います。
そして、楽しみながら知らず知らずのうちにリハビリにもなっている。
これこそが、リハビリにもなるレクリエーションの真骨頂です(*’▽’)
的を倒せ
お次は、的を倒せです。
簡単に言えば、よくある的あてゲームです。
少し違うのは、的を倒すというところでしょうか。
そう、当てるのではなく【倒す】。
これがこのレクリエーションのポイントです。
筋トレでもそうなのですが、筋肉はある一定以上の負荷をかけなければあまり成長しません。
それでも使わないよりはるかに良いのは言うまでもないのですが、リハビリをしようと思うなら筋肉に適度な負荷もかけたいところですよね。
そこでこのレクです。
的を倒そうと思うと、当然ながらある程度強い球を投げる必要があります。
そして、強い球を投げるという事は、力を入れるという事でもあります。
この時、
- 腕
- 肩
はもちろんの事、
- 強い球を投げるために腰をひねる
- 体勢を保つため腹筋・背筋を使う
といった具合にいろいろな筋肉を用いているんです。
しかも、力を入れているのでどの部位にも適度な負荷がかかっています。
球を投げるだけですが、こうしたシンプルなレクリエーションこそがもっともリハビリ効果が高いものといえるのかもしれませんね。
ちなみに、的はあまりに重いと動かずにやる気が無くなっちゃうので、適度な重さのものを用意しましょう。
個人的には、段ボールで十分だと感じています。
軽すぎるようでしたら、段ボールの中に重しとなるものを入れて調整してください。
この段ボールを椅子の上に乗せたら準備OK。
あとは、
- 球を高齢者の方に配る
- 段ボール目掛けて投げる
- 落とすまで続けてもらう
これだけです。
シンプルゆえに夢中になり、夢中になっているからこそリハビリの効果も高くなります。
ただし、あまり夢中になって力を入れると腕や肩を痛める恐れがあります。
最初に準備運動をしっかり行い、けがの発生などは絶対に防ぐよう予防策を万全にしておきましょう。
早口言葉
お次は、早口言葉です。
こちらは脳トレ、つまり認知症予防や改善に役立つのは想像できるかと思います。
ですが、その他にも意外なところの機能強化に役立ちます。
それが
心肺機能
です。
早口言葉を言おうとすると、どうしてもある程度文章が長くなってしまうため息を大きく吸い込む必要が出てきます。
大きく吸って、深く吐く
これ、心肺機能を強化するうえで最も基本的であり、重要なことなんです。
この呼吸を深くする方法なら体には負担をかけることなくある程度肺の機能を改善することも可能です。
そして、心肺機能が向上すれば体全体に酸素が行き渡り、自然と元気になっていきます。
もちろん、酸素が多く行き渡るので脳機能にも良い効果が期待できます。
早口言葉というと若い人向けのゲームと思われがちですが、実はリハビリとしてもとっても役に立つんです。
是非覚えておいてくださいね♪
早口言葉のネタに困った際には、
を参考にしてください。
若い人から高齢者の方まで幅広く楽しめるお題をたくさん用意しています(*’▽’)
ジェスチャーゲーム
もう一つ、認知機能の改善に役立つリハビリレクリエーションを!
それは、ジェスチャーゲームです。
お題を見て、答えを想像する必要のあるジェスチャーゲームは、脳トレ効果の高いレクリエーションです。
同じことを脳トレとしてやろうとすると、
「頭が疲れる」
「しんどい」
となってしまいますが、
ジェスチャーゲーム、つまりレクリエーションやゲームの一種として捉えると、不思議とあまり辛さを感じないのです。
これがレクリエーションのいいところですよね。
楽しく行う、というのは実はリハビリにもとても有効なんです。
つまらないことをやっていると、気が乗らないため脳も活発に働かず、結果的に体も十分に機能しません。
ですが、楽しいことを行う際には熱中し、脳もフル回転でこの楽しい時間をもっと満喫しようと働いてくれます。
これが結果的にリハビリ効果を高め、体の機能をどんどん高めてくれるのです。
また、ジェスチャーゲームのお題を行ってもらうのもオススメです。
ある程度の認知機能・体力のある方限定にはなりますが、体を動かしながら頭を使うため脳トレとしての効果もぐんと高くなります。
うまくお題を選べば高齢者の方にも大人気となるジェスチャーゲームレクリエーション。
是非一度、試してみてくださいね。
レクリエーションで楽しくリハビリを!!
いかがだったでしょうか?
今回はリハビリにもなるレクリエーション5つを紹介させてもらいました。
見ていただいた通り、レクリエーションもうまく活用すれば十分にリハビリとしての機能を発揮してくれます。
大事なのは、
このレクリエーションはどこのリハビリに活用できるか
というのをしっかりと理解しておくことです。
闇雲にレクリエーションを行っても、期待したリハビリ効果を得ることはできません。
「何故このレクリエーションを行ってもらうのか」
この事をしっかり念頭に置き、取り組んでもらえたらなと思います。
「リハビリはしたくない!」
と訴える高齢者の方は案外多いものです。
このレクがそんなリハビリ嫌いな方たちが楽しくリハビリを行っていくためのきっかけになれば幸いです。