認知症の方向けのレクリエーションって、考えるのがかなり難しいですよね。簡単すぎたら参加してくれませんし、楽しさを追求するとルールが複雑になったり…この記事では、認知症の方でもそうでない方も、みんなが楽しめて、しかもリハビリにもなるレク5つを紹介しています。
認知症の人専用のレクって意外と少ないんです。
ですが、普段施設で行われているレクはルールが細かく認知症の人には不向きです。
そこで今回は、認知症のリハビリにも使えるレクリエーション5つを紹介します。
認知症であってもなくても変わらず楽しめる、そんなレクリエーションになっています。
認知症の人でも楽しめるレクを
認知症の人がやるレクはなかなか思い浮かばないという方も多いのではないでしょうか?
また、アイデアが出たとしても簡単なもの、盛り上がりに欠けるレクになってしまうといった経験もあるはずです。
というのも、私自身が以前同じような経験をしたからです。
認知症
という病気にとらわれすぎて、レクを考える際に最も肝心なことを忘れてしまっているのです。
それは、高齢者の方達に楽しんでもらうということです。
認知症があってもなくても、レクリエーションは高齢者の方達のためにあることを忘れてはいけません。
それさえしっかり認識しておけば、認知症という病気にとらわれず、一人の人間として相手をとらえ楽しいレクリエーションを提供していけるようになります。
認知症の人向けレクリエーション5種
それでは、早速認知症の方に楽しんでもらえるレクリエーションを紹介していきます。
ここで大事なのは、認知症の方もそうでない方も楽しめるレクリエーションを考えることです。
何故なら、デイサービスでも、特養や老健などの入居施設であってもまず間違いな認知症のある方とない方、両方の利用者がいるからです。
にもかかわらず、
認知症の人だけが楽しめるレク
認知機能に問題のない方のためのレク
を提供することは介護のプロとして失格と言えるの行為ではないでしょうか。
その点を踏まえて、今回のレクは誰が参加しても面白い・楽しいと思ってもらえるようなものを紹介していきます。
紙ヒコーキチャンピオン
認知症になったとしても、昔のことはしっかりと覚えています。
当然、子供のころに遊んだ歌や遊びの内容なども事細かくです。
そこで、紙ヒコーキです。
飛ぶヒコーキを作るには紙の大きさに沿った綿密な計算・繊細な作業が要求されるので、実はかなりリハビリ的な要素が強い作業の一つなんです。
多くの方は紙ヒコーキの飛ばし方、飛ぶヒコーキの作り方をしっかりと覚えています。
昔取った杵柄、という言葉がありますがまさにその通り昔行ったことを土台にして、素晴らしい飛ぶヒコーキを皆さん作り上げてくれるんです。
特に男性の方に人気のレクですが、女性の中にも信じられない飛距離の紙ヒコーキを折る強者もいます。
職員が本気になってもかなわないほどの腕前ですので、是非職員も利用者の方もハンデな字で全力で取り組んでもらえたらと思います。
ちなみに、昔私に紙ヒコーキの作り方を教えてくれた方が作った紙ヒコーキは、
本当に50メートル近く飛びました・・・
ウソみたい、と言うよりウソとしか思えませんが本当です。
私も同じ作り方をしたところ、その方には全然及びませんが、それでも10メートルほどの飛距離が出る紙ヒコーキは作ることができました。
風向きもよかったのでしょうが、正直どんな条件が良くても50メートル飛ぶヒコーキを私は一生作れる気がしません。
高齢者の方達の持っている技術の高さを改めて実感させられた一幕でした。
風船を膨らませて
こちらは、楽しいだけでなく、高齢者の方達へのリハビリ効果も高く、私一押しのレクの一つです。
風船を膨らませるのはかなりの肺活量を必要とします。
この行為が、運動をあまりしない人にとっては適度な負荷を生み出すようなので、運動嫌いな人には遊びと称してこのレクを行ってもらえたらと思います。
あまり肺活量が強くない人には職員が一度膨らませてしぼませた風船を手渡すのをお勧めします。
一度膨らんだ不運戦は膨らみやすいので、肺活量が落ちている高齢者の方でも簡単に膨らませることができます。
膨らませた後は、出来れば自分でくくってもらいましょう。
くくるのって、指先もある程度の器用さが要求されますし、何よりどうやってくくるかを考えるのに頭を使うことになるんです。
更にそのあとは、くくった風船をかごの中に投げ入れてもらいます。
このリハビリだけで
- 肺活量
- 指先の訓練
- 脳の活性化
- 投げる動作
といったいくつもの機能を鍛え上げることができるのです。
楽しみながらリハビリを行ってもらえるというわけです。
ちなみに、どうしてもくくれない時には作業をするいすやテーブルにテープを貼っておきそれで止めてもらいましょう。
シンプルですが、少し投げる分には十分風船を保たせてくれます。
大的倒し
こちらは、ある程度認知症が進行している方であっても楽しめるレクです。
名前の通り、大きな的を倒すだけのシンプルなレクです。
一見単純で飽きてしまいそうなこのレク、簡単な工夫でとても面白いゲームへと生まれかわります。
