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介護は、専門性が求められる仕事ではありますが、現状では無資格の方であっても介護の仕事を行うことができます。

また、介護の資格は数多くあるのですが、そのほとんどが資格を取ったところで出来る仕事内容は変わりありません。

同じ職場で働く看護師の仕事は、看護師にしかできないものです。

彼らは、自身の専門性を仕事場でいかんなく発揮しています。無資格の人は当然看護業務を行うことはできません。
自分たちにしかできない仕事をする集団…いわば、看護師は看護のプロです。

では、介護士はどうでしょうか?
私たち介護士が『介護のプロ』と名乗るためにはいったい何が必要なのでしょうか?

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介護士の専門性とは…

介護士は、介護を提供する人たちの総称です。

介護職としてはもっとも有名な資格を持つ介護福祉士の方を筆頭に、ヘルパー1級の資格を持ってい働いている人もいれば、社会福祉士という資格を持っている人もいます。

また、資格を取ることなく介護を提供している方も大勢います。

そうです。
介護士は、食事・排せつ・入浴など人間が生活を送っていくうえで極めて重要な活動の援助を行っているにもかかわらず、その専門性が確立されていないのです。

何をもって介護のプロなのか

超少子高齢化社会を迎えた日本において、介護はとても重要な仕事となってきているのは間違いありません。

内閣総理大臣である安部総理も、介護の重要性については再三述べていることから、日本という国においていかに重要な位置づけをされているかがうかがえます。

にもかかわらず、介護士の専門性はいまだ確立されておらず、介護士の地位向上もままならないのが現状です。
何故でしょうか?

そもそも、介護の専門性を持った人材、いわゆる介護のプロとは何をもって言えるのでしょうか?

介護福祉士を持っていれば、介護のプロなのでしょうか?
それとも、介護の仕事を何年も続けていればプロと名乗っていいのでしょうか?

資格は介護のプロに必要か

私は、介護のプロを名乗る上で必要なのは、やはり専門性だと思います。

介護技術はもちろんですし、資格も持っている人のほうがふさわしいと思います。

無資格者の方が駄目というわけではありません。
しかし、介護というサービスを提供される利用者の方=お客様にとって、資格は名刺のようなものです。

プロを名乗る以上、肩書も大事となってきます。
例えば、まったく同じ美味しい料理を提供する人であっても、

調理師の資格を持っている、ここで5年働いた料理人のゆーだいです。

と言われるのと、

資格は持っていないけど、料理は20年作り続けてきたゆーだいです。

といわれるのでは、どちらの料理を食べたいと思いますか?
…おそらく、前者のゆーだいの料理を食べてもらえるのではないでしょうか。

介護福祉士に限らず、介護の資格の多くは、取ったからと言って出来る仕事が増えたりはしません。
ある意味では、紙切れと一緒です。

私は認知症ケア専門士という資格を去年取ったのですが、これにしても新しく何かの仕事をできるようにあるといったわけではありません。

ですが、その資格を取るまでに学んだ知識・技術は紛れもなく本物です。

私自身、認知症ケア専門士を取るために勉強したことは何一つ無駄になっていません。
その知識は、現在では認知症の方とのコミュニケーションや、どういったケアが適切なのかを考える際にとても役立っているものです。

