最後は笑顔で

私の祖父はがんで亡くなりました。
まだ小さかった私は詳しい症状までは覚えていませんが、最後の時間の過ごし方が決して祖父にとっていいものでなかったことだけは覚えています・・・

今回は、祖父のような最後を送る人を減らすためにも、末期がん患者の余命の過ごし方について書いていきたいと思います。

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祖父の最後

私の祖父は、がんで亡くなりました。
10年以上前のことです。

当時まだ幼かった私は、詳しい病状やがんという病気について詳しいわけではありませんでした。
記憶もあいまいで、祖父がどのような治療をしていたのかもはっきりとは覚えていません。

ですが、ただ一つはっきり覚えていることがあります。

それは、祖父の最後が決して幸せと呼べるものではなかったことです・・・

それから時がたち、私は介護士として多くの高齢者の方達の最後を見届けてきました。
そういった経験や、祖父の最後を通じて正しい人生の最後、末期がんとの付き合い方というものが私なりに見えてきました。

がんになった方の闘病記や、専門家が書いたブログは見かけますが、当事者以外の人が書いた末期がんに関する記事はあまり多くないように思えます。

そこで今回は、がんと闘った家族を持つ一人として、また多くの高齢者の方に人生の最後の過ごし方を習った一人として末期がん患者の余命の過ごし方について話をさせてもらおうかと思います。

末期がんとの付き合い方

末期がん、というとやはり真っ先に頭に浮かぶのは、治療がほぼ不可能ということです。
がんが全身や骨に転移、医師から余命宣告される状態です。

痛みは強く、いつ来るともわからない死の恐怖と常に戦わなければならない状態です。
余命宣告されてからは、刻一刻と近づくその時に向けて、常に不安は付きまといます。

そうなったとき、私たちはどのような行動をとるのが最も正しい最後に時間の過ごし方なのでしょうか。

延命治療か緩和ケアか・・・

末期がんと付き合っていく際に、二つの治療が考えられます。

延命治療緩和ケアです。

延命治療とは、文字通り命を延ばすための治療です。
抗がん剤を服用し、がんの進行を食い止める方法です。

医学は日々進歩しています。
もしかしたら、明日にはがんを治す薬ができるかもしれません。

その希望を信じ、抗がん剤を服用あるいは新薬の治験に立候補し、新薬の効果にかける人もいます。

生きている時間が長くなるということは、それだけ家族といられる時間も長くなります。
大切な人と一分一秒でも長くいたいと考える人にとって、延命治療は大きな力になってくれます。

一方で、緩和ケアはどうでしょうか?
緩和ケアは、こちらも文字通りがんによる症状を緩和するためのケアです。

つまり、末期がんが引き起こす痛みや苦しみといったものを抑え、残された時間をより快適に過ごしてもらうことを第一に考えたケアというわけです。

良く知られている方法は、モルヒネという痛みを除去する薬を使う緩和ケアでしょうか。
末期がんが引き起こす激痛を防ぎつつ、穏やかな気持ちで余命を過ごし、最後の日を迎えれるよう心のケアを行っていきます。

末期がんで恐ろしいのは

  • 言葉にできないほどの激痛
  • 痛みや不安などからくる精神的なストレス
  • 治らないという絶望感
  • 余命宣告されてから、徐々に近づく最後の日への恐怖

です。
これらが患者の心をむしばんでいきます。

緩和ケアでは、がんを治すのではなく、がんが引き起こすこれらの症状と闘う治療法なのです。
私は、祖父の最後を通してこの緩和ケアこそが末期がん患者が心穏やかに余命を過ごすうえで最も大事なことなのだと思うようになりました。

刺身が食べられなかった祖父

祖父の話に戻ります。
祖父は、魚が大好きでした。

夕食には必ずお刺身が付いていて、煮つけや干物が大好物です。

そんな祖父にとって、病院でチューブにつながれ点滴と栄養補給の飲み物しか口にできない病院での生活はまさに地獄だったと思います・・・

また、無類のお酒好きで、特に桜の下で飲む酒は最高だ!!と毎年花見をだれよりも楽しみにしていた祖父でもありました。
ですが、病院で治療を続け、退院することすらできなかった祖父はそれすらも許してもらえなかったのです・・・

好きなものを何一つ食べることができなかった祖父

大好きな花見に行けなかった祖父

命の源と呼んでいた酒を口に入れることなく旅立った祖父

祖父の最後は、決して幸せなものではなかったように思えます。

私は、この祖父が大好きでした。
自由で、大酒を飲み、魚を美味しそうに食べる祖父が何よりも好きでした。

そんな祖父が最後、行きたいところにも行けず、好きなものも食べれず、病院のベッドで一人亡くなったのです・・・
最後の表情は、とてもつらそうだったのは決して忘れられません。

祖父の最後の一言

認知症になっていたこともあり、徐々にしゃべれなくなっていった祖父でした。
そんな祖父が最後に私たちに言った一言は

刺身が、食べたい

でした。
大好きな刺身を、もう一度口にしたかった祖父の、心からの一言でした。

延命治療を行い、治ると信じて薬を飲み続けた祖父。
私たち家族は、祖父に少しでも長く生きてほしいがために、祖父の最も大事な残された時間を台無しにしてしまったのだと思います・・・

最後に残したい表情・言葉

穏やかな気持ちで

末期がんになり、余命宣告されたとき、あなたはどうしますか?
あるいは、家族がそうなったとき何をしてあげますか?

