寝たきりの方が楽しめる介護レクリエーションをコンセプトに、私の介護現場での体験をもとに作成しました。寝たきりの方に喜んでもらえるレクとはいったいどういったものでしょうか。
今回は、寝たきりの方にオススメのレクリエーションを紹介していきます。
多くの施設では、残念ながら寝たきりの方のレクリエーションはほとんど行われていません。
行われるのはリハビリくらいのものです。
ですが、体が元気であっても、ベッドから起きられなくても楽しい時間を過ごしたいという気持ちは誰も変わりません。
今回紹介するのは、ベットで一日の大半を過ごす方であっても満喫できる簡単レクリエーションです。
是非、寝たきりであまりレクに参加できない方と一緒に楽しんでみてくださいね♪
介護寝たきりレクリエーション
それでは、早速紹介していきます。
今回は介護寝たきりレクリエーションということで、いわゆる寝たきり、つまりベッド上で一日の大半を過ごす方達にオススメしたいレク内容となっています。
デイサービスの競争激化などに伴い、レクリエーションのバラエティはかなり豊富なものになってきました。
ボール等を使った従来のレクリエーションはもちろんの事、
- パワーリハビリ
- Will
- 麻雀
- パソコン
等、ありとあらゆるものがレクリエーションの道具として活用されていくようになりました。
しかしその一方で、道具が使えない方のレクリエーションについてはないがしろにされてきました。
確かに、寝たきりの方や認知症の重度な方はレクリエーションの参加が難しく、リアクションも小さいため中々レクネタを考えるのは難しいのかもしれません。
ですが、それを理由に寝たきりの方向けのレクを考えないのは、介護士の怠慢というものです。
と、偉そうに言いますが私自身あまりこの分野には着手していなかったのが現実です。
私は、施設に来る高齢者の方全員に、貴重な残りの時間を少しでも楽しく、いい時間にしてもらいたいと思っています。
そこで今回、寝たきりの方であっても楽しめるレクリエーションを作成してみました。
皆さんのお役に立てば幸いです。
風船ラリー
まずは、風船ラリーから。
風船なら少しでも手、あるいは足が動くからならばラリーを行うことは可能です。
寝たきりの方=運動できない
という考えが働きがちですが、それが
寝たきりの方=運動が嫌い
につながってはいけません。
少しでも体が動く方ならそのできることに着目し、本人が本当にしたいことを行えるようレクリエーションのバリエーションをしっかりそろえておきましょう。
季節の歌
季節の歌はかなりおすすめのレクリエーションです。
というのも、寝たきりの方は体調などの関係でなかなか外出できない方が多いためです。
施設の中で毎日生活していれば確かに快適ですが、外の空気を感じることはできません。
今が夏なのか、それとも冬なのかもカレンダーを見なければわからない・・・
これでは、寂しいですよね。
そこで、気軽に季節感を味わってもらえる季節の歌の出番というわけです。
寝たきりの方のレベルにもよりますが
- 一緒に歌う
- 一緒に歌を聴く
このどちらでも季節を感じてもらうことが可能です。
必ずしも歌わなければいけない、というわけではないのです。
一緒に歌を聴く。ただこれだけで十分季節を感じることができるのです。
職員の出し物
職員の出し物をベッドサイドにて見てもらうのもオススメです。
僕は昔からの趣味も高じて
- マジック
- ジャグリング
- 歌
等、行事の出し物に最適な特技ばかり覚えてしまいました(笑)
これらの練習を、寝たきりの方のベッドサイドにてよく行わせてもらっているんです。
出し物って、見るだけでも楽しめるレクリエーションですよね。
「おお~!!」
と声でリアクションを取ってくれる方もいれば、目を見開いて驚いた表情をしてくれる方もいます。
「リアクションがないからやりにくい」
という声を時々聞きますが、これは大きな間違いです。
何故なら、例え表情やリアクションに出せなくても、寝たきりの方・認知症の方たちはしっかりと理解してくれているからです。
リアクションがないからやらない
というのは、プロの仕事として失格です。
介護士として、高齢者の方のいい刺激になるのなら、たとえ何の反応がなかったとしても行ってみてください。
そして、そのあとで見てもらった方をじっくり眺めてみてください。
必ず、何かリアクションをしてくれていますよ(^^)
散歩
一緒に散歩に行く。
一見するとレクリエーションではないように思えますが、これほどレクにふさわしいものはないと私は思っています。
レクリエーションの本質は、やはり高齢者の方たちに楽しんでもらうことです。
では、あなたがもし毎日ベッドで寝たきりで、同じ景色ばかり見ていたとしたら、何がしたいですか?
