膵臓がんの末期症状について、あなたはご存知ですか?膵臓がんは早期発見がほかのどの病気よりも大事とされています。その症状、末期状態になったときの余命・5年生存率、襲ってくる痛みの場所は?最新の治療法と家族にできることまですべて含めてお伝えします!!
高齢者の方に、膵臓がん末期の患者を時折見かけます。
ですが、その情報はあまり出回っておらず、末期症状や余命、家族に何ができるのかなどほとんどわからないこともあるそうです。
今回は、患者本人と家族に膵臓がんの末期にはどういったことが起こるのか理解してもらうために余すところなく膵臓がんという病気について解説していきたいと思います。
膵臓について
他のがんと比べるとやや注目されることが少なく感じる膵臓がんですが、当然恐ろしい病気の一つです。
ですが、どういったものなのかあまり知られていないような印象を受けます。
そこでまずは簡単に膵臓と膵臓がんという病気について説明していきます。
膵臓の働き
膵臓は、主に消化を助ける働きを行います。
食べ物を消化するすい液という分泌物を生成し、十二指腸に送り出すはたらきをになっています。
胃液があるんじゃないの?と思うかもしれませんが、胃液だけでは消化は不十分。
膵液があってこそ、食べ物がスムーズに消化され私たちの体内に栄養がいきわたるのです。
さらに、血液中の糖分の量を調節するホルモンを生成し、血液中に送り出すことで体内の糖分のバランスを整える働きもしてくれています。
膵臓ではほかにもホルモンを生成しています。
膵臓で作られるホルモンの主な働きは
- 脂肪をブドウ糖に作り変える
- 肝臓に蓄えられたグリコーゲンという物質を、非常時にブドウ糖に作り直す
- 余分なブドウ糖を脂肪に変換し、体に蓄えさせる
(私たちが「体に脂肪がついた』と言うのも、この働きによるものが大きいとされています。)
目立たないけど、私たちの体の中でもかなり重要な臓器の一つなんです。
そもそも膵臓ってどこにあるの?
これ、実は私も大学で勉強するまでは知らなかったんですが・・・
すい臓は胃の後ろ側にあります。
長さは約20cm、形は細長い細長い形をしています。
小さな粒粒がいくつもくっついていて、薄黄色をしています。
分かりやすくイメージしてもらうと・・・トウモロコシを横にしたものが体の中に入っている、といったところでしょうか?
また、働いているときにはピンク色に変化する特徴を持っています。
がんの王様・膵臓がんとは
膵臓がどんな病気かわかったところで、膵臓がんについてお伝えしていきます。
この記事を読み進めていけば、どうしてすい臓がんががんの王様といわれるのかが理解できるかと思います。
膵臓がんには自覚症状がない
膵臓がんとは、文字通り膵臓にできるがんです。
この病気の恐ろしいところは、初期には自覚症状がほとんどないというところです。
実際に患者さんに調査を実地したところ、病院に受診して膵臓がんを発見するまでの間何一つ自覚症状がなかったという患者さんが約2割もいたそうです・・・
発見しにくさに拍車をかけているのは体に表れる初期症状です。
膵臓がんを発症すると、腹痛や食欲低下、体重減少、背中の痛み、黄疸などの症状が徐々に表れるようになります。
ですがこれらの症状、見てのとおり疲労や体調不良、他の病気でも同じような症状が現れてしまうため自分がすい臓がんかどうかの判断が非常につけにくいのです。
また、これは膵臓がんだけでなく急性膵炎・慢性膵炎といった膵臓の病気全般に言えることなのですが、一時的に症状が治まることがあるのです。
ですが、これは病気が治ったわけではなくあくまで一時的に症状が治まったに過ぎないのです。
実際には体の中で着々と病気が進行しています。
怪しい症状が現れた場合にはすぐに病院を受診しましょう。
膵臓がんの症状
次は、膵臓がん発症によって私たちの体を襲う様々な症状についてです。