私は、祖父の最後の言葉と表情から一つのことを学びました。
それは現在、介護士として働く中で非常に役立っていることです。

最後に残したい言葉と表情はどんなものか

これを第一に考えることです。

延命治療では、どうしても痛みに耐えつつの闘病生活になります。
食事もままならず、行きたいところへ出かけるのも難しいはずです。

ですが、緩和ケアは違います。

症状を抑え、残された余命をどれだけ本人らしく過ごせるか。
望む人生を満喫してもらうにはどうしたらいいかを常に第一に考えてくれます。

私はどちらの治療法が正解かはわかりません。
ですが、祖父のように悔しくてたまらない最期を迎える可能性が少ないのは、間違いなく緩和ケだと思います。

もし、残した最後の言葉が無念言葉ではなく、良い人生だったと心から言いたいのなら・・・

もし、最後の表情が苦痛や悔しさにまみれたものではなく、穏やかな優しい表情でありたいなら・・・

私は、皆さんに緩和ケアを受けることを強くお勧めします。

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余命宣告は何のため

末期がんになり、余命宣告されたときから残りの人生のカウントダウンが始まります。
どうか、その残りの日々を笑顔で生きてください。

苦痛に耐えて毎日を過ごすために医者は余命宣告をするのではありません。
残された時間を伝えるのは、貴方に悔いを残すことなくこの世での時間を終えてほしいからに他ならないのです。

  • 食べたいものは残っていませんか
  • お酒は、たらふく飲みましたか
  • 見たい景色は残っていませんか
  • ご家族とのお話は、十分ですか

残された日々は、決して長くはないでしょう。
ですが、やり残したことを行うには十分に足る時間のはずです。

医者と体調の相談等はもちろん必要となりますが、体調を整え、出来ることすべてを快くまで行ってほしいと思います。

笑顔でいればこそ

時折ではありますが、末期がんが完治したという奇跡のような話を耳にします。
ですが、私はこれを奇跡とは思いません。

私自身の話になるのですが、以前に医者から車いす生活になるのは逃れられないと宣告されたことがあります。
徐々に麻痺していく足や腰の感覚が、そのことが事実だと私に突き付けていました。

当時まだ24歳だった私は、絶望感にさいなまれました。

仕事は、家族は、これからの人生は・・・

目の前が真っ暗になるという表現をよく聞きますが、まさに何も見えない真っ暗闇の中に立っているような深い孤独と絶望を感じました。

そんな時たまたま読んだ本に、笑顔で毎日を過ごせば、元気なイメージをもって過ごせば病気は治るという内容のメッセージが書かれていました。

医者に頼れない以上、わらにも縋る思いで私は毎日を笑い、明るく過ごしました。
日に何度も足が完治し、歩けるようになることだけをイメージしました。

結果は・・・辞めろと言われた介護士の仕事を今でも続け、元気に社会人クラブで卓球をしています。
足のしびれはなく、座る椅子にさえ気を付ければ日常生活に支障のない程度まで落ち着きました。

笑顔で毎日を過ごしたからこその、起こるべくして起こった奇跡だと私は思っています。

がん患者の人たちのグループには、笑顔でがんを吹き飛ばそうと活動している人たちがいます。

これは、医学的に見ても正しいそうです。
笑顔で明るい気分でいることは私たちの体の細胞を活性化し、がん細胞などの悪い細胞を消滅させてくれるそうです。

それだけ、笑いながら生きるということは私たちの体に力を与えてくれるのです。
がんを治すための特効薬、そして余命を存分に満喫するための最善の方法、それが笑顔なのです。

そして、末期がん患者が笑顔でいるために最も邪魔なのはやはり痛みです。
抗がん剤は、痛みを増幅する副作用もあります。

末期がんに苦しみ、刺身を食べれなかった祖父を間近で見ました。
そして、笑いによる奇跡を偶然とはいえこの体に起こしました。

私は、末期がん患者の余命の過ごし方は、笑顔でいることに尽きると思います。

もしかしたら、笑顔で毎日を過ごしてもがんは治らないかもしれません。
でも、緩和ケアを行い、笑顔で毎日を過ごせたら、少なくとも満足してこの世を去ることはできます。

痛みもなく、穏やかな表情と感謝の言葉を残してこの世を去ることができるはずです。

もし、あなたが末期がんで、残された家族やパートナーに感謝の言葉・満面の笑みを残したいのなら、満足のいく最後の時間を過ごしたいのなら・・・

どうか、緩和ケアを取り入れ、笑顔で余命を満喫してください。
それが、あなたの最後を最高なものに作り替えてくれますから。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
最後に、他の病気に関する記事も載せています。

病気について知っておくことは、早期発見にもつながります。
参考にしてもらえたらと思います。

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