梅干しの賞味期限について解説しています。開封済みのもの、減塩・蜂蜜付けのものはやや賞味期限が短いです。自家製の物は、100年以上持つこともあると言うから驚きです。
梅干しにも賞味期限があるんです!
お弁当の付け合わせの代名詞、と言えば梅干しですよね。
酸っぱくて塩分も強いので、夏にもピッタリの食べ物となっています。
梅干しと言えば、カビが来ないことでも有名なのですが・・・実は、売られている物を中心に、食べる事の出来る期限は決まっているんです。
今回は、梅干しの賞味期限について色々と解説していきます。
梅干しにも賞味期限がある!!
それでは、早速紹介していきます。
今回は梅干しの賞味期限についてです。
梅干しといえば、その塩分濃度から
- カビが来ない
- 腐らない
- お弁当の防腐剤代わり
等、腐らない点への絶対的な信頼が寄せられていました。
しかし、当然ですが梅干しもまた食べ物の一つです。
食べ物である以上、賞味期限というものが存在しています。
それも、私たちが思っているよりも遙かに短いようなのです・・・
最近ではスーパーでもお手軽に購入できる梅干しですが、中には
「自家製の梅干しを食べている」
と言う方も沢山います。
これを読んでいるあなたも、ひょっとしてご自分で梅を漬けているのではないでしょうか。
この記事では、
- 買ってきた梅干し
- 自家製梅干し
それぞれの賞味期限について、詳しく解説していきます。
まずは、市販の梅干しの賞味期限から紹介スタートです(^^)
開封後の梅干し
最初は市販の梅干しの賞味期限から見ていきます。
市販の物は通常、賞味期限がしっかり記載されています。
「それを確認すれば、問題ないのでは?」
と思うかもしれませんが、実はあの記載…未開封の商品に対してのものなのです。
そのため、一度開封してしまった時点で記載された日までその賞味期限が持つとは限らないと言うわけです。
では、一度開封した梅干しは一体どれ位の賞味期限があるのでしょうか。
元々塩分濃度が高く、腐りにくい特徴を持つ梅干しです。
1~2ヶ月ほどであれば問題なく食べることが出来ます。
ただし、それはあくまで一般的な場合です。
- 真夏の暑い時期
- 冷蔵庫に入れ忘れた
- 食事の箸でそのまま梅干しを掴んだ
=菌が付着した
等の場合には、これよりも遙かに賞味期限は短くなります。
また、一度開封した時点で徐々にではありますが酸化による劣化は始まっています。
そのため、例え一週間しか経っていなくても
- 色が変色している
- 酸っぱい臭いがする
- 味がおかしい
等の異変を感じたら直ちに食べるのを中止し、処分して下さい。
「未だ一週間だから・・・」
等もったいなく思う気持ちも分かりますが、食べ物の劣化はあなたの気持ちに関係なく進んでしまいます。
捨てるのが嫌な気持ちは私もよく分かります。
ですから、一度開封した梅干しは早めに食べてしまいましょう。
それが一番良い食べ方であり、正しい梅干しの処分方法なのです。
蜂蜜付け梅干しの賞味期限
最近スーパーで売られている梅干しには、蜂蜜付けの物も存在しています。
甘くて酸っぱさや塩っ辛さも控えめなので、子供でも食べやすい人気商品です。
さて、そんな蜂蜜付け梅干しの賞味期限ですが、通常の物より遙かに短いと考えて下さい。
そもそも、梅干しが長い期間その品質を保つことが出来るのは、その塩分濃度の濃さによる物が大きいです。
ですが、蜂蜜付けにした梅干しは、多くても10%程度の塩分濃度です。
これでは長期間の保存は利かないと言わざるを得ません。
早めに食べきってしまうのが吉と言えます。
「冷蔵庫の中に入れているから・・・」
と思うかもしれませんが、冷蔵庫の性能を過信してはいけません。
食べ物の劣化スピードをゆっくりにしてくれるだけで、冷蔵庫の中に入れたからと言って悪くなるのが止まることは決してありません。
少しでも早く、食べきってしまいましょう。
未開封の梅干しは?
私の家でも時々あるのですが・・・
冷蔵庫の奥に忘れ去られている未開封の食べ物はありませんでしょうか。
梅干しは小さな入れ物に入っているため、簡単に冷蔵庫の奥の方に入っていってしまうんですよね(^_^;)
冷蔵庫の整理をしていて出てきたが、既に賞味期限は過ぎていた・・・
なんて経験がある方も多いはず。
さて、この場合には食べることは出来るのでしょうか。
以前賞味期限について詳しく説明した記事にて書いたのですが、賞味期限は基本的に
『その期間は味を損なうことなく美味しく食べることが出来ますよ』
と言う期限です。
ですから、例え賞味期限を過ぎてしまっていても食べることは可能です。
ただし、風味や多少落ちている可能性は高いですが。
冷蔵庫の中でしっかり保存していた場合なら、1ヶ月程度なら問題なく食べることが出来ます。
塩分濃度が高い梅干しなら、カビが生えておらず臭いも異常が無ければ、3ヶ月ほど過ぎていても大丈夫です。
ただし、
- 蜂蜜付け梅干し
- 減塩梅干し
これらの商品は、普通の梅干しに比べて商品の劣化は早いです。
一ヶ月以内なら食べることも出来ますが、それ以上となると気をつける必要があるといえます。
・・・まあ、一番美味しい食べ方は賞味期限が切れる前に食べることなのですが(笑)
自家製梅干しの賞味期限
さて続いては、自家製梅干しの賞味期限についても見ていきます。
自分で念入りに漬け込んだ梅干しは、少しでも長く食べ続けたいというのが本音ですよね。
しかし、期限が切れてまで食べれるかというと・・・やはり怖くなってしまいます(^_^;)
そんな自家製梅干しの賞味期限は・・・
ありません!!