大きく分けて、急激な症状と慢性的な症状の二つに大別することができます。
急激な症状
膵臓がんでは、何らかの要因で急激に症状が襲ってくる場合があります。
その多くは飲酒や脂肪分の多い食事といった消化を担う膵臓に過負荷をかけてしまったために起こってしまい、食後数時間程して体をその症状が襲います。
よく言われている症状としては
- 背中を襲う激痛
- 吐き気・おう吐
- 鳩尾からお腹の左上当たりにかけての広範囲を襲うひどい痛み
です。
また、がんにより弱っている膵臓に無理をさせたために膵臓が炎症を起こしてしまう場合も・・・
その場合には膵臓の炎症が治まるまでの約数日、以下のような症状が私たちを襲います。
- 40℃近い、あるいはそれを超える高熱
- 下痢や胃もたれ、お腹が張るといった胃腸関連の不調を表す症状
- 白目や皮膚に黄疸が発生
特に高熱と黄疸は明らかに体が発しているSOS信号です。
すぐに病院を受診して精密検査をしてもらうことをお勧めします。
慢性的な症状
先ほど書いたように、膵臓がんの初期にはほとんどその症状は体に現れません。
そのため、体の調子が悪いのかな?程度の認識で見落とされがち・・・
ここに、膵臓がん初期に起こる症状を書いておきますので、もし複数思い当たる節があればすぐに病院へ行きお医者さんに相談してもらえたらと思います。
- 背中や鳩尾~お腹を襲う痛みが慢性化し、かつ痛みが日を追うごとに強くなっている
- 食欲低下の低下の慢性化
- 特に理由のないにもかかわらず、体重減少が続く
- お腹の不調やからくる、全身を襲う倦怠感
体重減少が続く、体を慢性的に痛みが襲うといった状態は明らかに健康な状態とはかけ離れています。
膵臓がんではないにしろ、何らかの病気にかかっている可能性は高いでしょう。
膵臓がんを引き起こす原因には、
- 糖尿病
- 肥満
が考えられています。
これらは生活習慣病として現代でも大きな問題となっているものです。
規則正しい生活を送り、適度な運動をすれば防げるとは言いますが・・・正直難しいのが現状なのではないでしょうか。
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膵臓がん末期の症状
ここまでで、膵臓の機能、そして膵臓がんになるとどのような商事唖起こるのか理解してもらえたかと思います。
それでは、いよいよ膵臓がんが進行し、末期になるとどのような症状が起こるのかをお伝えしていきます・・・
膵臓からのインスリン分泌低下、それに伴う糖尿病の発症
膵臓にあるランゲルハンス島という場所から分泌しているインスリンは、糖尿病と深く関連しています。
ですが、膵臓の機能が低下しインスリンの分泌量が不安定になってしまうと、体内の血糖値がコントロールできず、糖尿病を発症してしまうのです。
急激な体重減少、低血糖による意識消失
糖尿病の特徴の一つとして、体重減少が取り上げられています。
また、膵臓がんにも食欲減退、体重減少の症状があるため、それらが重なり急激に体重が減少してしまうと言われています。
また、糖尿病が進行すると低血糖という症状が起きてしまいます。
すると突然意識が消失、つまり気を失ってしまうことも・・・
排泄物異常
膵臓の機能が低下するわけですから、膵臓が分泌している膵液、つまり食物の消化を助ける液体の分泌量も低下してしまいます。
その影響がはっきりとわかるのが、便の変化です。
通常の便に比べると
- 色が明らかに白い
- 匂いが異常にきつい
- ひどい下痢便が続く
などの症状が出てくるようになります。
末期患者の方やそのご家族の声で最も多く聞こえてくるのは急激な食欲不振・体重減少が見られたということでした。
やはり消化に関連している臓器だけにそういった症状が出やすいのでしょうか。
余命は・・・
膵臓がんになったとして、その余命はどれくらいなのでしょうか?
