肝硬変の末期患者の余命って、いったいどれくらい残っているのでしょうか?末期症状ってどういったものがあるのでしょうか?肝硬変の末期にはどういった治療が行われるのか・・・数々の情報がいまだ不十分です。肝硬変末期の余命と症状、治療方法を詳しく見ていきます。
高齢者の方に多い病気の一つ、肝硬変。
その末期になると、いったい余命はどれくらいあるのでしょうか?
どんなに健康に気を使っていても、病気になることはあります。
大事なのは、病気になったとき残りの寿命を考え、精一杯自分が満足できる人生を過ごすことです。
始めに~肝硬変ってどんな病気?~
まず最初に、肝硬変はどういった病気なのかを簡単に説明しておきます。
肝硬変とは、肝炎やアルコールの多量接種、薬物による副作用等の原因により肝臓が炎症を起こす所から始まります。
そこから徐々に症状が進んでいき、最終的には肝臓が小さく、岩のように固くなってしまう恐ろしい病気です。
この肝硬変という病気は非常に重症化しやすい病気の一つです。
というのも、他の病気に比べて自覚症状が少ないのです。
しかも、体に表れる症状も食欲不振や下痢、体がだるいといった体調不良にしか思えないようなものばかりです。
そのため、それらの症状が肝硬変によるものだと気付かずついつい見逃してしまいがち・・・
気付いた時には手遅れなほどに進行してしまっていることも少なくない、恐ろしい病気なのです。
もっと詳しく知りたい方はこちらの記事で解説していますので、是非参考にしてもらえたらと思います。
肝硬変の末期症状
肝硬変の初期症状は先ほど簡単に説明しました。
では、末期症状にはどのようなものがあるでしょうか?
黄疸
肝硬変の症状がかなり進んでくると、まず皮膚や目に黄疸が現れます。
これは、ビリルビンという血液中に含まれる細胞の働きによるものです。
本来は自然に処理されるのですが、肝臓の機能低下により処理しきれず、血液中に多量に残ってしまうため黄疸が多量に発生します。
腹水
腹水もかなりたまるようになってきます。
そのためいつもお腹が膨れていて、頻繁に病院などで腹水を抜いてもらう必要があります。
また、腹水が原因で吐血することもあります。
肝性脳症
更に症状が進行すると現れるのが肝性脳症です。
ここまで進行してしまいますと、ほとんどの肝硬変患者は助からないといわれています・・・
原因
肝性脳症になる原因はアンモニアです。
本来は肝臓の働きによって無毒化されるアンモニアですが、肝硬変が進行し肝機能が低下した状態では体内のアンモニアを解毒しきれません。
そのアンモニアが血液を通じて脳にまで達してしまうことで、肝性脳症になってしまいます。
症状
主な症状としては
- 急に乱暴になったなどの性格変化
- 著しい知能低下
- 皮膚に蜘蛛の巣上の血管腫が発生
- 手のひらに紅斑(こうはん=皮膚表面が発赤している状態)
- 指が太鼓ばちのように太くなる
- 爪が病的に白くなる
などがあげられます。
中でも特に恐ろしいのが、肝性昏睡という症状です。
最初は昼夜逆転、抑うつ、興奮状態などから始まり、徐々に傾眠状態に。
さらに進行すると、最後には刺激に対しても全く反応しない昏睡状態へと陥ってしまいます。
末期患者の死因は?
肝硬変患者の死因はどんなものがあるのでしょうか?
肝硬変の末期なんだから肝硬変でしょ?っと思った方、実は違うんです。
実は、肝硬変患者の死因の多くは肝硬変以外の病気なんです!!
- 肝臓がんや肝不全といった感機能低下による肝臓の病気
- 食道静脈瘤の破裂によって生じる消化器官からの大量出血
これらが主な死因だといわれています。
特に注目するべきなのは肝臓がん。
なんと、肝硬変末期患者の死因の約7割が肝臓がんによるものだといわれているのです。
更に、肝臓がんと肝硬変の関連性について詳しいデータが挙げられています。
実に肝臓がん患者の約8割もの方が肝硬変にかかっていたというのです。
肝硬変になるということは、肝臓がんになる一歩手前と考えていいのかもしれません・・・
治療方法
この恐ろしい病気、治療法はないのでしょうか?
