高齢者施設のお祭りで職員が最も頭を抱えるのは『出し物』です。今回は、そんな悩みを解決するオススメ出し物3つを紹介しています。高齢者の方が本当に喜んでくれる出し物は何か、徹底解説です。

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高齢者施設のお祭り

多くの施設では、夏時期には納涼祭や夏祭り、秋には地域の御神輿に来てもらったりといったお祭り行事がつきものです。

これが利用者の皆さんには大変好評なことが多く、職員側としてもその笑顔を見るだけで「やって良かった」と充実感を得ることができます。

ですが、その当日までの準備が大変です
会場設営やボランティアの要請、勤務の調整に家族への連絡…とやることは山積みです。

そんな中でも特に職員の頭を悩ますのは、

【出し物】

です。

施設職員の出し物

この出し物、ほとんどの場合は会場を盛りあげたり、ボランティアの方たちが準備が整うまでの時間つなぎだったりするのですが、これが難しいんです!

あまり時間を取りすぎてしまっては祭りのプログラム進行に支障をきたしてしまいます。
かといって、短すぎてしまっては会場の空気が冷え込んでしまうことも…

若い人たちの集まりあらば流行りのギャグの一つでもやれば笑いが取れたりするのですが、高齢者施設ではそうはいきません。

高齢者の方は、例えば今はやりの

「安心してください、履いてますよ!」

なんてギャグを飛ばしても「?」と首をかしげて終わりです。
運動会についての記事を書いた時にも触れたのですが、主役は私たちではなく、あくまで利用者=高齢者の方達です。

自分たちだけ楽しい、という自己満足のための出し物では駄目なのです。
利用者の方も、そして出し物をしている職員も、みんなが楽しいことこそが理想ですよね。

今回は、お年寄りの方に楽しんでいただける、祭りの時に使える出し物、厳選三つを紹介したいと思います。

マジック

古今東西、どこに行っても喜んでもらえるのがこのマジックではないでしょうか?
普通に生活していては絶対味わえないドキドキ感が利用者の方に大人気の秘訣です。

注意するのは、見えやすく、そして大きなマジックをすることです。

トランプの絵柄を変える、なんてマジックは合コンでは大変受けるのですが、残念ながら高齢者施設ではあまり評判は良くありません。

何故なら、高齢者の方たちはトランプの絵柄がはっきりと見えないからです。

いくらすごい腕を持っていても、そもそも見えなければ何をしているのかさっぱりわかりません。
必ず一度会場で見え方を試しておくことを強くお勧めします。

そして、肝心のマジックの中身ですが…

私は、新聞紙を使ったマジックをお勧めしています。

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このマジックのメリットは二つ。

【マジックのタネが売っている】

【新聞紙を使っているので大きくてわかりやすい】というところです。

さらに、私自身購入して施設の行事で実践したのですが、素人でも少しの練習で簡単にできます。

大きな動作で破ってしまった新聞紙がパッと再生した瞬間には、会場の利用者の方から拍手喝さいがわきました。

ちなみに、ドン・キホーテやヴィレッジバンガードで売っています

お金がかかってしまうし準備も必要なので少し難しいかもしれませんが、その分利用者の方のリアクションも折り紙付きです。

利用者の方をあっと驚かせたいと思う方がいれば、ぜひ試してみてくださいね。

ダンス

ダンス、と言ってもたとえばエグザイルなんかの踊りを踊っても、利用者の方のウケを狙うのは難しいかもしれません。

無難と言えば無難ですが、氷川きよしさんの名曲【ズンドコ節】に合わせての踊り等がやはり受けが良いようです。

また、地域に伝わる伝統の踊りを披露してみせると、こちらが驚くほど利用者の方が喜んでくれる場合があります。

やはり、昔からその地域で生活している方にとって、自分も昔踊ってきた踊りは特別な感情を持っているようです。

また、夏祭りならハッピを着た職員が盆踊りを披露してみせるのもおすすめです。
盆踊りを通して、利用者の方たちに季節感を味わってもらえますし、ハッピを着ているだけで、見ている側もテンションが上がってくるみたいです。

合唱

歌を歌うのもおすすめです。
ただし、職員だけが歌うのではありません

【合唱】です。

難しい歌である必要はないので、高齢者の方なら誰もが知っている歌を選んでおくのがいいでしょう。

季節の歌もいいのですが、それではデイサービスやリハビリ等で毎日のように歌っている場合も・・・
そういった時は、昔流行った曲を歌うといいでしょう。

私がボランティアで歌いに行っている施設では

  • 365歩のマーチ
  • ふるさと

は皆さん大きな声で歌ってくれます。

他にも

  • 高校3年生
  • 北国の春
  • 涙そうそう
  • ソーラン節
  • 青い山脈
  • さそり座の女
  • 上を向いて歩こう
  • 天城越え
  • リンゴの唄

等は鉄板ソングのようです。

全部覚えるのは大変ですが、祭りの際の出し物は長くて10分程度。
2~3曲覚えれば事足ります。

利用者の方とのコミュニケーションツールとしても、歌の効果は非常に高いものがあります。
この機会にぜひ、覚えてみてはいかがでしょうか?

珍しい出し物はいらない

いかがだったでしょうか?

もしかしたら、「そんなの知ってるよ」なんて思った方もいるかもしれません。
ですが、それでいいのです。

何度も言うようですが、あくまで主役は高齢者の方たちです。
彼らに喜んでもらうことが目的である以上、突飛なものや珍しい出し物である必要は必ずしもありません。

高齢者の方たち相手に行う出し物に求められるものは

  • シンプルさ
  • 盛り上がり
  • 手軽さ

です。

シンプルであるほど、利用者の方にも理解しやすくなります。
認知症の方も増えてきている事を考えると、より分かりやすい出し物にしていことが必要となってきます。

祭りというメインの行事の中の一部でしかない出し物では、凝った演出よりもシンプルなもののほうが見ている側としても飽きが来ず良いみたいです。

次に盛り上がり。
祭りの最中に、せっかく楽しんでいたところで出し物で水を差してしまっては台無しです。

次の出し物につなげるために、また祭り自体を全力で楽しんでもらうために、利用者と会場のテンションをガンガン上げていきましょう!

最後は手軽さです。
とはいえ、「出し物は必ず簡単なものにしろ!」

等というわけではありません。

ただ、準備にあんまり手間取ってしまいますと、通常の業務に支障をきたしたり、準備疲れから祭り当日までにモチベーションが低下してしまう恐れもあります。

また、あまり凝ってしまいますとついつい複雑な出し物になってしまいがちです。
凝り性の方には申し訳ないのですが、あまり細かいところまで力を入れすぎず、余った余力を本番にぶつけましょう!

祭りは、それだけでも十分に楽しめるものですが、出し物などで利用者のテンションを上げることが、できればもっともっと満足してもらえることもできます。

利用者のために、そして祭りをもっと楽しいものにするために、知恵を絞って出し物を考えてみませんか?