1年?3年?それとも・・・
5年生存率
実は膵臓がんは患者数≒死亡者数といわれるほどその死亡率は高い病気です。
男女ともに治療が最も難しい病気とされており、『がんの王様』の異名で恐れられています。
その5年生存率は・・・
ステージⅠ―57%
ステージⅡ―44%
ステージⅢ―24%
ステージⅣ―3~11%
ステージⅠといわれるかなり初期の状態で発見された場合でも、その5年生存率は60%を切っているのです。
胃がんのステージⅠで発見した場合の5年生存率が90%を超えていることからも、この数字がどれだけ恐ろしいものかわかっていただけるかと思います。
治療方法
膵臓がんの治療方法や大きく分けて5つです。
順を追って説明していきます。
手術による治療
すい臓がんを根治させるためには、手術でがん細胞に侵された部分を完全に切除する必要があります。
しかし、すい臓がんはその初期症状のなさから発見が遅れ、発見した時にはかなり重症化していることも珍しくありません。
そのため病巣を発見した時点ですでに手術不可能なまでに進行していることも多く、膵臓がん患者の中で外科手術を行えるのは患者全体の20~30%程度しかありません。
化学療法
化学療法とは、わかりやすく言えば薬による治療のことです。
主に使われる薬としては
- TS-1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)
- ジェムザール(塩酸ゲムシタビン)
- タルセバ(エルロチニブ塩酸塩)
という抗がん剤があげられます。
この中で内服薬はTS-1のみ、ジェムザールとタルセバは点滴によって体内に直接投与されます。
膵臓がんはもともとは抗がん剤が効きにくい厄介ながんでした。
しかし、2001年にジェムザールが認可されて以降は生存率が格段に向上したといわれています。
また、点滴による服薬も入院が必要なく、外来にて治療ができるのもこの化学療法の大きなメリットと言えます。
放射線療法
局所進行型の膵臓がんの場合、放射線による治療が行われる場合もあります。
医療機器により体の外から放射線を当て、がん細胞を死滅させることを狙いとしてます。
免疫療法
この免疫療法はまだあまり知られていませんが、将来的にはがん治療の新しい方法として取り入れられることが期待されています。
方法は簡単で、薬により人間が本来持っている免疫機能を活性化する事から始まります。
活性化した免疫細胞にがんへ攻撃してもらい、がん細胞を死滅。
その後、人間が本来持つ自然治癒能力をフル活用し細胞を治癒していくことを目的としています。
これまでの医学的な考え方とは大きく異なり、人間のもともと持っている自然治癒力に着目した点で大変画期的ともいえる治療法です。
抗がん剤と違って副作用がほとんどないのもこの治療法の大きなメリットです。
現在一部の医療機関ですでに実証化されてはいますが、その料金は高額です。
支持療法
支持療法、とありますがこの治療法はがんを治すためのものではありません。
患者のがんによる痛みや苦しみ、不安や恐怖といったものを取り除くことを目的とした治療法です。
モルヒネ、という薬を聞いたことがあるでしょうか?
非常に強い痛み止めで、依存性があるために使用は医師の指示の元でのみ行われます。
こういった薬を用いてがんの痛みや辛さを極力抑え、少しでも長く楽しい毎日を過ごしてもらうこと。
これこそが支持療法のゴールともいえます。
最近よく聞かれるQOL=クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を重視した考え方です。
がんの治療を目的とするのではなく、がんによる痛みや苦痛をなくし残された時間をその人がより良く過ごせるように支援を行うことを第一と考えた治療法です。
痛みはあるのか
支持療法でも書きましたように、膵臓がんにも痛みはあります。
その痛みは耐えられないほどといわれています。
膵臓がんの場合は特に痛みが現れるのが背中から腰にかけてです。
末期の膵臓がん患者となると痛みが強すぎて、鎮痛剤を飲まなければ動くこともままならないそうです。
家族にできること
最後に、残された家族にはいったい何ができるのでしょうか?
私たちにできること、それはきっと膵臓がんに苦しむ大切な家族や友人の心に寄り添うことです。
私たちは医者ではありません。
病気を治すことはできません・・・
だからといって何もできないのかというと、決してそんなことはありません!!
体を治すことはできなくても、膵臓がんの痛みや恐怖に襲われ、疲れ切った心を癒してあげることはできます。
心を癒してあげられるのは、医者ではなく、私たち家族です。
膵臓がんの末期症状は、本当につらいものです。
食欲不振、体重減少、背中や腰から襲ってくる激痛・・・
これだけで体はボロボロです。
それに輪をかけるように、余命は短く、治療も困難な病気とされています。
膵臓がんという病気が最も恐ろしいのは、がんの症状や特性そのものではなく、治療法がないという絶望で患者の心を沈み込ませてしまうことかもしれません。
私は介護士として多くの高齢者の方を見てきました。
その中には、不治の病に侵された方たちもいました・・・
その中でも、まるで病気などないかのように笑っている方もいます。
そういった方たちに共通しているのは、家族が密に会いに来ていること、これだけです。
末期の患者と会うのは、家族としてもつらいものがあります・・・
もしかしたら、元気だったころとかけ離れた姿を見るのが辛くて会えない、という方もいるかもしれません。
ですが、どうかご家族に皆さんの元気な姿を見してあげてください。
辛い気持ちを抑え、どうか笑顔で話を聞いてあげてください。
家族の笑顔が、家族との会話が何よりの薬です。
私たちにできる唯一の、そして最大の治療は家族として、あるいは友人として残された時間を少しでも楽しい時間に変えていくことなのですから。