一年中建物の中で生活をしていたら、どこに行きたいですか?
おそらく、
「外に出たい」
「外の景色が見たい」
といった感情が浮かんでくるはずです。
高齢者の方も一緒なんです。
毎日同じ場所、同じ景色の中で生活する。
たとえどれほどいい環境であっても、代わり映えのない環境はある意味で苦痛です。
刺激の少ない、変化に乏しい生活は認知症も進行させてしまいます。
長い時間外出しろ
というわけではありません。
車椅子に乗り、ほんの5分~10分でいいんです。
- 外の風に一緒に当たってみてください。
- 外の景色を浴びてみてください。
これが何物にも勝るレクリエーションとなるんです。
会話
レクリエーション=何かするもの
このように思う方も多いのですが、会話も立派なレクリエーションの一つです。
寝たきりの方は、居室にいることもあり介護職員でも恐らくほとんど会話をしていないというのが正直なところではないでしょうか。
ホールに出てきて元気に話をしてくれる方と比べると、その会話量の少なさはすぐにわかるかと思います。
普段会話があまりない方にとって、職員が時間を取って話をしてくれること自体がとてもうれしいことであり、どんなレクにも勝るものといえるのではないでしょうか。
発語が難しい方であっても、それは同じです。
- 天気の話
- 仕事の事
- 悩み相談
話題は何だっていいんです。
ただ、そばに座って話を聞いてもらう。
当たり前のように思えることが、何よりも素晴らしいレクリエーションといえるのです。
花のにおいを
季節ごとに花が咲きますよね。
その花を是非、寝たきりの方にも見てもらってください。
そして、花の香りをかいでもらってください。
写真やテレビのおかげで、桜などその季節ごとの花を居室に居ながらにして見ることができるようになりました。
ですが、映像だけでは匂いはわかりません。
本来、季節とは五感すべてで感じるものです。
そして花のにおいをかぐ嗅覚も、その大事な五感の一つなのです。
ほんのり香る花もあれば、強烈なまでの自己主張する芳醇な香りを持った花もありますよね。
季節の花を、嗅覚でも楽しんでもらいましょう。
季節のものを触る
最後にオススメするレクリエーションは、手触りにより季節を感じるレクです。
先ほど述べた五感の一つに触覚というものがあります。
平たく言えば、触って感じる感覚の事です。
季節ごとに色々な自然の贈り物がありますよね。
- ドングリ
- タンポポ
- 桜の花びら
- 落ち葉
- 雪
どれも季節を感じさせてくれるとても素晴らしいものです。
春夏秋冬、自然の贈り物をその手で持って貰いましょう。
触れることでしか味わえない感覚を、そして季節を味わってもらいましょう。
ベッド上でもレクは楽しい!
いかがだったでしょうか?
今回は、寝たきりの方でも楽しめる介護レクリエーションということでベット上でも行える簡単レク7つを紹介させてもらいました。
中には、
「これがレクリエーション?」
と言いたくなるようなものもあったかと思います。
ですが、レクリエーションをするからといって必ずしも体を動かす必要はないんです。
その行為が高齢者の方たちにとって嬉しいもの、楽しいものであればたとえどんな行動であってもレクリエーションと呼ぶことができるんです。
私たち介護士は、ついついレクリエーションと聞くと
「何かしなくちゃ!!」
と思ってしまいがちです。
ですが、80歳、あるいは90歳をこえる高齢者の方たちにとって必ずしも何かをすることが一番いいとは限りません。
まして、寝たきりで体力の落ちている方であればなおさらです。
- 複雑で面白いゲームも
- 体を動かす体操も
- ベット上での会話も
全てがレクリエーションです。
一番大事なのは、高齢者の方に喜んでもらうレクを行う事。
どうか、その軸となる考えだけは忘れないでくださいね(^^)