高齢者施設で必ず行われる行事の一つ、運動会。この運動会、実はかなり介護士泣かせ・・・行事の内容は?どこに注意すればいいの?気になる疑問にすべて答えていきます!!最大の悩み、運動会の種目についても多数紹介していますので是非参考にしてください!!
デイサービスでの運動会
高齢者施設の職員がいつも頭を悩ます事の一つは【行事】ではないでしょうか?
特に、運動会は多くの参加者がいるのでどんな種目を選ぶのかに頭を悩ませる方も多いのでは。
今回は、数ある施設の中でも特にイベントが多いデイサービスでの運動会に焦点を絞って種目を考えていきたいと思います。
運動会の種目
デイサービスでの運動会では、特養や老健の利用者の方よりも介護度が低い、つまり運動能力が高い方が多いことが前提となります。
そのため、体を動かす種目もいくつか入れていくのですがここで注意点を一つ。
いくら体力があると言っても、あくまで参加者は【高齢者】であることを決して忘れないでください。
こういった運動会でよくある失敗は、
「うちの利用者の方は元気だから、体を動かす種目を増やさないとみんな退屈しちゃうかな」
と考えてしまうことです。
利用者の体力や介護度にまで配慮した種目決めをしているのは素晴らしいのですが、【元気】の捉え方が少し間違ってしまっています。
ここでの元気は、あくまで『高齢者の中では元気』という意味です。
これを踏まえずに、体を動かすハードな種目ばかりを増やしてしまうと事故のもとになりかねません。
また、最近ではデイサービスでも介護度が高い方も利用している場所が増えてきたように思えます。
ですので、そういった方も参加できるような種目を入れていくことも忘れないでください。
それでは、今の注意点を踏まえて、以下の種目をご覧ください。
車いす競争
「車いすだと、乗っている利用者が限られるのでは?」と思うかもしれませんが、そこが良いんです。
この種目のいいところは、
- 車いすの方もそうでない方も参加できる
- 普段主役になれない方も目立てる
ということです。
車いすレースですが、当然普段から車いすを使用していない方も参加できます。
この人たちは歩行ができる分だけ身体能力は高いかもしれませんが、車いすに乗りなれていないというハンデがあります。
このハンデが意外と良いように作用して、いざ競技を始めると利用者の方がみんな同じレベルで収まります。
ですので、だれが勝つかわからない楽しい時間を過ごすことができます。
特に、普段運動ではあまり活躍できない車いすの方が勝ちやすいというのもいいですね。
車いすも、乗り方をしっかりと習えば段差はもちろん、階段だって登れる優れた道具、いわば『第二の足』です。
ですが、多くの方はそのイメージがつかむことができず、車いす操作を習う際にもせいぜいが進み方や曲がり方程度しか覚えようとしません。
この種目を通して、車椅子に乗る楽しさに気づき、もっと車いす操作を覚えようと参加者の方に思っていただけたら万々歳と言えるのではないでしょうか?
ピンポン玉送り競争
この競技は、あまり体を使わない種目です。
まずは、参加者の方に2~3列に並んでもらいます。
そして、列が整った後は参加者全員にスプーンを持ってもらい準備完了です。
各列の先頭の方のスプーンにピンポン玉を置きます。
そして、スタッフの「スタート!」の掛け声とともにピンポン玉を後ろに送ってもらいます。
もちろん、スプーンからスプーンにです。
そうして、一番最初にピンポン玉を列の後ろに送ったチームの勝利です。
簡単そうに思えますが、スプーンからスプーンへのピンポン玉を渡すのは思った以上に難しいものです。
玉がスプーンから落ちてしまったり、ついつい手を使ってしまったり…
興奮しすぎて参加者の方がケガをしないようにだけは注意してくださいね。
大玉送り
これは、子供の運動会でも定番ではないでしょうか?
ルールは、先ほどのピンポン玉送り競争とほとんど一緒です。
ただし、ボールが大きい分、高齢者の方だけでは難しい場合も。
その場合は、参加者のレベルに応じてスタッフが列に加わって一緒にゲームを行うのもいいでしょう。
大玉は、リハビリなどで使うバランスボールがあればこれを利用しましょう。
軽いですし玉に大きさもありますので、このゲームにうってつけと言えますね。
玉が大きいので、立ってこのゲームを行っていると玉に押されて転倒してしまう危険も考えられます。
ですので、まずは椅子を用意して、参加者の方には全員座ってもらいましょう。
そのうえで、列を組んでゲームを始めます。
ゴールに玉を入れるためのカゴを置いておくと、よりゲーム感が増して楽しくなりますよ。
的当て
ボールを投げるだけの簡単な種目ですので、多くの参加者が楽しめるのが一番のメリットです。
これも、チームを分けて行うのがいいでしょう。
的を倒した数を競ってもいいのですが、より運動会らしさを出すのなら的に点数をつけてみてください。
的は
- 10点
- 20点
- 30点
- 50点
- 100点
の五つくらいがいいのではないでしょうか?
ただし、点数に応じて的を小さくしていく必要があります。
100点の的は特に小さく、簡単には当てれないようにする工夫も必要です。
簡単すぎてしまっては、参加者の方も楽しめません。
適度な難しさや、負けるか勝つかわからないハラハラドキドキがあってこそ運動会は楽しいものです。
風船バレー
これは高齢者施設ではメジャーな種目の一つでしょう。
最近ではリハビリに取り入れている施設も多いので、参加者の方もルールを把握しやすいのではないでしょうか?
デイサービスでは、曜日によって利用する人がまちまちですよね?
ですので、この種目では日ごろのリハビリの成果を発揮してもらうために、曜日ごとにチーム分けしてみても面白いかもしれませんね。
月曜日チーム VS 木曜日チーム
みたいに進めていき、トーナメント方式で決勝戦まで行ってみるのも楽しいかもしれませんね、
手を使ってのバレーもいいのですが、私はウチワを使っての風船バレーもオススメです。
手を使うと、どうしても身体能力によってチーム力に大きな差が出てしまいがちです。
ウチワを使うと思った以上に点が取れないんです。
ですが、手よりも触る表面積が増えるので、ゲームの難易度は下がります。
ちなみに、この場合はバレーの名前は付きますが、ネットははずしてしまったほうがゲームがやりやすくなりますので、はずすことをお勧めします。
参加者のレベルがある程度同じになって、かつ多くの方が楽しめる種目です。
是非一度試してみてください。
自分の施設の特徴を考える
これは、デイサービスに限ったことではないのですが、高齢者施設の運動会に大事なのは
「うちの利用者はどんな人たちか」
というのをしっかりと把握してプログラムを組むことです。
これを外してしまうと、一部の参加者しか楽しめなかったり、種目のレベルが低すぎて退屈なものへとなりかねません。
大事なのは【運動会を行うこと】
ではなく、
【参加者に運動会を楽しんでもらう】ことです。
種目決めは、そのうえで最も重要なポイントになってきます。
今回挙げた種目も参考にしつつ、皆さんの施設にあったゲームを考えてみてくださいね。
最後に、高齢者の方に喜んでもらえること間違いなしのレクリエーションをまとめた記事へのリンクを載せています。
- もっと運動会の種目がほしい!!
- レクリエーション何したらいいのかわからない・・・
こんな悩みをお持ちの方は、是非参考にしてみてくださいね。