かつて不治の病と言われた結核やがんですら治る現代ですが、肝硬変は・・・
治療法が見つかっていません!!
肝硬変の患者は、現在の医学では完治することはできず一生病気と付き合っていくしか方法はないとされています。
ですが、症状を和らげる方法は当然存在しています。
その方法について紹介します。
食事療法
肝硬変の初期には、食事による治療を試みます。
肝臓にかかる負担を抑え、肝機能の回復を図るのです。
と言っても、○○を一切食べるな!!といった難しいものではありません。
肝硬変の食事療法は
- 禁酒
- 栄養バランスのとれた食事
これに尽きます。
恐ろしい肝硬変と言えど初期段階であれば、規則正しい食生活を送ってさえいればこれ以上の重症化を防ぐことも可能です。
入院による治療
- 腹水がたまり始める
- 強烈な吐き気
- 黄疸
これらの症状が現れた場合には、食事療法だけでは症状の改善はあまり見込めません。
そこで、病院に入院し適切な治療を受ける必要があります。
当たり前のことですが、専門家による治療ですのでその効果も高く、症状のこれ以上の悪化を防ぐことも期待できます。
服薬治療
病気の治療といえば服薬治療が一番に思い浮かびますが、肝硬変の症状を改善する薬は残念ながら現代医学では開発できていません・・・
ですが、肝機能低下による様々な症状を改善するための薬は存在します。
お医者さんと現在表れている症状について話し合い、一人一人に合った適切な薬が処方されます。
肝臓移植
日本ではあまりメジャーではありませんが、生体肝移植による治療もすでに行われています。
10年以上前の2004年には、保険の適用範囲が拡大し、肝臓移植する際にも保険が適用されるようになりました。
なお、生体肝移植は肝硬変の中でも、末期の肝不全状態の場合にのみ適用されます。
とはいえ、
- 移植が成功しても予後がよくない
- そもそも肝臓のドナーが少ない
など等問題はいまだ山積みです。
肝硬変末期の余命
末期患者の余命は、当然ですが個人差はあります。
3か月程で亡くなる方もいれば、2年以上生きたという方もいます。
病院によっては、肝硬変の末期患者に対して
貴方の余命は、あと○か月です
とはっきり伝えてくれるところもあるそうです。
いずれにせよ、今回の記事で紹介したような黄疸や腹水といった肝硬変の末期症状が出てしまった場合には残された時間はあまりないということです。
より良い人生、後悔しない人生を
私は、介護士として多くの高齢者の方の最後の時間に寄り添わしていただきました。
その時間は本当に貴重であり、沢山のことを学ばせてもらいました。
その中で学んだ最も大事なことは、人間は生まれてきた以上いつかは必ず死を迎えるということです。
お金持ちも、会社の社長も、芸能人の方も、あるいは一国の主であっても死からだけは逃れることが叶いません。
そこに不平等はなく、ただただ同じ結果です。
前日までとても元気だった方も、次の日にはなくなっていても不思議ではありません。
私たちだって、もしかしたら明日家を出たときに車にひかれて、そのまま死んでしまうこともあり得るのです。
どうか、懸命に生きてください。
余命宣告されたとき、それを否定することに全力を尽くすでしょう。
ですが、それが終わったとき絶望するのではなく、どうか残った日々で何かを成し遂げてください。
以前接した高齢者の方の一人がこんなアドバイスをくれました
あんたは、後悔しないように生きなさいよ
この言葉の裏に、どんな意味があったのかは私にはわかりません。
ただ、私のために、私のことを思って言ってくれたことだけはひしひしと伝わってきたのを覚えています。
命には限りがあります。
その限られた時間で懸命に生きることでしか、後悔しない最期を迎える方法はないのです。
どうか懸命に生きてください。
そのことがきっとより良い人生と、後悔しない最期を迎えるきっかけになりますから・・・
プーまま様
コメントありがとうございます。
僕の記事が、ほんの少しでもお力になれていれば、これ程嬉しいことはありません・・・
ご自愛ください。
ゆーだい