「いづれ」と「いずれ」、正しいのはどちらなのでしょうか。案外どっちも使っている方も多いこの二つの言葉、違いや使い方、漢字表記を紹介します。

「いづれ」と「いずれ」、この二つの言葉の違いについてあなたは考えたことがありますか?

発音すればほぼ同じに聞こえるこの二つの言葉、私たちは同じ言葉として扱っています。
私もそうですが、この二つを意識して使い分けている方などほとんどいないはずです。

ですが、2つ言葉があるという事は必ず何か違いがあるものです。
調べてみたところ、意外ともいえる二つの言葉の違いを発見しました。

「いづれ」「いずれ」、正しい使い方についてお伝えしていきます。

「いづれ」と「いずれ」について

さて、今回皆さんにお伝えしていくのは、「いづれ」と「いずれ」の違いや正しいのはどちらかについてです。

いきなり本題へと行く前に、まずはどちらが正しいのか考えてみてください。

答が浮かんできたでしょうか?
では、今頭に浮かんだ答えをしっかり覚えておいてくださいね。

脳は、ただ見聞きした情報は頭に入りにくい構造になっています。
しかし反対に、一度考えて取り組んでみたものは、2回目以降取り入れやすくもなっているのです。

今あなたが考えた答えが間違っているか正解かは一切関係ありません。
まず考える、これこそ新しいことを覚えるうえでの最もいい方法なのです!

と、まあ脳トレのような説明をしたところでいよいよ本題です♪

今回は「いづれ」と「いずれ」、二つの言葉の違い、そして正しいのはどちらなのかについて詳しく説明していきます。

もしかしたら、あなたも間違った使い方をしていたのかもしれません・・・
それでは、説明の方をご覧ください!

いづれは歴史的仮名遣い

まずは、「いづれ」について見ていきたいと思います。
こちらは、歴史的かな遣いと呼ばれる言葉の一つです。

読んで字のごとく、古くから使われてきた言葉と言うわけです。
他の歴史的仮名遣いの仲間としては

  1. めづらしい
  2. つはもの
  3. にほひ
  4. はぢ

等がこれに当たります。
ちなみに、上から現代語に直していくと

  1. めずらしい
  2. つわもの
  3. におい
  4. はじ

とそれぞれなります。
「にほひ」なんて、まさしく古文の教科書でしか見ないような言葉ですよね。

ここから見て分かる通り、歴史的仮名遣いの言葉は表現が古く、一目で昔の言葉と分かってしまうものばかりなんです。

ですが、「いづれ」だけは比較的現代語に近い表現であることから、特に違和感を感じることなく現代においても使用されているのです。

いずれかの意味と使い方

では、「いずれ」の方はどうでしょうか?
こちらは現代仮名遣いと呼ばれる言葉になります。

簡単に言ってしまえば現代において用いられている標準語の一つと言うわけです。

いずれについて辞書で引いてみたところ

  • (二つのうち一つを選ぶ)どっち・どちら
  • (多くの中から一つを選ぶ)どの・どれ
  • (不定の時間を指す)いつ
  • (不定の場所や方向を指す)どこ

等が意味として挙げられていました。
ちょっと分かりにくいので、例文を用いて説明していきますと

  • みかんとりんご、いづれかを選んで下さい=どっち・どちら
  • この5人の中、いずれ劣らぬ強打者です=どの・どれ
  • いずれまた会いましょう=いつ
  • いずれの人とは知りませんが=どこ

等の使い方をされています。

少し古い表現であるので、最近ではあまり使われないものもありますが、

【どの・どれ】

【いつ】

等の表現は、今でも時折見聞きするものですよね。
こうしてみると、「いずれ」がかなり使い道の広い言葉であるのがうかがえます。

「意味が多すぎて覚えられない!!」

と言う方は

いずれ=英語のwhich

と考えてください。
どれ・どちら・どっちなどを尋ねる際に用いるwhichは、まさに英語版の「いずれ」と言えるのです。

正しいのはどっち?

さて、「いづれ」と「いずれ」、正しいのはどちらの言葉でしょうか。
といっても、ここまで読んでくださった方ならもう分っているかと思います(^^;)

そう、正解は現代仮名遣いである「いずれ」です。
現代で使われているからこその現代仮名遣いであるわけですからね。

とはいえ、「いづれ」が完全に間違えなのかと言うとそうではありません。
歴史的仮名遣い、つまり古い表現なだけであって言葉の意味自体は全く変わりません。

実際、私が持っているいくつかの辞書で調べてみたところ、辞書によっては「いづれ」と「いずれ」の両方で同じ説明が出てきました。

また、何百年か先の未来では、再び「いづれ」の方が主流になっている可能性も十分に考えられます。
ですので

今現在で考えた時、時代に合っているのが「いずれ」

なだけである、と言うのが最も正しい表現と言えます。

いずれの漢字表記

「いずれ」と聞くと、ひらがなしかないように思いますよね。
ですが実際には、ちゃんと漢字での表記も存在しています。

「何れ」

「孰れ」

この二つはどちらもいずれを漢字で表したものです。

ちなみに、この二つに意味の違いはありません。
好みで好きな漢字を使ってもらえれば大丈夫です。

  • いずれ
  • 何れ
  • 孰れ

どれでも好きな漢字をお使いください(^^)

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は、「いずれ」と「いづれ」の違いや正しい使い方について説明させてもらいました。

では、この記事で紹介した内容のまとめをいくつか挙げておきます。

  • 「いづれ」は歴史的仮名遣い=昔の言葉
  • 「いずれ」が現代では基本的な言葉となっている
  • 「いずれ」は意味がたくさん
  • 「いずれ」は何れ・孰れとも表現できる

日本語って本当に複雑ですよね(^^;)

私はずっと日本で暮らしている日本人ですが、それでもこういった言葉の意味の違いは、調べないと全然知らないことばかりです。

いずれなんて、何度も使った言葉のはずなのに面白いですよね。

今日この記事であなたが知ったことは、おそらく多くの方が知らない知識です。
是非、他の方にも正しい使い方を教えてあげてくださいね♪

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