そう、実は自分で漬け込んだ梅干しには賞味期限が存在していないのです。
昔ながらの伝統的な作り方で作り、塩分濃度20%で漬け込んだ梅干しならなんと!!
数百年物の月日が過ぎてもなお、問題なく食べられるとまで言われています。
元々保存食として作られていただけあって、その保存性能は桁違いです。
冷蔵庫もなかった時代、なんとか長期間食べれるものをと考え作り出された知恵の結晶こそ、この『梅干し』だったのでしょうね。
ちなみに、現存する最古の梅干しと言われている物が奈良県にあるのですが、その梅干しは1576年に漬けられた物なんだそうです。
1576年と言えば、安土桃山時代です。
織田信長や豊臣秀吉が天下取りに燃えていた時代に、人知れず漬けられた梅干しが現代まで残っている。
なんとなく、歴史のロマンを感じてしまいますね(o^^o)
何故梅干しは長期間保存が出来るのか
ここまで、梅干しの賞味期限について色々と解説してきました。
しかしここで、ある疑問が浮かんだ方も少なくないのではないでしょうか。
それは・・・
「なんでこんなに梅干しは保存が利くの?」
というものです。
保存が利く食べ物だと言うことは多くの方が知っていても、その理由までは知られていないことがほとんどです。
文章の中で塩分濃度の濃さが賞味期限に影響しているとお話ししましたが、それも長持ちする一因となっています。
梅干しが長期にわたって食べることの出来る理由は、
- 塩による殺菌効果
- 有機酸による抗菌作用
- 赤シソによる消毒効果
の3つです!
普段何気なく口にしている塩ですが、実は強い殺菌作用を持っています。
その効果は塩分濃度が高くなればなるほど更に増していきます。
昔ながらの伝統的な方法で作られた梅干しなら、塩分濃度はおよそ20%。
ここまで濃くなれば、ほとんどの菌は塩の殺菌効果によって死滅してしまうのです。
梅干しと並ぶお弁当の定番、おにぎり。
おにぎりには必ず塩を振りかける家庭がほとんどです。
実はこれも、塩の殺菌効果によりお弁当として持って行くおにぎりが、長時間菌を寄せ付けないために考え出された工夫だったのです。
昔の方の生活の知恵は本当に凄いですよね♪
そして、やや聞き慣れない単語である有機酸。
こちらは、
- クエン酸
- コハク酸
- リンゴ酸
といった悪性の細菌に対して強い抗菌効果を発揮してくれる物質を指す言葉です。
梅干しのあの酸っぱさはクエン酸によるものです。
そう考えれば、梅干しの有機酸による抗菌効果がどれだけ強力なのか、容易に想像が出来ますよね(^_^;)
これを書いている今も、梅干しの酸っぱさを思い出して口の中が酸っぱくなっているくらいです(笑)
さて、これだけでも十分すぎる程の保存効果を発揮してくれる梅干しなのですが、実はもう一つ長持ちするための工夫が施されているんです。
それが赤シソです。
梅干しを漬ける際、赤シソを一緒に漬け込む方も多いですよね。
定番過ぎて、梅干し=赤色が当たり前と思われがちですが、実はあの色、赤シソを一緒に漬け込むことで得られるものなんです。
その赤シソには、強い消毒作用があります。
この力で、文字通り梅干しについた毒を消し去ってしまうのです。
更に更に!!
赤シソが発するあの独特のにおい。
実はあれ、ベリアアルデヒドという成分により発生している物なのですが・・・ここにも強い防腐効果も備わっています。
- 塩
- 有機酸
- 赤シソ
三つの働きにより、空気中を漂う雑菌から梅干しは守られています。
その結果、何年経ってもカビることも腐ることもなく、長持ちしてくれるというわけです。
とは言え、いくら保存が利く梅干しといえど、冷暗所で保存した方がより長く、梅干しの風味を守ることが出来ます。
冷蔵庫や、せめて直射日光の当たらない涼しいところに漬け込んだ梅を保存しておくよう心がけましょう。
期限を守って美味しく安全に!
いかがだったでしょうか?
今回は、梅干しの賞味期限はどれ位?ということで
- 市販の開封済み梅干し
- 未開封の梅干し
- 蜂蜜付け梅干し(減塩梅干し)
- 自家製梅干し
それぞれの賞味期限についてみていきました。
その商品の塩分濃度にも影響されますが、冷蔵庫でしっかり保存しておけばかなりの長期間風味を保つことが可能です。
特に自家製の梅干し・昔ながらの製法で作られた梅干しはしっかり保存しておけば何年経っても食べることが可能です。
逆に蜂蜜付け・減塩梅干しなどは、やや賞味期限が短いと言わざるを得ません。
とはいえ、これらの商品は開封後速やかに食べれば何の問題も無く、美味しく食べることが可能です。
賞味期限を守って、美味しく梅干しを食べて下さいね(^^)