それは、思いっきり大きな的を準備してしまうということです。
普通の的では面白みに欠けてしまいます。
ゲームセンターの巨大ぬいぐるみ、あるいはそれ以上の大きさの的を用意しておくのです。
たったこれだけですが、倒れない的というのは思った以上に高齢者の方達の眠っている闘争心やチャレンジ精神に火をつけるようです。
皆さん目の色を変えて、必死に的を倒そうと取り組んでくれますよ。
ちなみに、的となる大きなぬいぐるみですが、リサイクルショップに行けばかなり激安で売っていることも。
私の行きつけの店ではなんと「これほしい?うちいらないしあげるよ」とただで巨大ぬいぐるみをいただくことも・・・
店長さん曰く、ぬいぐるみはあまり使い道がなく、置き場所に困るからいらないそうです。
皆さんも、もしこのレクをやろうとして的がない場合には、お近くのリサイクルショップで店員さんに声をかけてみてください。
驚くほど安価にレクの道具が手に入るかもしれませんよ。
ちなみに、このレクで投げるボールは何でも大丈夫です。
片付けに困らない範囲で
- ビニールボール
- ピン玉
- テニスボール
- バランスボール
など等、施設にある道具を活用して楽しんでもらえたらと思います。
多的倒し
同じく、ボールを投げるレクですが、先ほどのレクとは少し違います。
今度は的の大きさではなく、的の数を増やします。
横一列、10個くらいまとを並べてみてもいいかもしれません。
オススメは、先ほどと同じくぬいぐるみです。
ただし、今度は簡単に倒れるように少し軽めのものを。
そうして、ボールを投げて的を倒す。
シンプルなルールのゲームですので、認知症の方も自然にレクに溶け込むことができます。
的を多くしたのは、そちらのほうが盛り上がるからですが、それだけではありません。
認知症が進行すると徐々に集中力が落ちてきてしまいます。
そうすると、一つの的だけを狙う従来の的あてでは途中からしんどくなってしまうのです。
そのための、複数の的です。
これなら、狙いを絞ることなく、全力でボールを投げることだけに意識を傾けることができます。
何も考えず、力の限りボールを投げる。
これも立派なレクリエーションであり、同時に認知症の方であってもそうでなくても楽しめるレクとなります。
大人のジグソーパズル
高齢者施設で認知症の方の脳トレやリハビリにカツオ用されるジグソーパズルのほとんどが子供が行うような単純なものです。
これでも、利用者の方達が楽しんでくれるならば何の問題もないのですが、中には
こんな子供だましワシはせん!!
と怒ってしまう方も・・・
特に男性の方や認知機能のレベルがある程度保たれている方にとっては、子供がやるような簡単なパズルに取り組むのは正直良い気分はしないでしょう。
そこで、このレクです。
簡単なものが嫌なら、いっそのこと難しいパズル、私たちが普段行うような普通のジグソーパズルをやってもらえばいいのです!!
もちろん、最近はやりのヒントがないものなどの超難問ではありません。
これでは難しすぎて、やる気をそいでしまいます。
そうではなく、難しすぎに程度のものを選ぶのです。
出来れば、花やヒコーキなどパズルを行う高齢者の方達の興味を引きやすい題材のものにしてもらえたらと思います。
スタッフの手助けが必要な利用者の方もいるでしょうが、案外そこそこの難易度のパズルならば時間をかければ高齢者の方達はできてしまうものなんです。
認知症だから出来ない、というのは間違っています。
あくまで病気の一つであって、それですべての機能が失われるわけでは決してありません。
施設にて子供用のジグソーパズルを提供しているのならば、是非一度少し難しいものにチャレンジしてもらってもて下さい。
その方の今まで知らなかった技術や側面がきっとみられるはずですから。
終わりに
いかがだったでしょうか?
今回は、認知症の方にオススメ!!リハビリにもなるレクリエーションを紹介させてもらいました。
見てもらったレクのいくつかは、認知症の人にはできないんじゃないの??と思うものだったかもしれません。
ですが、それははっきり言って間違いです。
認知症と言っても症状や進行具合によって当然レベルは大きく異なります。
脳血管型の認知症の場合には阻害される機能が限定されるので、案外出来るレクリエーションが多いことも多々あります。
認知症=単純なものしかできない、というのは偏見です。
もちろん、単純なルールほどわかりやすくていいのは高齢者向けのレクリエーション全般に言えることです。
ですが、それがすべてでは決してありません。
昔からの先入観にとらわれず、認知症という病気ではなく、その人個人をしっかりと見てレクリエーションを考えていってもらえればと思います。
最後に、これまで当サイトで紹介した高齢者向けレクリエーションをまとめた記事を紹介しています。
- なにかいいレクはないかな?
- 準備のいらないレクが知りたい!!
- うちにあるものだけでレクリエーションができないものか・・・
全ての悩みに答えます!!
是非参考にしてくださいね。