ういった介護のプロとしての専門性を裏付けるための名札が、資格なのではないかと私は思います。

介護のプロが持つべき心構え5つ

資格は持っている。現場と勉強で培った知識や技術も持っている。仕事に対する情熱もある。

では、あと何が必要か。

…それは、介護のプロとしての心構えではないでしょうか?
ここからは、介護のプロを名乗るために持っておかなくてはならない心構え5つを紹介していきます。

自分なりの介護観を持っている

自分なりの介護観は、プロとして絶対に持っておくべき視点の一つです。

介護は、心身ともにストレスのかかる仕事です。
周りからも評価されにくく、給与もそんなに高い訳ではありません。

そんな中で、ともすれば介護士としての自分に嫌気がさしてしまうこともあるかもしれません。

そういった心が疲れ切った時に自分を支え、奮い立たせてくれるものこそが確固とした介護観なのです。

もちろん、職場環境や人間関係などによって支えられている人も大勢いると思います。
ですが、最後に自分の背中を押してくれるのはやはり自身の核となる考え方です。

どういった介護をして、利用者の方どんなサービスを提供したいのか。

なぜ自分がこの仕事に就いたのか

いつの間にか、仕事が作業になってしまっていないか…

年に何度かは、自分の仕事を振り返り、介護観というものを思い返してみるのもいいかもしれません。

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常に学ぶ

介護に限ったことではありませんが、プロ・専門家を名乗るにあたって最も大事なのは常に学び、成長していくことです。

技術は常に進歩しています。
道具も新しくなり続け、社会は毎年のように大きく変革を遂げています。

まして、超少子高齢化社会が叫ばれる日本の介護業界にとっては、1年1年が全く違う世界であるといったも過言ではありません。

そんな中で、過去の技術・知識にばかり頼っていてはあっという間にほかの方に置いて行かれます。

「もう覚えることはない…」

等と言っている方は、厳しいようですがその時点で専門家ではありません。
介護士として学ぶことはたくさんあります。

  • 介護技術
  • 介護保険
  • 自分が働いている会社・施設に関する知識
  • 業界の流れ
  • 新しい資格の取得

いくらでも出てきます。

幸い、この業界では研修などは事欠きません。
いつでのどこでも学ぶ機会はあるのです。

プロを名乗るなら、専門家を語るなら、常に進化を追い求めましょう。

完璧を求めない

介護という仕事には、解答例はあってもこれが完璧というものは決してありません。
相手はモノではなく、常に感情や体調が変化する人間です。

今日この対応がよかったからと言って、明日また同じ対応をして利用者の方の機嫌を損ねないとも限りません。

体調によっては「リハビリを頑張ってもらう」というのが良い日もあります。
ですが、次の日には「今日は無理をせず、歩かない」というのが正解の日もあります。

どれが正しいかなんてわからないのです。
そんな中で、

「これが正解、完璧だ!」

等と言っているのは、逆にそれ以上のケアを提供することをやめてしまったという諦めにもとれてしまいます。

よりよいサービスを目指すのは専門家として素晴らしい姿勢です。
ですが、もっともっとサービスを良くするために、私たち介護士はよりよいケアを目指しつつも、完璧を答えにしてはいけないのです。

介護の知識・技術だけは誰にも負けないという気概

これは、専門家としてのプライドです。

何か一つ自分に誇れるものがあるだけで、人間は自分の仕事に、そして自分自身に誇りを持てるようになるものです。

介護の世界で働く人の話で、時折

「近所に住む○○さんはあんな仕事をしていてすごいよ…」

「介護って、結局誰にでもできる仕事だし…」

という声が聞こえてきます。
とても悲しいことです。

介護は、確かに仕事内容だけ見れば誰にでもできるもののように感じます。

ですが、質の高い、利用者の方に満足していただけるケアを提供しようと思うとその難度は格段に上がります。
それは、とても素人の方が同じクオリティを再現しようとしてもできないものです。

私たち介護士は、それだけのことができています、というよりもできなくてはなりません。

介護のプロ=介護士です。
ですから、求められるものは高いですが、同時にそれは誇りでもあるべきです。

だからこそ、私たち介護士は

「知識も介護技術も誰にも負けない!」

という思いを常に胸に秘めておく必要があります。
自分の仕事に誇りを持つためにも、また自分自身をもっと成長させるためにも、常にこの気持ちを胸に秘めておきましょう。

常に利用者の目線で物事を考える

最後はこの点です。
私たち介護士にとって、利用者のためになる介護をするのは最も基本的なことであり、同時に最も大切なことでもあります。

ですが、仕事を覚えていけばいくほど、介護に慣れていけばいくほど、この介護士として最も大事な視点が抜け落ちていってしまうのです。

その理由はいくつかあるのですが、やはり大きいのは

  • 作業が増える
  • 仕事に慣れてしまい、細かいところまで目が届かなくなる
  • 同じ作業に飽きてしまう

というあたりでしょうか。
仕事ができるようになり、やることも増えてくるにしたがって利用者の方が見えなくなってしまうのです。

確かに、介護技術の向上や介護プランの作成、介護主任などを任されるという風に、勤続年数が長くなればなるほどにするべき仕事も増えることでしょう。

ですが、それらが誰のためにスキルであり、なんのための仕事なのかを忘れてはいけないのです。
どんな時であっても、

『利用者第一』!

この考え方だけは胸に秘めておいてくださいね。

介護のプロとは…

結論すれば、介護に限らず高齢者の方の情報、法令、その他介護にかかわる知識のすべてを習得している方が真の専門家だと私は思います。

ですが、それらが完璧であればプロと呼べるのかといえば違うはずです。

利用者の方を第一に考える必要があります。

高齢者の方に関する情報、介護士として必要な知識・技術、介護士としての確固たる理念…必要なものはきっと数限りないものだと思います。

ですが、数多くの偉人が述べているように

「その仕事を楽しむことが何より大事」

な事です。

介護という仕事を楽しみ働いていく。
その過程で、技術が、信念が、プロとしての自覚が身についていく。

そんな風に成長した人こそが本当の介護の専門家であり、介護のプロと名乗るにふさわしい人なのかもしれませんね。

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